マクラーレンにポルシェ 911ターボなど、「イタリア物以外」のスーパーカー相場は?【MARKET EDGE】
2021/02/16

高いは高いが、「3桁万円」から探すことも可能
1月27日発売の雑誌「カーセンサーEDGE 3月号」では、「スーパーカーよ永遠なれ。」と題した各国製スーパーカーの大特集を展開している。
ここでは、同特集内に掲載された「スーパーカーの中古車事情 02」をweb用に再構成した特別バージョンをお届けしながら、「イタリア産以外のスーパーカー」の中古車相場について考えてみたい。

諸説あるだろうが、スーパーカーの“本場”はイタリアであるとされる場合が多い。
だが、当然ながらそれ以外の欧州各国でも昔からスーパーカーは製造されており、そして一部のモデルは、イタリア物に勝るとも劣らぬ人気を誇っている。
非イタリア系スーパーカーの中でまず注目したいのは、やはり伝統のポルシェ 911ターボであろう。
1975年に登場し、世界にセンセーションを巻き起こした930型911ターボは、今なお1300万~2000万円ほどで売買されている。
しかしそれはさておき、近年の911ターボは991型(先代)が1300万~1900万円付近で、997型(先々代)が700万~1200万円といったところ。比較的富裕な者にとっては991型が、そうでない者にとっては997型が「ちょうどいい狙い目のゲルマン系スーパーカー」となるはずだ。
ゲルマン系といえばアウディ R8も忘れることはできないわけだが、こちらの現行型(2代目)の中古車相場は、おおむね1500万~2700万円。
価値観と好み次第ではあるが、その値段が出せるならフェラーリやランボルギーニといったイタリアン・スーパーカーも視野に入ってしまうため、アウディ R8を中古車として狙うのであれば初代(2007~2016年)を車両本体価格3桁万円のゾーンで狙うのが、中古車ハンターとしての王道であるように思う。


憧れの「マクラーレン」はさすがに中古でも高額
さらに同じくドイツ物としては、メルセデスAMGのAMG GTもいちおう「スーパーカー枠」に入れて差し支えない存在だろう。
こちらはスーパーカー枠の中で言うなら流通量が豊富で、相場も750万円からと、(ある意味)お手頃。
それゆえ注目の存在とは言えるのだが、その乗り味は非常にハードであり、なおかつ極端に長いフロントノーズが市街地での運転を困難にしている。相場とは若干ずれる話ではあるが、購入時はそのあたりもチェックすることを強くオススメしたい。
決して普段使いするための車ではないが、普段使いからサーキット走行までを苦もなく行えてしまうのが、英国のマクラーレンが作るスーパーカー。
各種あるマクラーレンの中でも、中古車相場が比較的こなれていて、それでいて年式的にも比較的新しいと言えるのが650Sか。
650Sのスパイダーは1900万~2800万円とけっこうお高いが、固定屋根をもつクーペタイプの650Sであれば、1500万~2000万円といったところ。
もちろんそれとてかなりお高いことに変わりはないわけだが、残価設定ローンを使った上で超気合を入れて臨めば、「ギリギリなんとかならなくもない相場」だとは言えるのかもしれない。


とりあえず注目したいのはこの4モデル!
ということで以下、代表的な非イタリア製スーパーカーの概要と、それぞれの中古車相場を記す。
これらを実際に買う人は少数と思われるが、「来るべきいつか」のための参考としてご覧いただけたならば幸いだ。
注目相場:700万~1900万円

現行992型のターボは昨年夏にようやく予約注文受け付けが始まった段階であるため、2021年1月現在、中古車の流通量はゼロ。
そのため911ターボを狙うとすれば、先代991型がメインターゲットとなる……のだが、こちらも流通量は少なく、前述月現在で7台のみ。
ちなみに相場は1300万~1900万円とまずまずこなれてはいるのだが、「無いものは買えない」ということで、実質的には先々代の997型の911ターボがターゲットとなる。
その中古車相場は前期型が700万~1000万円で、後期PDKが900万~1300万円といったところだ。
▼検索条件
ポルシェ 911ターボ(タイプ991/997)×全国
注目相場:600万~2700万円

初代は2007年に上陸し、2代目となる現行型は2016年に発売されたアウディのスーパースポーツ。
搭載エンジンは初代が4.2L V8または5.2L V10で、現行型は5.2L V10に一本化されている。
車両本体価格2000万円前後が中心となる現行型のV10プラスも、その新車価格(約2900万円)から考えると割安ではあるのだが、「本当にお買い得か?」と真顔で問われれば、やや微妙な側面も。
それゆえ狙い目は、「初代の後期型(2013年~)を車両900万円台をめどに探すこと」になるはず。これであれば、かなりのお買い得感はある。
▼検索条件
アウディ R8×全国
注目相場:750万~2400万円

「Handcrafted by Racers」をキーワードにメルセデスAMG社が開発し、2015年に発売された2座のスポーツクーペ。搭載エンジンは4L V8直噴ツインターボだ。
上の本文中でも記したとおり流通量は豊富で、登場初期の2015~2016年式ベースグレードであれば車両800万円前後で、まずまず好条件な1台を簡単に探すことができる。
もちろん、マイナーチェンジを受けた2019年式以降は1700万円オーバーとなるが、基本的には3桁万円の前期型ベースグレードでも、この車のらしさである「超豪快な乗り味とフォルム」は普通に堪能できる。
▼検索条件
メルセデスAMG GT×全国
注目相場:1500万~2000万円

「本籍地はF1」と言えるマクラーレンが送り出す各モデルは、すべてがとにかくハイレベル。
また、昨今は認定中古車にも力が入ってきたため、リセール価格の底上げも期待されている。
そんなマクラーレンを狙うとしたら、好バランスなのは2014年発売の650Sか。
搭載エンジンは最高出力650psの3.8L V8ツインターボで、トランスミッションは7速DCT。
2021年1月現在の流通量は8台と少なめだが(他に650Sスパイダーが9台流通)、1500万~2000万円という「もしかしたら手が届くかもしれない相場(絶対に不可能とは言い切れない金額)」は、市井の自動車愛好家にとっては大いに魅力的だ。
▼検索条件
マクラーレン 650S×全国
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
【関連リンク】
あわせて読みたい
【試乗】新型 アストンマーティン ヴァンキッシュ|V12を積んだ新たなFRフラッグシップは、リアルスポーツからGTまで劇的に変化する乗り味を得た!
新型アウトバック発表だが日本市場スルーに絶望した人に贈る「代わりにコレ、どうですか?」5選
6月は北イタリアでスポーツカー三昧! “モーターヴァレー”のスーパーカーブランドが一堂に会する一大イベントとミュージアムへの誘い【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
メルセデス・ベンツの電気自動車5選|中古車で超お得!新車価格の半額以下なEV物件もあるが、買いか?オススメな選び方を解説
“SUV疲れ”した人に贈る「代わりに、実用性も備えるスタイリッシュフォルムが新鮮なコレ、どうですか?」5選
~その使命は感情を揺さぶる存在であり続けること~ スーパーカー論【カーセンサーEDGE 2025年7月号】
総額200万円以下から狙える!? カーデザインの巨匠 ジウジアーロがデザインした国産車5選
【試乗】新型メルセデスAMG G63|改良により心地よさという価値が付加された新たなGクラス
【試乗】新型 テスラ モデルY|もはや走りにも文句はなくなり全方位進化でBEV最強の1台へ!
【試乗】新型 アウディ A5|堂々たるサイズの新ネーミング基幹車種、ベーシックモデルも必要十分に実用的!