世界一(?)高コスパな2+2クーペ「旧型アウディ TT」、いよいよ100万円台後半に!
カテゴリー: クルマ
タグ: アウディ / クーペ / シニア向け / 単身向け / 独身向け / かっこいい / クール / スタイリッシュ / 安い / お手頃 / AT / FF / 4WD / デート / ドライブ / TT
2016/02/26

美しく楽しく、実用的でもある最高の「オールインワン」
輸入中古車評論家を自称するわたしだが、自慢じゃないがカネはない。しかしカネはないなりに「ちょっとした贅沢」はしたいと思うもので、それには俗に「2+2クーペ」と呼ばれるボディ形状を持つ何らかの輸入車に乗るのが一番なのではないかと、常日頃考えている。
2+2クーペ。つまり「基本2シーターみたいなものだが、いちおう後部座席も付いてる」という類の車は、乳幼児から小中学生ぐらいのお子さんがいる家庭にはハッキリいって不向きだが、筆者のように子を持たぬ者や、あるいは親よりも友人との時間を大切にするようになった世代のお子さんがいる家庭で、なおかつ家長が車好き・運転好きである場合は、このうえない選択のひとつだ。
なぜならばまず、2+2は一般的にデザインがステキだ。セクシーである。そしてサイズ的に小ぶりでスポーツ方向に振った味付けである場合が多いため、運動性能がなかなかよろしい。つまり運転していて楽しい。それでいていちおう後部座席もあるため、必要な場合はそこに人を乗せることができ、そこそこ大量の買い物や旅行などをする際はトランクに加えてもうひとつの荷物置き場にもなる。
要するに「美しくて楽しくて、それでいてまあまあ実用的でもある」ということだ。……完璧ではないか、子無しまたは子離れ組としては。
ただし「全方位的にOK」というのは「八方美人」ということでもあるわけで、そういった意味ではピュア・スポーツカーやピュア・ミニバン、あるいはピュア・セダンの潔さと比べるといささか弱い部分もある。が、筆者のように自慢じゃないがカネはない人間は広大なガレージで何種類もの車を飼育するわけにもいかないため、どうしたってオールインワン的な何かを選ばざるを得ないのだ。そのあたりは大目に見ていただければと思う。

旧型アウディ TTの“セクシーゾーン”は150万~199万円!
さて。そのような視点で美しくも楽しい輸入2+2クーペを選ぶ場合、わたくしが今推奨したい銘柄のひとつが旧型アウディTTだ。
06年10月から15年7月まで販売された、今さら詳しく説明するまでもないアウディのヒット作である。新車価格はおおむね414万~631万円だったが、今となっては本体価格120万円ぐらいから探すことも可能。しかし筆者が見たところ車両150万円未満の旧型TTはさすがに走行距離が飛んでいる場合も多いため、個人的には車両価格150万~199万円あたりが今、旧型アウディTTのスイートスポットでありセクシーゾーンなのではないかと思う。
もう少し上の200万~260万円付近もボリュームゾーンなのだが、新型TTがすでに登場しているこのタイミングあえて旧型を狙うなら、極力お値打ち価格で買う方が納得感は強いというもの。とはいえコンディションもそれなり以上に重視したい……となったときに最適なのが、筆者がいう150万~199万円付近なのだ。「100万円台」というある種の納得価格のなかで、走行3万~5万km付近の好条件な2.0 TFSIが狙えるのである。

新型の性能とデザインも魅力だが、旧型でもある意味十分以上
だがここで当然のように出てくるのが、「デザインや存在感、走りとかはどう考えても新型の方がいいだろ? ならば新車の新型TT買った方がいいんじゃないか?」という反論だ。
それに対してはこのように答えたい。
確かにおっしゃるとおりだ。そもそもの設計タイミングが10年近く後である新型の方が各部分の性能は確実に上で、デザインセンスなどもより当世風であるのは当然のことだ。そこに関しての異論はまったくない。しかし逆に問いたいことがひとつある。「その超絶性能と超絶デザインって、あなたの生活に本当に必要ですか?」と。

新型アウディ TTはかなり素晴らしいが、旧型TTだってなかなかどうして素晴らしい車だ。点数にして「200点対140点」という感じだろうか。もちろん100点満点で、だ。まぁ旧型TTは中古車になったことで減点もしているだろうが、それでも2+2クーペとして90~100点ぐらいの実力は今も確実に有していると、筆者個人は採点する。
それでいいじゃないですか、十分じゃないですか。
あなたがもしも重度のカーマニアであるならば、常に最新テクノロジーの成果物を追いかけた方が満足できるのかもしれない。もしくは何らかの事情で見栄を張る必要がある場合も、当然ながら最新モデルを選ぶべきだ。話はTTから少々ズレるが、あなたが職業的なレーサーである場合も、極力新しいマシンに乗ってタイムを詰めるべきである。
だがもしもそうでないのであれば、まずまず以上に高性能でイカしてる車を程良い予算で購入し、どこぞの誰かと比較するでもなくのんびりそれを楽しむのも、きわめて幸せなカーライフのひとつの形であるはずなのだ。
アウディの車というのは、登場からある程度の年数がたつと途端に古く見えてしまう傾向があると個人的には思う。それはアウディ車に限らず「モード系デザイン」の宿命なのだろう。しかし幸いにして旧型TTは(筆者の見立てによれば)フルモデルチェンジを経てもほとんど古さを感じない稀有なアウディである。それどころか、車に詳しくない人が見れば新型も旧型も見分けがつかない可能性すらある。そういった意味でもオススメで、そしてコスパの高い旧型アウディ TT。ある種の人には今絶対に注目していただきたい2+2クーペである。

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