フタケタ万円から狙える電気自動車は、通勤・通学などの“シティーコミューター的”使い方がオススメ
2019/10/05
▲ガソリンが不要だったり税金が割安だったりと、ランニングコストに優れている電気自動車。唯一気になるのは航続距離だろう毎日の通勤や買い物に使える航続距離
2010年から三菱 i-MiEVの個人向け販売が開始され、いよいよ電気自動車時代が幕を開けた! と思ったら、10年近くたった今もなかなか普及が進まない。
古いフィアット パンダを電気自動車に改造して乗っている私の実感としては、やはり航続距離の短さが一番のネックになっていると思う。
私のでんきパンダは、急速充電に対応しているため、充電を繰り返せば都内から実家のある新潟まで行ける。もう何度も往復した。
けれどもガソリン車なら無給油で行ける距離を、何度も充電しながら進むのはやはり面倒だ。
確かに現行型の日産 リーフは航続距離が延びたとはいえ、まだガソリン車やハイブリッド車と比べると見劣りする。
やはり今の時点では、毎日の通勤や通学に使う“シティコミューター”なのだと思う。
けれど、それに何百万円も出すのか? というのが大方の意見だろう。
しかし、本体価格フタケタ万円から中古車のEVを狙えるようになった今ならどうだろう?
シティコミューターとして利用するのであれば、急速充電よりも自宅での充電がメインとなるだろう。
契約電力などにもよるが、一般的に電気自動車が1km走るための電気料金は、軽自動車が1km走るためのガソリン代より安い。
さらに、自動車税についても、軽自動車税には及ばないが、コンパクトカーなどと同じ1000cc以下(電気自動車は0cc扱い)と同額になる。
となるとフタケタ万円から狙えるEV、けっこう魅力があるのでは? 今回はその中からオススメしたい3台を紹介しよう。
世界初の量産型がフタケタ万円半ばから狙える
三菱 i-MiEV(軽)
▲前後ライトは省電力のLEDを採用。当時の軽自動車としては初、三菱自動車としても初の採用だった。ベースの軽自動車「i」同様、乗車定員は4名
▲ドライブセレクトは通常走行のDと、出力を抑えたECO、回生ブレーキを最も強く利かせるBの3モードから選べる。2016年には回生ブレーキ力を6段階で調整できるパドル式の回生レベルセレクターを装備した2009年7月に法人・官公庁・自治体向けに、2010年9月から本格的に個人向け販売が開始された三菱 i-MiEV。世界初の量産型電気自動車だ。
搭載するバッテリーの総電力量はグレード「G(2013年11月よりX)」が16kWhで航続距離は160km(10・15モード燃費)。2011年7月に追加されたグレード「M」が10.5kWhで航続距離は120km(10・15モード燃費)となる。
GとXは最高出力64pと軽自動車のターボ車と同等、Mは最近の自然吸気モデルよりは低い41ps。
一方で最大トルクは電気自動車の特性ゆえ、GとXは180N・mと、一般的な軽自動車の約1.8倍の力をスタート時から発揮できる。
2011年7月にはGの走行距離を160kmから180kmに延ばし、カーナビや前席シートヒーターを標準装備とした。
2013年にはGの代わりにXが設定された。同時にXとMは省電力型エアコンを搭載し、実走行での航続可能距離をできるだけ延ばせるようにしている。
デビュー時の車両本体価格は438万円。原稿執筆時点(2019年9月27日)、本体価格フタケタ万円の物件は約50台で、最安値は約40万円、走行距離はわずか3万kmだ。
▼検索条件
三菱 i-MiEV(軽)×全国フタケタ万円の中古車台数が多く、選びやすい
日産 リーフ(旧型)
▲サイズが近い、当時の同社のハッチバック・ティーダよりも、ヘッドクリアランスやラゲージ容量にゆとりのあるパッケージング。前後ライトはLEDを採用。2015年のマイナーチェンジでは、衝突被害軽減ブレーキを全車標準装備
▲カーナビは周辺の充電スポットを表示する。2015年のマイナーチェンジで充電スポットを自動更新する機能が追加されたi-MiEVからわずかに遅れて2010年12月から販売されたのが日産 リーフだ。
デビュー時の一回の満充電での航続距離は200km(JC08モード燃費)で、搭載するバッテリーの総電力量は24kWh。
2012年11月には軽量化や回生ブレーキ機能の向上などで、走行距離を228kmに延ばしたグレード「S」も追加された。
さらに2015年には搭載バッテリーの容量を30kWhに増やして、走行距離を280kmとしたモデルも追加された(S/X/Gすべてのグレードで24kWhモデルと30kWhモデルがある)。
同時にスポーティな外観のグレード「エアロスタイル」は、専用チューニングによって見た目に合わせて加速感を向上させている。
24kWhの最高出力は109ps、最大トルクは280N・m。2012年のS投入に合わせて全車の最大トルクを254N・mに抑えられている。30kWhは最高出力109ps/最大トルク254N・m。
デビュー時の車両本体価格は376万円~。原稿執筆時点ではフタケタ万円で約300台がヒットする。最安値は本体価格約30万円で走行距離7万kmだ。
▼検索条件
日産 リーフ(初代)×全国台数は少ないが、走行距離1万km未満で見つかることも
スマート フォーツー エレクトリックドライブ(絶版)
▲2013年には最高出力60kW/最大トルク135N・mに高めたブラバス エレクトリックドライブが限定80台で、さらに2014年はミッキーマウスのシルエットが入った本革シートを備えた「エディション ディズニー」が40台限定で販売された
▲回生ブレーキ力が選べるパドルシフトを装備。本革巻きステアリングやシートヒーター装備など上級グレードなみの装備を備えていた2012年から輸入車として初めて日本で販売された電気自動車、スマート フォーツー エレクトリックドライブ。
もともと小さくて小回りが利き、駐車場事情の厳しい都市部でもラクラク駐車できる、メルセデス・ベンツのシティコミューターという役割を担うスマートだ。
それゆえ、航続距離がさほど望めない当時に電気自動車モデルを登場させたのは至極当然と言えるだろう。
搭載されるバッテリーの総電力量は、17.6kWhとi-MiEVよりも容量が大きい。ヨーロッパの測定方法で航続距離は140km以上。
ガソリンエンジン同様にリアに置かれ、後輪を駆動する電気モーターの最高出力は55kW、最大トルクは120N・mで、最高速度は120km/h以上とアナウンスされている。
急速充電には対応していないが、200V電源を使いカラの状態から約8時間で満充電できる。
デビュー当時の車両本体価格は、ガソリン車で最も安いフォーツー クーペ 1.0よりも119万円も高い295万円だった。
中古車の台数は少なく、原稿執筆時点で掲載台数は7台のみ。フタケタ万円になるとさらに絞られため、見つけたら早めのアクションが不可欠だ。
最安値の本体価格は約90万円と他の2モデルに比べるとやや高めだが、走行距離はわずか0.9kmだ。その他も走行距離が少ない中古車ばかりだ。
▼検索条件
スマート フォーツーエレクトリックドライブ(初代)×全国発進時から最大トルクを発揮する電気自動車の走りは、従来の内燃機関には真似できない力強いもの。
しかも、走行中はエンジンがないから静かだし、振動も少ない。
そんな新しい乗り物にこの価格で乗れるのだから、ぜひ検討してみてほしい。

ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はルノーのアヴァンタイムと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
この記事で紹介している物件
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