100万円でコンパクトホットハッチをゲットしたい? だったら三菱 コルト ラリーアート バージョンRだ!
2022/07/13

魅惑のターボエンジンを搭載したホットハッチといえば……
スポーティな走りを楽しめる車に乗りたいけれど、日常での使い勝手も犠牲にしたくない。そんなワガママな願いをかなえてくれるのが、いわゆるホットハッチと呼ばれる車たちでしょう。
ベースとなるのは、コンパクトなハッチバック車であるため実用性はそのままに、ホットな心臓部や固められたスポーティな足回りなどをもっており、その気になれば格上のスポーツカーをカモれるポテンシャルを秘めた車です。
それに加えて維持費も重要なポイントです。いくら速くとも排気量が大きいと年間の税金もばかになりません。そのため1.6L以下の排気量で探している方も多いはずです。
そんなホットハッチの中でも特に人気を集めているのが、ターボエンジンを搭載した現行型のスイフトスポーツでしょう。1.4Lの排気量ながら、ターボで武装することでリッター100馬力となる140psを発生しており、チューニング次第ではさらなるパワーアップも狙えるまさにホットモデル。
しかし現行型ということもあって、どんなに過走行でも修復歴があっても総額で100万円を切る物件は現状存在していないというのがネック。
そこでオススメしたいのが、2006年から2012年まで販売されていた1.5L ターボエンジンを搭載した「コルト ラリーアート バージョンR」です。

▼検索条件
三菱 コルト ラリーアート バージョンR(初代)×全国リッター100馬力オーバー! スイスポ越えの心臓部を誇る
当時の三菱のハッチバックモデルであるコルトをベースに、1.5Lのターボエンジンを搭載したラリーアート バージョンRの心臓部は当初154psを発生し、2007年11月のマイナーチェンジでは、163psまでパワーアップ(MT車のみ)。

足回りもそれに合わせて固められたものとなり、ボディもスポットの数を増やして増大したパワーに対応。トランスミッションには、当時コルトには設定されていなかった3ペダルMTを用意(CVTも設定)するなど、かなり本格的なチューニングがなされていたのです。

エクステリアも樹脂製のオーバーフェンダーを装着して全幅を15mm拡大した他、ボンネットダクトやアグレッシブなデザインのバンパーなどで同社のイメージリーダーでもあったランサーエボリューションを思わせる迫力あるものとなっていました。
もちろんベースは5ドアハッチバックのコルトですから、後部座席やラゲージスペースなどはしっかりと確保されており、日常の使い勝手の面では遜色なし。ただし、リアシートもスポーティなバケット形状となったことで、乗車定員がベースの5名から4名に減少している点は注意が必要かもしれません。
よりホットな特別仕様車も存在
カタログモデルでも十分ホットな性能をもつコルト ラリーアート バージョンRですが、特別仕様車としてさらにホットなモデルが設定されていました。
そのひとつが2007年5月に登場した「レカロエディション」というもので、当時のランサーエボリューションに採用されていたのと同形状のレカロ社製バケットシートや本革巻丸型シフトノブを標準装備したもの。レカロシートは後から装着しようとすると高額ですから、体型に合っていればお買い得なモデルと言えるでしょう。

そしてもうひとつが2008年5月に300台、2010年2月に200台限定でリリースされた「バージョンR スペシャル」です。
こちらは5速MT車がベースとなっており、ボディのドア開口部に連続シーム溶接を手作業で施すことで、通常のバージョンRに比べて縦方向の曲げ剛性をおよそ10%向上させているという本格的なもの。
パッと見では通常モデルとの差異は少ないですが、見えないところにお金をかけているところに三菱の本気さを垣間見ることができる1台です。
ちなみに連続シーム溶接の跡は、ドアのウエザーストリップをずらすことで見ることができますが、物件をチェックするときは販売店の許可を得てからチェックするようにしましょう。

総額100万円以内で狙える走行距離8万km以下のMT車も!
三菱渾身のホットハッチであるコルト ラリーアート バージョンRですが、掲載台数は執筆時点で120台弱と思いのほか多く流通しています。その中でもMT車が7割程度を占めており、MT派のユーザーには嬉しいところですね。
ホットモデルだけに修復歴も気になるところですが、修復歴がある物件はおよそ1割程度と少なめで、意外にも大切に乗られてきた物件が多い印象です。
走行距離は年式を考えると致し方ないところですが、半数ほどが9万km以上となっており、安価な物件は過走行車が中心となっています。とはいえ、マニア度の高い車両ゆえに過走行でもメンテナンスがしっかりなされているものも多く、一概に距離だけで判断できないというのが正直なところでしょう。
気になる価格帯は車両価格で50万円から90万円がボリュームゾーンとなっており、総額100万円以内で狙える走行距離8万km以下のMT車もチラホラ。逆にCVT車はかなり買い得感が強く、同じ総額100万円の予算でも5万km以下のものも多く存在しています。
安価な物件では総額50万円以下のものも存在している一方で、前述の「バージョンR スペシャル」などは新車価格(232万500円)を超えるプライスとなっているものあり、徐々に高値に移行しつつある気配もあるため、気になっている人は早めに行動に移した方がいいかもしれません。
▼検索条件
三菱 コルト ラリーアート バージョンR(初代)×全国※記事内の情報は2022年7月6日時点のものです。

自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
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