横断歩道で英国製高級車に轢かれそうになったから、わたしはメルセデス・ベンツ Sクラスが欲しくなった
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2015/03/13
一見ガラの悪い高級輸入車に乗ってこそ「紳士的な運転」が光る
自宅近くに「信号機のない交差点」がある。路線バスも通る2車線道路と、住宅街を抜ける一方通行道路が交わる四つ角だ。で、そこには写真上のとおり横断歩道がペイントされている。
横断歩道を歩行者または自転車が渡ろうとしている場合、車は一時停止をしなければならない(※道路交通法 第3章第6節の2を要約)。ということで筆者は過日、何台かの車がこちらへ向かって走行してくるのは承知のうえで、横断歩道を渡るため2歩ほど前進した。が、一時停止する車は1台も現れず、すべての車が横断歩道上に少々差し掛かった筆者を推定時速40kmでS字状に回避しつつ疾走していった。
まぁこれは想定の範囲内というやつで、「残念だけど、世の中こんなもんだ」と苦笑するのみである。
しかし次の瞬間、予想だにしないことが起こった。英国の某高級車を運転する推定58歳の男性が、横断歩道上にいる筆者に対して警笛を浴びせ、ついでにこちらをにらみつけたうえで、推定時速60kmでS字状に回避しつつ爆走していったのだ。
だが「予想だにしないこと」と思ったのは筆者だけで、もしかしたらこれも「想定の範囲内」とする人は多いのかもしれない。なぜならば「高級ガイシャのドライバー=傍若無人でタチが悪い」というのが、たぶんだが世間の多くの人が抱いているイメージであろうからだ。
筆者は様々な取材により「一概にそうとも言えない」と知っているが、世間的には「ベンツとかの高いガイシャに乗ってる人の運転はほら、乱暴でおっかないから……」と感じている人の方が多いだろう。悲しいかな、それが平成27年のニッポンの現実である。
しかし、この高級ガイシャに対するネガティブなイメージは「逆利用」することもできる。
顔立ちや服装などが一見かなりおっかない感じの男性が、話してみると実は非常に紳士的で、自宅では元捨て猫を飼育していることなどがわかると、その男性は実態以上に「いい人」「やさしい人」「ステキな人」に見えてくるものだ。いわゆる「ギャップがもたらす魅力」というやつである。
これと類似のことを、輸入車において行うのだ。

結構な高級ガイシャを買う。ボディカラーが真っ黒であればなお良い。当然、周囲の者らは「……おっかない人が運転してる車かもしれない」と思う。しかしそこで、周囲の思い込みを完全に裏切る超絶ジェントルな運転をするのである。
空いている高速道路の追い越し車線ではそれなりに快走するかもしれないが、一般道に降りれば、すべてのドライバーの模範になるスムーズな安全運転をする。そして住宅街にある生活道路では決して飛ばさず、必要に応じた徐行と一時停止を繰り返す。当然、冒頭のような信号機のない横断歩道を渡ろうとしている歩行者または自転車を視認すれば一時停止し、笑顔でアイコンタクトし横断をうながす。……やっていることは実はごく当たり前のことであり、これをホンダ フィットなどでやったところで特に感慨はない。だが「高級ガイシャ」でコレをやるところがミソなのだ。
ある意味当たり前といえるジェントルな運転も、黒光りする高級ガイシャで行うと途端に「すげえいい人!」「ステキ!」となる。実態以上に評価されてしまうわけだ。人々からは賞賛され、もしも助手席に異性が乗っていれば、ギャップ効果によりホレられるおそれさえあるだろう。またそういったことが一切なかったとしても、「高級ガイシャでやるジェントル運転」というのは、やってみればわかるが非常に気持ちの良いものだ。電車内で高齢者に席を譲るような、誰かが捨てた道端のゴミを拾い、しかるべきゴミ箱に捨て直すような、そんな気持ち良さがある。
「なるほど! ではわたしもいわゆる高級ガイシャを買ってジェントルな運転をし、そんな気持ち良さを味わってみよう!」と思った場合、どんな車種を選ぶべきか? 答えは人それぞれであり、絶対の正解などありはしない。しかし筆者が考える正解の一つが「旧型メルセデス・ベンツ Sクラス」だ。

自動車愛好家が考える高級ガイシャ像は「今やベンツよりアウディじゃない?」とか「やはりブガッティでしょ!」などいろいろあるだろうが、それはマニアの意見である。世間一般では「ベンツ=最高級」であり、なかでもSクラスこそが高級ガイシャの象徴なのだ。そういった意味で、筆者が今回提唱している「紳士プレイ」を最大限楽しみたいなら、メルセデス・ベンツのSクラスを選ぶに限る。
しかし当然だがSクラスは高額だ。現行型の新車は最廉価グレードでも1090万円であり、トップグレードのS65 AMG longは3200万円と、ちょっとした一戸建てほどの値段。しかし「先代」であれば、今や走行5万km以下の物件であっても300万円台だ。まずまずの国産新車程度の予算で探すこともできるのである。
さらにいえば、このぐらいまで中古車相場が下がった元高級ガイシャというのは車を乱暴に扱うオーナーの手に渡り、乱暴かつ傍若無人な運転がされる……というのが結構ありがちなパターン。しかし、そこであえてそういったことはせず、ひたすら紳士的に振る舞うことで「ギャップ」の魅力はさらに増すだろう。
ということで今回のわたくしからのオススメはずばり「300万円台ぐらいの旧型メルセデス・ベンツ Sクラス」で、それにて紳士的な運転を心がける……ということだ!

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- Car:メルセデス・ベンツ Sクラス 旧型
- Conditions:修復歴なし&走行5万km以下&総額300万円以上~400万円未満(※総額400万円を超えるプランが用意されている場合があります)
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