買って大正解。トヨタ ハイエースがつくる、友と笑い合えるかけがえのない時間
2020/03/24

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
32歳の秋、突然「そうだ、車買おう」と思い立つ
何らかの事情により嫌々ながら車を買った人を除いて考えると、世の中の自動車所有者は以下の2種類に大別できる。それすなわち「車そのものが好きな人」と、「車があることで可能になる何かが好きな人」だ。
そして神奈川県在住のハイエースオーナー真山大希さんは、典型的な後者であるように思える。
現在33歳の真山さんが人生初のマイカーとして2013年式のトヨタ ハイエース スーパーGLを買ったのは昨年秋、32歳のときだった。それまでは、車というものに何ら興味はなかった。
いや、「何ら興味はなかった」というのは言いすぎか。便利なツールとして「あったらいいな」ぐらいには思っていて、必要に応じてレンタカーを借りて使っていたとはいう。
だが「自分専用のそれを買おう」と思うまでには、まったく至っていなかった。
しかし前述した昨年秋、突如として開眼した。いや、車そのものに開眼したわけではない。「自分の車がある日々」への渇望が、突如湧き上がったのだ。
「5年ほど前に転職して川崎市に越してきたのですが、新しい環境でできた友人の多くがアウトドア好き、キャンプ好きで。それに影響されて自分もキャンプなんかに参加しているうちに、なんとなくですが突然、『……自分の車、買おうかな?』って思ったんですよね」
▲2013年式のトヨタ ハイエース スーパーGL「どうせなら愛着が持てるものにしたい」と、カスタムを敢行
候補はハイエースの一択。「いわゆる流行みたいなモノには特に興味がない」という真山さんが、昔から好感を抱いていた“究極の実用車”である。
ただ、せっかくわざわざ「自分の車」を持つのであれば、愛着や思い入れが持てるものにしたいと思ったことから、カスタマイズは必須だった。
カーセンサーnetで検索を始めるとすぐに、自分のイメージに近いキャンパー仕様のハイエースやSUVなどを得意としている専門店を発見した。
その販売店で「もともとはシルバーのおじさんくさいボディカラーでした(笑)」という2013年式のハイエースを買い、販売店と相談しながらボディを「サンドベージュ」に全塗装。そしてそのお店が得意としている黒いグリルガードやオーバーフェンダー等々を装着した。

▲「ブラックアウトされたボディ下部やJAOSオーバーフェンダーに合うボディカラーはこれしかない!」という考えに基づき、購入時にサンドベージュへと全塗装。もともとのボディ色はシルバーだったそこからまた別の業者に依頼して、内装も自分のイメージに基づいて改変。さらに車内後部は車内泊ができる仕様にカスタマイズしたが、「まだまだ発展途上です」と言う。今後も様々な作業が予定されているが、とりあえず近々では「車内の天井を革張りにしてみる予定です」とのことだ。
自分流カスタマイズの道はまだ途上だが、それでも現在すでにけっこうな予算が投下されている。それに見合うだけの満足感のようなものは得られているのか? つまり、昨年秋に突如「そうだ、車買おう」と思い立ち、そして実際に購入した真山さんの選択は、正解だったのだろうか?
そんな問いに、真山さんは食い気味のタイミングで即答した。
「いやもうすでにぜんぜん元取れてますし、大正解でしたよ! というのも、すっごく楽しいんです、『車がある生活』ってやつが。何と言いますか……友人たちと笑い合えるということに、シンプルに価値を感じていますね」
▲商用車感丸出しだったシートはレザーカバーをかけ、エスニックな柄の布地をあてている。今後はルーフもレザー張りにする予定だという
▲ラゲージスペースはこのような状態にカスタマイズ。ほんの少々の作業で広大なフルフラットの寝台が出現する。向かって左に座っているのは友人のKさん大切なのは「生産性」ではなく「笑い合えること」
2013年式ハイエースの主な使い道、例えばキャンプ。友人たちを乗せて森の中のキャンプ場へ行き、特に何をするでもなく、まずは屋根を作ってテーブルと椅子を設置し、食事を作って酒を飲み、夜空を見ながら語り合い、そして寝る。
またあるいは「うまいモノが食いたい!」と思い立ったとき、友人を乗せて数百km先の飲食店まで行き、これまたいろいろ語り合いながら、笑いながら、メシを食う。
さらにあるいは、標準ホイールベース版とはいえ十分に広大なハイエースの後部スペースを生かして、業者さながらの体で友人の引っ越しを全面的に手伝う。
「そういった事々に、いわゆる生産性なんて何もないですよ。でも、気の置けない友人たちと笑い合える時間が――ちょっと大げさに言えば生きる糧になってますし、『この毎日のために、仕事の方もがんばろう!』って思えるんですよね」

そしてハイエースを買ってみて良かったことはもうひとつ、「次から次へと“やりたいこと”が生まれてくること」だと言う。
「もちろんキャンプに行くことはハイエースを買う時点で想定してました。でも実際に車を持って、それを使って何かをやってみると、さらに『次は何をやろう? 何ができるかな?』という感じで、どんどんイメージが膨らんでいくんですよね。友人の引っ越しを手伝うのがまさかこんなにも楽しいとは、完全に想定外でしたし(笑)」
続けて真山さんは言う。
「車は人を乗せてナンボだと思ってます。だから、友人たちは遠慮せずどんどん僕とこのハイエースのことを使ってほしいですし、『真山の車に乗って良かった。次もまたぜひ乗りたい』と思ってくれたなら、実は僕の方こそ嬉しいんです」
真山さんのハイエースのカスタマイズを(大変失礼ながら)シビアに採点させていただくと、正直「運転席まわりが弱い」と、筆者には感じられた。 2列目以降は現段階でもかなりのモノなのだが、1列目はまだまだノーマル臭が強いのだ。
▲ステアリングホイールこそナルディのウッド製に変更したが、ダッシュパネル付近はまだ完全にノーマル状態そのことを真山さんに率直に伝えると、「まぁ自分けっこう見栄っ張りなんで、ついつい人目につく部分から始めちゃうんですよ!」と笑う。
だが筆者はそれ=見栄が「運転席まわりが弱い」ことの理由ではないと、にらんでいる。
「ハイエースと、ハイエースを運転している自分」ではなく、「この車で友人らと楽しい時間を過ごすこと」を優先しているがゆえに、真山さんはついつい「2列目以降」からカスタマイズを始めてしまったのだ。たぶん、だが。


真山大希さんのマイカーレビュー
トヨタ ハイエース(現行型)
●購入金額/約400万円
●年間走行距離/約8,800㎞
●マイカーの好きなところ/内外装フルカスタム
●マイカーの愛すべきダメなところ/威圧感がありすぎる
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/多趣味(バンド、キャンプ、ゴルフ等)

インタビュアー
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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