37年の集大成となった最終型の三菱 パジェロ|販売終了から約1年の今、どれくらい流通している? いくらで買える?
2020/08/04
▲昨年夏に日本向けモデルの生産が終了となったパジェロ。2014年7月以降の4代目・最終型は、力強さとプレミアム性を融合したパジェロの完成系と言えるモデルだ歴代パジェロをサクッと振り返り
日本を代表するクロスカントリーモデルとして、世界的に有名な三菱 パジェロが国内販売向けの生産を終了したのは2019年8月。
1982年4月のデビューから実に37年にわたり、オフロードでの絶大な信頼を守り続けたパジェロ。SUVの1モデルとしてだけでなく、三菱のクロカンブランドとして、パジェロイオ、パジェロミニなどの派生モデルを生み出しました。
▲1982年に発表された初代パジェロ。エンジンは2.3Lディーゼルターボとディーゼル、そして2Lガソリンが用意された■初代(1982年~1990年生産)
初代が販売されていた当時はまだ、クロスカントリータイプの4WDはそこまで人気があったわけではなく、販売面で成功を収めたとは言えない状態でした。
潮目が変わったのは1987年。パリ・ダカールラリーの市販車改造部門に、パジェロで出場した篠塚建次郎が3位入賞。この年のパリダカをNHKが連日中継していたため、無名だったパジェロの世界での活躍を日本中が知ることになります。
好景気による人々のレジャー志向の高まりと、パリダカ入賞も相まってパジェロ人気が爆発。以前、篠塚氏へのインタビューで伺ったところ、パリダカ以前は月販数百台だったのが、パリダカ後は月販1万台を超えたこともあったそうです。
▲2代目パジェロ。ロングボディ、ミッドルーフのスーパーエクシード■2代目(1991年~1999年生産)
1991年に登場した2代目は、厚みのあるオーバーフェンダーでマッチョなスタイルに。そして2トーンボディで都会的な雰囲気をまとい、初代に続いてヒットモデルとなりました。
▲3代目パジェロ。ロングボディのスーパーエクシード■3代目(1999年~2006年生産)
1999年に発売された3代目パジェロは、高級路線に舵を切ります。ボディはフレーム構造からビルトインフレームのモノコックボディになり、操縦安定性と乗り心地が向上。エクステリアは歴代パジェロのたくましさを踏襲しつつも、高級車にふさわしいエレガントな雰囲気が与えられました。
▲4代目パジェロ。ロングボディのスーパーエクシード■4代目(2006年~2019年生産)
2006年10月、パジェロは最終モデルとなる4世代目へとフルモデルチェンジ。初代からキープコンセプトとも言える直線基調で厚みのあるスタイルを継承。インテリアはプレミアムSUVらしい高級感が与えられました。
4WDは先代で採用されたスーパーセレクト4WD IIを継続採用。エンジンは3.8L V6と3L V6を用意。のちに3.2Lディーゼルターボが追加されました。
ボディはショートボディとロングボディの2タイプが用意されました。
37年の歴史の集大成となった最終型パジェロ
▲最終型パジェロスーパーエクシード2006年に登場した最終型となる4代目は2019年まで13年間にわたり製造され、この期間に何度か改良が施され、成熟していきました。
中でも2014年7月に行われたマイナーチェンジ以降の最終型は、パジェロの歴史の集大成となった完熟モデルと言えます。
エクステリアは、フロントバンパーとラジエーターグリルのデザインを変更。直線基調のラインで、ラージSUVらしい力強さが強調されました。さらにロングボディの上級グレードであるスーパーエクシードとエクシードは、背面タイヤのカバーデザインがバックドア一体型に変更されています。

▲最終型パジェロスーパーエクシードのインテリアロングボディはインテリアの質感もアップ。スーパーエクシードは木目調、エクシードはピアノブラック調のセンターパネルが採用されました。
ちなみにパジェロは歴代、ロングボディは3列シートが備えられていて、最終型のロングは7人乗りになります。
2015年7月にはロングボディのスーパーエクシードとエクシード、ショートのVR-IIにハイビームとロービームを自動切り替えするオートマチックハイビームを搭載。
そして2018年2月にショートボディの生産が終了します。
2018年10月にはロングボディのエントリーグレードであるGRに、プロジェクター式ディスチャージヘッドライトとオートライトコントロール、ヒーター付き電動格納式ドアミラー、本革ステアリングなどが標準装備となりました。
マニア垂涎!? 最終にして最良のファイナルエディション
▲国内モデルの生産終了とともに発表された、パジェロファイナルエディション2019年4月24日、三菱はパジェロの国内向けモデルの生産を2019年8月に終了すると発表しました。合わせて特別仕様車となるファイナルエディションを発表。
ファイナルエディションはルーフレールと電動ロングサンルーフ、本革シート、前席パワーシートが標準装備となり、さらにファイナルエディションのロゴとシリアルナンバーが刻印されたスカッフプレートが取り付けられました。
見えないところでも寒冷地仕様、リアデフロック、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグが標準装備となっている超豪華仕様。
ボディカラーはウォームホワイトパール、ブラックマイカ、スターリングシルバーメタリック、2トーンのスターリングシルバーメタリック/アイガーグレーメタリックの4色が用意されました。
ファイナルエディションは700台の限定モデルとして発売されました。オーナーはコレクションアイテム的に考えている可能性も高く、中古車市場にはなかなか出てこないかもしれません。
2020年7月末時点でも流通台数はゼロ。もし今後カーセンサーをチェックして見つけたら、迷わずお問い合わせを!
ロングのディーゼルは予算300万円が目安。価格重視派はガソリンが狙い目
▲最終型エクシード2020年7月末時点で、最終モデルとなる4代目パジェロの中古車は131台。うち、2014年7月以降の最終型は25台流通しています。そのうちショートボディは3台しかないので、ショートが欲しい人は見つけたら即決を!
また、エンジンタイプは9割ディーゼル。ガソリンより車両価格が高く人気があるのため、価格帯は220万~430万円と高めで推移しています。逆にガソリンエンジンは3Lで、価格は200万円前後。パジェロが好きな人はディーゼルならではの粘りのある走りが好みでしょうが、そこにこだらないならガソリンモデルはかなりお買い得です。
ロングのディーゼルモデルのグレード別に価格を見てみると、GRは250万~320万円、エクシードが250万~430万円、スーパーエクシードが290万~430万円となっています。流通量はGRが4台、エクシードが11台、スーパーエクシードが7台という内訳です。
▲オプションとしてアメリカの高級カーオーディオブランドである、ロックフォードフォズゲートのシステムが設定されている物件もある買いやすさから考えればGRまたはエクシードになりますが、オススメはやはり最上級グレードのスーパーエクシード。中でもオプションの、ロックフォードフォズゲートのオーディオシステムが付いているものも2台ありました。これはレアです!
完成された最終型はいずれのグレードも、流通台数が多くはありません。気になる装備や狙っている色などの条件がある人は、早めのアクションが吉です!

自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL
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