スバル製サンバートラックは、生産終了から10年経った今も根強い人気の軽トラだが、その魅力は一体何なのか?
2022/07/12
▲惜しまれつつも終売となってから10年、いまだに多くの愛用者を抱える最後のスバル製サンバートラックいまだにファンを多く抱える、“純スバル製”の軽トラ
日本独自の規格として、幅広いユーザーに支持されている軽自動車。その中でも軽トラックは日本の農家をはじめ、様々なビジネスシーンにおいて欠かすことができない存在として長年愛され続けています。
最近ではカスタマイズのベースとして注目されることも多く、日本国外からも熱視線を集めるようになってきた軽トラックではありますが、その中でも多くのファンをいまだに魅了し続けているモデルが存在します。
それがスバル サンバートラックなのです。
ただし、今回紹介するサンバートラックは1999年に登場した6代目モデル。
実は現在も販売が続けられているサンバーはダイハツからOEM供給を受けているもので、“スバルオリジナル”のサンバーとして最後のモデルがこの6代目ということになります。
他の軽トラックとは一線を画すメカニズム
そんな最後のスバルオリジナルサンバーとなる6代目モデルですが、人気の秘密はやはり初代から脈々と受け継がれてきた独自のメカニズムにあると言っても過言ではないでしょう。
サンバーの初代モデルは今から60年以上前の1961年に登場していますが、その頃から一貫してリアエンジンのレイアウトと四輪独立懸架のサスペンションという特徴を守り続けてきたのです。
また、660ccエンジンとなった5代目モデルからは、軽自動車でありながら全車に4気筒エンジンを搭載していたというのもまた特徴のひとつと言えるでしょう。
▲リアエンジンであるため、リアバンパーがエンジンフードを兼ねる珍しいタイプとなっているこのリアエンジンというレイアウトは、駆動輪である後輪の後ろにエンジンが搭載されるため、積載状態はもちろん空荷状態でも安定感のある走りを実現しています。
フロント荷重になるブレーキング時も安心感が高い他、エンジンがキャビンから遠い場所にあることで静粛性も高いというメリットがあります。
▲シート下にエンジンを搭載する他の軽トラックと異なるため、静粛性の高さだけでなくエンジンの熱が車内に入ってくることもないさらに、こちらもサンバー独自となる四輪独立懸架のサスペンションは、路面が凹凸していてもしなやかに対応し、しっかりグリップしてくれるというメリットがあります。
また、路面の凹凸をそれぞれのサスペンションが吸収することで、積荷が傷むことを防止してくれるという点が多くのユーザーに支持されているポイントなのです。
そして4気筒エンジンは低回転で粘り強く、高回転までスムーズに吹け上がる特性があるだけでなく、過給機付きモデル(スーパーチャージャー)が最後までラインナップされていたという点も特徴。
58ps/7.5kg・mと極端にハイパワーというわけではありませんが、荷物を多く載せるユーザーにとっては見逃せない差となるのです。
これらのスバルオリジナルのサンバーがもっていた特徴は、OEMモデルとなったことで失われてしまった部分が多く、ゆえにいまだ6代目モデルが高い人気を誇っているというワケなのです。
ちなみに全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会、いわゆる赤帽の会員向けに“赤帽仕様”なるものが用意されており、運送業に供するうえで様々な装備がプラスされていました。
▲特別なエンジンが搭載される「赤帽仕様」の中古車はサンバーの中でも人気の高い仕様となっている中でもエンジンは一般的なメンテナンスのみで20万kmまでオーバーホール不要で使用できるよう、各部に設計変更や強化部品の組み込みがなされたものが搭載されており、ヘッドカバーも赤色の結晶塗装が施されている点が大きな違い。
この赤帽仕様は基本的に会員しか購入することができないモデルではあるものの、中古車として流通していますが、多走行の物件でも高値安定となっています。
また、2011年にはサンバー発売50周年を記念し、スバルのワールドラリーカーでお馴染みの“WRブルー・マイカ”の専用色をまとった「WRブルーリミテッド」という特別仕様車が1000台限定(トラック、バン合計)で販売されています。
しかし、こちらも現在ではコレクターズアイテム価格となっているようです。
▲インプレッサなどのWRカーに採用されていたWRブルー・マイカをまとった「WRブルーリミテッド」。軽トラらしからぬ見た目で人気を博した。残念ながらNAエンジンのみのラインナップとなっていた掲載台数は安定しているが、平均価格は上昇の一途
1999年から2012年とロングライフを誇った6代目サンバートラック。
スバル車は毎年年次改良を行うことが多いのですが、このサンバートラックも毎年行われていた他、2002年9月、2005年11月、2009年9月にはマイナーチェンジも実施されています。
ただしメカニズム的な変更はほぼなく、内外装の変更に終始。高年式になるほど内装の質感や使い勝手は向上していますが、それに合わせて中古車価格も上昇方向になるので、あえて低年式の状態の良い物件を狙うというのもひとつの手段と言えそうです。
▲マイナーチェンジを経てもインテリアは基本的なレイアウトの変更はない(写真は2009年9月のマイナーチェンジ時のもの)中古車市場で最も人気が高いのは、高年式の4WD、スーパーチャージャー車となっています。
特に5速MT車の人気が高く、中には新車価格(当時およそ110万~120万円)を超えるものも珍しくない状態となっていて、200万円に迫るプライスタグを掲げるものもあるほど。
執筆時点での掲載台数581台中で過給機付きモデルは82台のみとなっており、その希少性も影響していると思われ、最も安価な部類の物件であっても総額50万円~というのが現状となっています。
ただ、すべての6代目サンバートラックが高値安定かというとそういうわけでもなく、安いものでは車両本体価格1ケタ万円、支払い総額10万円台という物件もそれなりに存在します。
しかし、安価な物件は働く車として酷使されてきたものが多く、内外装や荷台にキズや凹みが多いものが多くなっているので、見た目は気にしない仕事用と割り切って使える人でないとオススメしにくいというのも事実。
中にはエアコン、パワステレスという仕様も存在しているため、金額だけで飛びつくと痛い目に遭う可能性もあるので注意してください。
なお、この6代目サンバートラックには、エアコンの不調とエンジンオイル漏れが起こりやすいという持病があります。ゆえに、過去に整備履歴がある物件を選ぶ方が安心と言えるでしょう。
すでに若干プレミア価格化が進んでいる、最後のスバル製サンバートラック。
とはいえ、前述のようにビジネスユースにおいて大きなメリットがあるゆえの人気と言えます。
また、ここから一気に相場が暴落するようなことも現状考えにくいことから、丁寧に扱っていれば手放す際も値段が付くという可能性もあります。
今、軽トラをご検討中の方は、ぜひ一度スバル製のサンバートラックをチェックしてみてください。
▼検索条件
スバル サンバートラック(6代目) ×全国
自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
この記事で紹介している物件
スバル
サンバートラック 660 TC スーパーチャージャー 三方開 4WD 5MT スーパーチャージャー 切替4WD パワステ エアコン ABS エアバック カセット再生 新品革調シートカバー 車検R8.8まで!
本体価格117.0万円
支払総額123万円
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