100万円くらいでMTのFRセダンを探しているあなた! E90型BMW 3シリーズの6MTはいかが?
2022/06/29
▲「FRレイアウトでMTのセダン」というジャンルの中古車価格は今、おそろしいほど高騰してしまい、そう簡単に買える金額ではなくなってしまいました。しかしこちら「E90型BMW 320i」の6MTは、今でも総額100万円ぐらいから普通に狙えること、ご存じでしたか?総額100万円はありがたい! でも、ぶっ壊れがちだったりするの?
もちろん全員ではないでしょうが、「どうせ乗るならFRのMT車でセダンがいい!」と考える車好きは多いものです。で、昔はそういった車=マニュアルトランスミッションの後輪駆動車も、100万円も出せばけっこういい中古車が買えたものでした。
しかし、その後「FRのMT車でセダン」という存在が希少になるにつれて中古車価格は上がっていき、直近では総額200万円か300万円、場合によっては500万円ぐらい出さないと、状態の良い「FRのMT車でセダン」はなかなか買えない状況になっています。
そんな状況の中、「もう無理だ……。あきらめてFFのAT車か、もしくは自転車でも買おう」なんて思っている人も多いのかもしれません。
でもちょっと待ってください。
確かにFRでMTの国産車はずいぶんと平均価格が上がってしまいましたが、輸入車であれば、総額100万円ぐらいで買えるモデルはあるのです。
それが、2005年から2011年にかけて販売された2世代前のBMW 3シリーズ、輸入車ファンからは「E90」という型式名で呼ばれることの多いFR車です。こちらであれば今なお、おおむね総額100万円から6MTの物件を見つけることができます。
「それはいいね!」と思うわけですが、同時にこうも思うことでしょう。
「でも今どき総額100万円級の中古輸入車なんて、買ってもすぐにぶっ壊れるんじゃないの?」と。
ある意味、ごもっともな疑問です。
しかし、実際はどうなんでしょうか?
ということで以下、E90こと先々代BMW 3シリーズのMT車について、もろもろ検討してみることにしましょう。
▲縦置きエンジンのFRレイアウトで、前後軸荷重配分は50:50であるなど、BMWこだわりのスペックが踏襲されたE90型BMW 3シリーズの透視図サスペンションは、前がダブルジョイント式アクスル、後ろは5リンク式
▲E90型3シリーズのトランスミッションは6速ATがメインだが、セダンの2Lモデルにのみ、受注生産として6MTが用意されたBMW謹製2L直4DOHCエンジンは動力性能にも不足なし
まずは先々代BMW 3シリーズという車の概要をさっとおさらいします。
BMW 3シリーズはドイツのBMW社が1970年代から作り続けている、同社の中核モデル。1991年代に発売された3代目までは「BMWの中ではコンパクトなセダン(またはクーペおよびステーションワゴンなど)」という位置づけでしたが、1998 年に発売された4代目あたりから立派なサイズになり始め、最新世代では「堂々たるサイズおよび存在感」といえるモデルになっています。
しかし、そうだとしてもBMW 3シリーズは「比較的コンパクトできびきび走れるスポーティセダンである」というのが、今も昔も変わらない基本的なポジショニングです。
そして今回ご紹介するE90は2005年4月、5代目の3シリーズとして上陸しました。前身である4代目(E46/1998~2005年)以上にボディサイズが拡大されて全長4525mm×全幅1815mm(※2008年10月からは1800mm)×全高1425mmとなり、その結果として後席の居住性はさらに良好になりました。
パワートレインは縦置きされる直4または直6の自然吸気エンジン+6速ATまたは6MTが基本ですが、「335i」というグレードのみ、直6ターボエンジンが搭載されました。駆動方式は、ごく一部のフルタイム4WDグレードを除けば全車「FR」です。
さて、そんな5代目BMW 3シリーズの中で「6MT」を受注生産車として選ぶことができたのが、2Lの直列4気筒DOHCエンジンを搭載した「320i」のセダンです。
▲2005年に発売されたE90型BMW 3シリーズ。写真は2008年10月までの前期型
▲ホイールベースは前身と比べて35mm長い2760mmに。延長された分は、後席キャビンの拡大に反映された
▲320iのみに用意された6MTバージョン。このクラスの輸入セダンをMTで操れるというのは、日本仕様の輸入車においては非常にレアだ。写真は左ハンドルの本国仕様で、日本仕様の320iはすべて右ハンドルになるBMWといえば「直列6気筒エンジン!」というイメージが強く、なおかつE90の320iが搭載した2L直4は最高出力150~170ps(※時期により異なる)でしかないため、「……物足りないのでは?」と不安に思う人もいるかもしれません。
しかし、結論から言えばE90の320iに「物足りなさ」はほぼありません。
もちろん「いつ何時でも鬼のようなフル加速をしていたい!」というタイプの人には、正直ちょっと物足りないでしょう。
とはいえ普通の常識的な感覚で走らせる限りにおいては、2.5L以上の直列6気筒エンジン搭載を前提とする強固な車台や足回りでもって、2L直4の程良いパワーのエンジンを回す「余裕感」は、ギリギリいっぱいの他社製高出力車よりもむしろ気持ちいいと感じるものです。
