ひまわり8号が素晴らしいのと同様に、新世代のポルシェ 911はやっぱり素晴らしい
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2015/07/24

現実的なベスト・バイ911は「0.5世代前」の中古車か?
当欄では空冷ポルシェ 911をはじめとする古めの車を推奨することが多い筆者だが、なにもそれらを手放しで絶賛しているわけではない。古い車には当然ながら何かと問題点もあり、そして「最新の機械は、なんだかんだ言ってやっぱり凄い!」というシンプルな事実もある。で、そういった事実の理解をさらに促進してくれたのが気象衛星「ひまわり8号」の登場だ。
筆者が子供だった時代から「ひまわり」は天空に存在していたが、初期のひまわりが送ってくる画像と、今年7月7日に運用開始となった8号から送信される画像とでは、そのクオリティには当然ながら雲泥の差がある。8号は気象衛星としては世界初のカラー画像を採用し、これまでは雲との区別が難しかった「火山の噴火の煙」や「黄砂」についてもわかるようになった。テクノロジーの進化万歳である。

それと同様に、筆者や世間がおおむね絶賛している空冷911(特にタイプ964)は、味わいやビジュアルという面では確かに最強レベルだが、もしも純粋な「性能」だけで見るならば、最新の911とは比べるのが失礼なほどだ。「味わい」「趣き」といった面でタイプ964に惹かれるのは素晴らしいことであり、実際筆者も強烈に964を欲しいと思っている。しかしもしも「性能」を第一義として求めるのであれば、やっぱり「最新のポルシェが最良のポルシェ」なのだ。

ということで、筆者のような極度のアナクロ趣味を持たない人に対しては「や、今さら空冷じゃなくて、買うなら最新のタイプ991でしょう!」とオススメしたいわけだが、問題は「タイプ991は高い」という単純な事実だ。
新車で買うとなるといちばん安いやつでも1255万円であり、オプション装備や諸費用を含む支払総額は最低でもおおむね1400万円近くになるだろうか。「じゃ、中古で」となっても、タイプ991の中古車相場は本稿執筆日現在1080万~1900万円といったニュアンス。……何らかのビジネスで結構な成功を収めている人以外は、そう簡単に手が出せるシロモノではない。
そこで提案したいのが「じゃ、タイプ997(旧型911)の後期型でどうでしょう?」だ。

先ほど引用した「最新のポルシェが最良のポルシェ」という有名なフレーズに照らし合わせて考えると、タイプ997は後期型であっても「最良」とは言えまい。が、その事実を精細に「なるほど、確かに997は991よりもずいぶん劣るね!」と感じ取れるのは、言ってはなんだが常人離れした体内センサーと運転技量を持ち合わせているプロのレーサーや、それに準じる高度ドライバーだけだ。
筆者レベルの、松竹梅でいう「竹」程度のドライバーは、991に乗っても997に乗っても「どっちも凄いね!」という感想しか持ちようがない。特に公道で、2台同時に乗り比べるのではなく別々の機会に乗るとしたら、ほとんどの一般ドライバーは両車の差をほとんど感じないだろう。少なくともわたしはわからない。自慢じゃないけど。
しかし、さすがに「前期997のトルコン式AT」と「後期997のPDK(いわゆるDCT)」の違いは、竹レベルどころか梅レベルのドライバーでも感じ取れるはず。で、当然PDKの方が何かと素晴らしい。ということで、もしもタイプ997を狙うならぜひ後期型を探したいわけだが、これまた「とはいえ後期型はまだ高い」という問題は残る。具体的には、ターボやGT3などを除く前期ティプトロニックS系はおおむね450万~700万円あたりで狙うことができるが、後期PDKは約700万~約980万円と一気に高くなってしまうのだ。

ここについてどうとらえるべきかは正直微妙だが、「997から数えて3世代前のタイプ964も今や700万円ぐらいの車になっちゃったんだから、それと同じぐらいの予算で最新(に近い911)が買えると考えれば安いものじゃないか!」という、妙な納得の仕方はできるのかもしれない。
いずれにせよ、ポルシェ 911という車に対して「かなりの高性能であること」を求め、それと同時にそこそこの経済的余裕をお持ちの人に対する今回のオススメは、ずばり「旧型ポルシェ 911(タイプ997)の後期PDK」だ。
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- Car:ポルシェ 911(997)
- Conditions:修復歴なし
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