最高級セダンとして知られる最終型日産 プレジデント、今となっては総額40万円から狙える絶滅危惧車だ!
2020/03/05
▲今回、紹介するのは2003年に登場した日産 プレジデント(写真はソブリン4人乗り、ボディカラーはエターナルグレーメタリック)最上級モデルのセダン「プレジデント」
プレジデントは日産がかつてラインナップしていた、最上級モデルのセダンだった。初代は1965年にデビューし、最終モデルとなった4代目は2003年から2010年にかけて生産された。
いやぁ、それにしても「プレジデント」という名称はすごい……。“よっ、大統領!”と思わず口走ってしまいそうだ。
社長、という意味も持ち合わせるから政治や経済をけん引するような、トップの方々に乗ってもらいたかったのだろう。
4代目プレジデントのハードウエアは同時期のシーマ(旧型:4代目)のものを流用している。同じプラットフォームどころか、基本デザインもほぼシーマと変わらない。しかし、差別化が図られていないわけでもない。
フロントグリルをはじめ、バンパーからホイールアーチ、各ドアのサイド、そしてリアバンパー、ウインドウまわりに至るまでメッキが多用され、文字どおりギラギラしている。
リアまわりでは、シーマのナンバープレートはトランクリッドの埋め込まれるのに対して、プレジデントではバンパー下に埋め込まれる、という違いがあった。そして、トランクリッドに横長に入る「PRESIDENT」のロゴが、控えめながらも主張を感じさせる。
前後バンパーのデザインが異なることから、プレジデントは全長5060㎜と同時期のシーマより55㎜長くなっていた。もっとも、シーマはマイナーチェンジでバンパーまわりのデザインが変わり、最終的には5120㎜になった。
▲日本を代表する最高級フォーマルサルーンであったプレジデント(写真はソブリン5人乗り、ボディカラーはホワイトパール)
内装は、というとシートがプレジデント専用であることを除けば……、シーマと言われても気づかないほど。グレードは「ソブリン5人乗り」と「ソブリン4人乗り」の2種類のみ、というシンプルな構成。
4人乗りにはセダンとしては初めて「助手席格納シート」が装備された(5人乗りにもオプション設定)。助手席前方格納シートとは言うものの、格納こそされないもののダッシュボード付近まで助手席がスライドする。これにより助手席後ろの乗員のためにリムジンのようなレッグスペースが生まれた。
なお、「ソブリン」のエンブレムは先代から唯一流用されたパーツだった。
4.5L V8エンジン、5速ATはシーマの上級グレードと同じものを流用。ただ、プレジデントでは遮音材を増やし、静粛性はシーマとは違う次元に仕上げられていた。
新車時価格は800万円~、とシーマの最上級グレードよりも200万円近い差があった。当初は日産グループ系のVIP向け、ハイヤー需要向けにある程度の販売台数を確保できたようだが、2009年度の販売台数は……、たったの63台だった。
▲ソブリン4人乗りの内装。内装色はカフェラテ
▲ソブリン5人乗りの内装。内装色はブラックかつて1000万円近くしたプレジデント
そんなプレジデント、絶版となってから10年が経過しているが、原稿執筆時点(2月25日)ではカーセンサーに21台が掲載されている。
年式が古いほど、走行距離が多いほど安く出回っているようだが、新車時にオプションだった「後席VIP」パッケージ(バイブレーター付きリラックスシート、後席テーブル、後席モニターなどを標準装備)が評価されがちなように見受けられる。
いずれにせよ、かつて1000万円近くしたプレジデントの現在の平均中古車価格は69.9万円。かつての日産の最高級モデルを足使いできるのは、中古車ならではの楽しみ方のように思えてならない。
ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!
▲ドアを開くと自動的にシートが後方にスライドする▼検索条件
日産 プレジデント(2003年10月~2010年6月生産モデル)×全国
自動車ライター
古賀貴司(自動車王国)
自動車ニュースサイト「自動車王国」を主宰するも、ほとんど更新せずツイッターにいそしんでいる。大学卒業後、都銀に就職するが、車好きが講じて編集プロダクションへ転職。カーセンサー編集部員として約10年を過ごし、現在はフリーランスのライター/翻訳家として活動している。
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