加えていえば、320iは自然な操舵感が魅力の「FRレイアウト」であり、さらに今回ご紹介するその6MT車は、全域でやたらと気持ちよく回るBMW謹製エンジンのギアを「自分の意思とセンスで手動選択できる!」というものですから、気持ちよくないはずがないのです。
▲2008年11月のマイナーチェンジで写真の後期型に。前後バンパーやライトのデザインなどを変更し、ボンネットには2本のラインが加えられた。また前期型で1815mmだった全幅は15mm狭められ、1800mmに変更されている2022年6月下旬現在、E90型BMW 3シリーズは約320台流通していて、そのうちの25台が6MTの320i。中古車価格は総額40万~220万円とかなり上下に幅広い状況ですが、比較的手頃な価格の個体が集中しているのは総額70万~130万円付近のゾーンです。
グレードとしては、前述のとおり2L直4の「320i」のみですが、全25台の6MT車のうち21台が「320i Mスポーツパッケージ」という、専用スポーツサスペンションや専用ホイール&前後バンパー、専用スポーツシートなどがセットになった人気パッケージオプション装着車です。
「消耗部品の交換履歴」と「整備履歴」が100万円級のキモ
さて。以上がE90こと先々代BMW 3シリーズの概要なわけですが、いちばん気になるのは「で、総額100万円ぐらいの320i(6MT)は壊れるの? 壊れないの? どっちなの!」ということでしょう。
中古車というのはBMW 3シリーズに限らず、1台ごとにすべてヒストリーも現状も異なるため、その質問に対して「絶対にこうです!」と、シンプルに断定することはできません。
しかしあくまでも「傾向」を言うのであれば、下記のとおりとなるでしょう。
しっかりと整備=消耗部品の交換をされてきた個体であれば、『次から次へとぶっ壊れまくる』みたいな状況にはならない。状態の良いE90の中古車は、ごくフツーに乗れる車である。しかし、以下のことはいえる。
・消耗部品の交換や定期的な整備がされてこなかった個体は、買った瞬間にぶっ壊れる可能性もなくはない。
・消耗部品の交換や定期的な整備がされてきた個体でも、しばらく乗っているうちに、また別の消耗部品が要交換タイミングを迎えることはある。
・BMWの消耗部品は、国産車のそれと比べると高額である
要するに「きちんと整備されてきた個体を探せば、そんなに心配はいりません。とはいえ、それでも『購入後はメンテナンスフリー』ではないため、ある程度の整備資金は計算に入れておくべきでしょう」ということです。
▲乗りっぱなしでロクな整備を受けてこなかった総額100万円級の先々代BMW 3シリーズは正直オススメできないが、弱点とされるいくつかの消耗部品が交換済みで、なおかつ足回りのリフレッシュなども行われた個体であれば、まだまだ上質で俊敏な走りが楽しめるのがE90型3シリーズという車だE90型BMW 3シリーズの中古車を探す場合、いわゆる24ヵ月法定点検を受けた記録=記録簿が2年に一度のペースで残っているか? ということを確認するのは当然として、それに加えて、記録簿または整備伝票などに記載されている以下の“内容”を確認してみることをオススメします。
・エンジンタペットカバーからのオイル漏れ修理の履歴
・ラムダセンサーの交換履歴
・サーモスタットおよびウオータポンプの交換履歴
・直噴エンジンになった後期型(2008年11月~)は直噴インジェクターの交換履歴
・サスペンションブッシュの交換履歴
これらすべてが比較的最近に交換されているのがベストですが、すべてではなくても、いくつかの項目が直近に交換されていれば「ベター」であるとは言えます。
もちろん上記の項目だけではなく「内外装に荒っぽく扱われてきた痕跡はないか?」「車内やエンジンルームに変なにおいはこもってないか?」などの超基本的な中古車チェックも行ったうえで、ベストまたはベターな6MTの320iを探すようにすれば、総額100万円前後の価格帯であっても「なかなかステキなMTのFR車」を見つけることは十分に可能です。
FFのAT車だらけになってしまった今だからこそ希少に光り輝く「マニュアルトランスミッションのBMW 3シリーズ」を、ぜひともリーズナブルな予算で探し出してみてください。

自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
あわせて読みたい
日本メーカーの高級車ランキング! 人気車や歴代プレミア車など全20車種を紹介
プラグインハイブリッド(PHEV)とは? ハイブリッド車との違いやメリット・デメリットを解説
アルファード・ヴェルファイア以外にもある! クールな“ヤンチャ系”ミニバン5選
ディーゼル車とは? ガソリン車との違いは? メリット・デメリットや人気車種も紹介
新型 日産 パトロールが日本発売! 価格は? サイズや内装などを紹介
AWDとは? 4WDとの違いは? 種類やメリット、押さえておきたいAWDまで解説
BYD シーライオン6が400万円台で買えることに驚愕したあなたに贈る「同価格で買えるPHEV SUV」5選
こんな素敵な4ドアクーペが200万円台前半で!? 初代2シリーズグランクーぺがお得なので買いなのか真剣に考えてみた
ブガッティ トゥールビヨンがエグい! 価格6億円以上で最高出力1800ps!
【PR】日産 サクラで日本全国の絶景訪問! サクラは日常以外にも映えるんです!









