【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、「格安AMG問題」を語る
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2013/01/09


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100万円台のAMG、意外と悪くないのかも……
当連載や本家軍曹ブログを熱心にお読みいただいている奇特な方は、もしかしたらご存じかもしれない。100万円台の輸入中古車を推奨している筆者だが、「100万円台のAMGやM3など」を推奨したことは一度もない、ということを。
なぜそれらを推奨しないかといえば、単純に「傷んでいることが多いから」だ。
もちろんどんな車でも、それなりの年数乗っていれば傷む。しかし大パワーをハードな足回りで受け止めている高性能モデルは、その逆のケースと比べるとどうしても各部が傷む際の進行速度は速くなるのが一般的だ。ということで、100万円台で買えるようなAMGやBMW M3などについては見て見ぬふりをしてきた不肖わたくしである。
が、それは間違っていた。100万円台のAMGやM3も決して悪くない選択だと、今にして思うのだ。これまでの筆者はまるで古典的な自動車評論家のように、細かいことを気にし過ぎていたのかもしれない。
どういうことかといえば、古典的な自動車評論家というのは得てしてどうでもいい重箱の隅をつついて欠点を指摘したり、非現実的な速度でコーナリングをカマしたうえで足回りについてああだこうだと論評する。
「そんな論評はナンセンスだ!」と筆者は確信し、独自の「時速60km的論評スタイル」を構築してきた……つもりだった。
もちろんいくつかの注意点はありますが
が、いつしか旧来派と同じ穴のムジナになり、「やっぱ古くて安い中古のAMGはさ、新車時と比べるとロワアームブッシュとかがアレな場合もあるし、AMGであってAMGじゃないんだよね」などと小賢しいことを、ワケ知り顔で述べていたのだ。あぁ恥ずかしい!
無論、安めの中古AMGというのは、バリバリ新車のAMGとはずいぶん趣が異なる。前述のとおり各部の劣化は(一般論として)通常モデルよりも早めで、また荒く扱われた個体も多い。が、それなりにちゃんとした物件を探すことができれば、やはりAMGやM3に代表されるスペシャルモデルの乗り味は素晴らしく、ごくフツーに走る分には機械的な問題はさほど感じないはずなのだ。
研ぎ澄まされた特製エンジンの躍動感とパワー。よく動くのに硬く引き締まった、そこらの改造車とは次元の違う筋肉質な足回り。AMGやBMWのM、アウディのSなどだけが持つそういった美点は、多少のお疲れがあったとしても、やはり輸入車愛好家としてはぜひ味わっておきたい。「多少のお疲れ」がもたらす欠落というのは、自動車オタクな観点で言えば「甚大」なのかもしれないが、なに、オタク的ではないごくフツーの感性でとらえれば「特に問題ない」というケースも多いものだ。
ただし、先ほども述べたが「荒く扱われた個体も多い」という点に加え、「部品代は通常モデルより高価な場合が多い」という2点だけはあらかじめ了解しておく必要はある。また、ハイパワーなエンジンからの大入力を受け止めてきたトランスミッションの状態も、必ず確認しておかねばなるまい。が、そこを踏まえたうえで厳選し、そして維持するならば、ちょっと前のわたしのような自動車オタクが言うゴタクを過剰にマジメに受け取る必要はない。
ということで、今回の伊達セレクションはこちら。
ズバリ100万円台のAMGやM3など、検討の価値はあります!
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