N-BOX ジョイ▲ 今や軽自動車でも定番の仕様となったSUV風スタイル。「N-BOX ジョイ」の代わりになりそうな中古車は?

SUV風スタイルが好みなら中古車も選択肢に!

超人気モデルのホンダ N-BOX(3代目)。そこに「ジョイ」という新グレードが加わった。便利さや走りはそのままに、SUV風のルックスに仕上げたモデルだ。

専用のブラック樹脂パーツ、スキッドプレート風の処理などは素直にカッコ良い。チェック柄のシート、後席がフラットになる仕掛けもオシャレだ。

SUVの力強さより、ゆるっとふわっとなアウトドアテイストとしているのが今ドキでうれしい。ひと目見た瞬間、コレ欲しい! と思ってしまった。

 N-BOX ジョイ ▲オシャレなSUVテイストという新機軸でデビューした「N-BOX ジョイ」

ただ、新車価格で標準仕様よりも約15万円高く184.5万円~226.1万円。ならば中古車はどうなってるの、と思いチェックしてみると、発売から半年強の現在ではまだ高めの水準。う~ん、残念!

いやしかし、SUVテイストな軽自動車は「N-BOX ジョイ」だけじゃない。代わりになりそうな選択肢を探してみよう! ということで今回は「N-BOX ジョイ」と同様に利便性が高く、SUV風のルックスをもつモデルで総額100万円ちょっとで買える車3選を紹介する。

 N-BOX ジョイ ▲開放的でかわいらしいインテリアもN-BOX ジョイの魅力。ただ同じような魅力をもつモデルは他にも……
 

モデル紹介①:スズキ スペーシア ギア(2代目)

N-BOXと人気を二分してきた軽トールワゴンといえば、スズキのスペーシア。その2代目では標準仕様、「カスタム」の他にSUV風スタイルの「ギア」が2018年に追加された。

他のスタイルにはない丸型のLEDヘッドライト、仮面のようなフロントガーニッシュなど、デザインはかなり個性強め。バンパー下部やドアミラー、ガーニッシュ類はガンメタリックカラーで統一され、SUVっぽいたくましさが演出されている。

スズキ スペーシア ギア(2代目) ▲スズキ スペーシア ギア(2代目)の販売期間は2018年12月~2023年10月

インテリアもツールボックスをモチーフとしたインパネアッパーボックスを採用するなど独自性たっぷり。防汚加工されたラゲージフロアなど、アウトドア使用に適した装備も採用されている。広い車内空間、後席両側パワースライドドアなどスペーシア本来の使い勝手の良さはそのままだ。

中古車市場には「ギア」だけで800台以上が流通。1世代前のモデルとなるだけに中古車価格もリーズナブルで、最も安いものでは総額80万円台の物件も見つかる。

スズキ スペーシア ギア(2代目) ▲シートは撥水仕様。アウトドアでの使い勝手が考えられている

2020年以前の年式なら走行距離3万km以下の物件でも総額110万円から狙うことが可能。例えば、2020年式・走行距離2.5万kmの「ギア ハイブリッド XZ」で総額104万円となっている。

なおスペーシア ギアは2023年にフルモデルチェンジしたが、デザインは2代目からのキープコンセプト。現行型と見た目が大きく変わらないことも先代ギアの魅力だろう。

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スズキ スペーシア ギア(2代目)
 

モデル紹介②:三菱 eKクロススペース(初代)

eKクロススペースはSUVを得意とする三菱が作った、eKスペースのSUV風モデル。eKクロス(2代目)のハイトワゴン版と言うこともできる。三菱のSUVに共通の「ダイナミックシールド」をテーマとしたフロントマスクになっているのが特徴だ。

デリカミニの前身でもあるが、どちらかというとeKクロススペースの方がデリカD:5の軽自動車版というイメージ。最近主流のかわいらしいSUV風スタイルでなく、ラギッド感、たくましさを強調したデザインとなっている。

三菱 eKクロススペース ▲eKクロススペースは2020年3月~2023年4月まで生産されていた

パワーユニットはeKスペースと共通で、いずれもマイルドハイブリッド仕様の自然吸気ガソリンとガソリンターボの2種類。前席をいちばん後ろまでスライドさせても余裕のある後席の足元空間、高い車内高、ハンズフリーパワースライドドアなどの便利装備もeKスペースと共通だ。

1世代のみとなってしまったモデルだが、中古車市場には多く流通しており、300台以上が見つかる。当時の新車価格が165.6万~220万円だったのに対して、現在の中古車総額140万円前後。最も安いものでは総額110万円から狙える状況だ。

三菱 eKクロススペース ▲クロスステッチが施されたシート表皮などは高級感たっぷり

価格の一例を挙げると、2020年式・走行距離1.1万kmの「660 M」で総額119.8万円。当時の新車価格よりも45万円以上安く手に入る計算だ。

2年前まで現行型だったこともあり、「マイパイロット」などの先進安全&運転支援機能が充実しているのもeKクロススペースの魅力だろう。

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三菱 eKクロススペース(初代)
 

モデル紹介③:ダイハツ タフト(2代目)

ダイハツが本格四駆を数多く輩出してきたメーカーであることを知る人は、そう多くないかも。そのダイハツが満を持して発売したクロスオーバーSUVがタフト(2代目)だ。

真四角なフォルムはかつてダイハツから発売されていたラガー、あるいはシトロエン メアリなどをほうふつさせるものだけれど、中身はしっかり今ドキの軽クロスオーバー。四輪独立懸架のサスペンションは乗り心地がよく、駆動方式もFFもしくはFFをベースとしたパッシブ型トルクスプリット式4WDで、街中での使用にも適している。

ダイハツ タフト(2代目) ▲2020年6月に発売されたタフト(2代目)。外装も内装も水平基調のデザイン

ただ最低地上高が190mm確保されているので、降雪路やキャンプ場の不整地程度なら楽勝だ。これはタフトの大きなアドバンテージだろう。

中古車市場での流通量はとっても豊富で、3500台以上もの物件が見つかる。デビューから5年近くが経過し、価格的にも狙いやすくなってきたところだ。

ダイハツ タフト(2代目) ▲インテリアもラギッド感あるデザイン。ビタミンカラーの差し色もオシャレ

現在の中古車平均価格は150万円前後。年式、走行距離によっては総額90万円以下の物件もある。例えば、2021年式・走行距離1.7万kmの「G(自然吸気ガソリン・FF)」で総額107.6万円。

4WDは中古車全体の2割程度となっているが、こちらも価格帯はリーズナブルで総額100万円程度から狙える。スタイルだけのSUV風じゃちょっと物足りない、プラスアルファの遊び心が欲しい人にオススメしたい1台だ。

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ダイハツ タフト(2代目)
文/田端邦彦 写真/尾形和美、ホンダ、三菱、スズキ、ダイハツ
※記事内の情報は2025年5月21日時点のものです。
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。