燃費の悪さなどの欠点も、スペース優先と思えば納得の車だ【ウェイク編・東京スマート軽ライフ】
2016/11/25
自動車ライター、塩見智さんが軽自動車に約1ヵ月間乗り、東京での軽ライフをリポートする「東京スマート軽ライフ」。高級車が溢れる東京での軽ライフを赤裸々につづっていく。今回はウェイク編の第3回。

立体駐車場を使えないなどの点もあるが
このひと月、ウェイク、ハイゼットキャディと乗り継いだ。期間中、今乗っているのが軽自動車かどうかをほとんど意識しなかった。ハイゼットキャディを本来の目的、つまり商用車として仕事に使う場合は別だが、ウェイクと同じように日常の足や趣味の道具を積み込むために使うのであれば、軽自動車かどうかはほとんど関係ない。純粋にサイズが小さいわりに室内が広い車を探している人が行き着く車ではないだろうか。ターボ車であれば4人乗車+荷物という状態でも痛痒なく走るし、サイズは軽自動車なので取り回しは最高だ。
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実用上困るのは、立体駐車場を使えないことと、ボクシーなスタイルがあだとなって燃費が13~14km/Lにとどまることくらいか。それらにしたって、スペースを優先した結果と思えば納得もいく。軽自動車をいろいろと乗ってだんだんわかってきた。軽自動車は1台で価格、燃費含む維持費、豪華さ、スペースなど、いろいろな項目を1台ですべて満たすことはできないが、何かひとつかふたつに絞れば、登録車にも劣らぬ性能を得られる。見栄を張るのは難しいかもしれないが、実を取るなら軽自動車という選択は十分にありだ。

ウェイクは実は東京向け軽自動車?
東京は狭い。幹線道路は立派だが、ちょっと路地へ入ると、狭い道路が多い。また路肩の駐車枠に40分200円、あるいは60分300円で縦列駐車することも多い。加えて1人で乗っている車が非常に多い。であるならば、サイズは小さいに越したことはないはずだ。必要なスペースを上へ求めたウェイクは、実は東京向けソリューションなんじゃないだろうか。
と思っていたら、ダイハツはこのほどムーヴキャンバスというムーヴの派生モデルを発表した。レトロなスタイルとカラーリングに、ウェイクより180mm低い1655mmという車高で登場した。オリジナルのムーヴは全高1630mm、そして一番の売れ筋であるタントは1750mmと、ダイハツは各モデルの全高を巧みに変え、何種類も用意することでユーザーのニーズにきめ細かく応える努力をしている。スズキもホンダも日産-三菱連合もしかり。こうした努力の積み重ねによって、軽自動車は年間200万台前後の市場を形成している。軽自動車をたくさんの中から迷い、選ぶことができるのは、日本人の小さな幸せといえるかもしれない。

【筆者プロフィール】
1972年、岡山県生まれ。自動車雑誌編集部を経て、フリーランスの自動車ライターへ。軽自動車好き。SUV好き。「カーセンサーnet」をはじめ、「GQ Japan」「GOETHE」「webCG」「carview!」「ゴルフダイジェストオンライン」などにて執筆中。
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