新型トヨタ ハイラックスのお上品めなデザインに「う~ん…」ってなった人に贈る「代わりに、このガチマッチョな車どうですか?」5選
カテゴリー: 特選車
タグ: トヨタ / 三菱 / GMC / ジープ / ピックアップトラック / タコマ / シエラ / トライトン / ハイラックス / ランドクルーザー70ピックアップ / グラディエーター / 伊達軍曹
2025/12/04
▲新型ハイラックスが公開されましたが、その佇まいはお上品な感じで、ゴツい見た目を期待していた人は肩すかしをくらったのでは。しかし世の中にはゴツくてマッチョなピックアップトラックはたくさんあるので、それらを探す旅に出てみましょう!ごついデザインで登場するかと期待していたが
長らく生産休止状態にあったトヨタのピックアップトラック「ハイラックス」がついにフルモデルチェンジを果たし、11月10日、タイのバンコクで開催された新車発表イベントにてBEVモデルのプロトタイプが公開されました。
それに続いて日本仕様(プロトタイプ)の画像も公開されたわけですが……どうやら新型ハイラックスは、「タフな印象」というよりは「シュッとしたイメージ」みたいな方向性を目指しているようです。
▲こちらが新型トヨタ ハイラックス日本仕様のプロトタイプもちろんシュッとした感じであることが悪いとはいいませんが、「マッチョでゴツいハイラックス」の登場を期待していた層からすると「……あれ?」という感じで軽くずっこけてしまったかもしれません。
しかしずっこけたまま転がっていても仕方ありませんので、結果として幻の存在となった「いかつくてマッチョな新型ハイラックス」の代わりになるピックアップトラックを探してみることにしましょう!
新型ハイラックスの代わり①|三菱 トライトン(2代目)
→想定予算:総額440万~530万円
「いかつくてマッチョなビジュアルのピックアップトラック」というのは、北米市場で販売されているモデルのなかにはいくらでも(?)あるのですが、それらのほとんどは「全長5.5m以上で、全幅も2m以上!」的な巨大サイズなので、日本で乗るにはけっこう苦労するはず。
そのため本稿では「日本の道でも普通に使えるサイズ感」であることを前提としたうえで、なるべくごつくてマッチョなピックアップトラックを探すことといたします。
で、そうなった場合の最有力候補はやはりコレ、2代目三菱 トライトンでしょう。
▲2023年12月に登場した現行型三菱 トライトン
▲ボディサイズは全長5320mm×全幅1855mm×全高1800mm。現行型トヨタ ハイラックスとおおむね同等のサイズ感である三菱 トライトンは、1978年に発売された「フォルテ」をルーツとする中型のピックアップ。長らく海外専売車という扱いでしたが、2代目は2023年12月、12年ぶりに日本市場でも発売されました。
そのボディサイズはエントリーグレードである「GLS」の場合で全長5320mm×全幅1855mm×全高1800mmと、新型トヨタ ハイラックスとおおむね同等。つまり小さくはないけど決して馬鹿デカくはない、ジャパンの道でもなんとかなるサイズ感です。
パワーユニットは最高出力204ps/最大トルク470N・mの2.4L直4ディーゼルターボで、四駆の機構は三菱自慢のSS4-IIシステム。
そして肝心のビジュアルはご覧のとおりのごつくてマッチョなイメージで、それでいてラグジュアリー感もあってということで、日本で乗るピックアップトラックとしてはほぼ文句の付けどころがない一台です。
▲ごついピックアップトラックだが、上級グレード「GSR」の運転席まわりは上質感も十分
▲キャビンはこのような世界観。こちらの写真もグレードは「GSR」モデル全体で見た場合の中古車支払総額は440万~760万円といったところ。
ですが、エントリーグレードである「GLS」の場合は総額450万円前後、上級グレード「GSR」の場合は総額490万円前後で、ちょうどよく好条件な一台が容易に見つかるでしょう。
▼検索条件
三菱 トライトン(2代目)新型ハイラックスの代わり②:トヨタ タコマ(3代目)
→想定予算:総額480万~750万円
トヨタ タコマは、1995年から北米で販売されているミドルサイズのピックアップトラック。
北米のピックアップトラックといえば巨大なフルサイズモデルがメインストリームではあるのですが、大きすぎないサイズ感を持つトヨタ タコマも実は大人気で、彼の地では常に年間10万台以上が売れています。
▲サイズ的にはトヨタ ハイラックスに近いが、フロントまわりのデザインは明らかにごついニュアンスとなる北米トヨタの3代目タコマ
▲程よいサイズ感と信頼性の高さ、そして高性能でもあるということで、トヨタ タコマは北米の中型ピックアップトラックとしてはトップクラスの数が売れているそんな3代目トヨタ タコマ(2015~2023年)の中古車は日本でも比較的入手しやすく、ボディサイズも全長5392mm×全幅1910mm×全高1792mmと、トヨタ ハイラックスより少し大きい程度。そしてフロントマスクも、現行型ハイラックスと似ているといえば似ていますが、微妙に、しかし確実に、タコマの方がごついニュアンスです。
パワーユニットは2.4L直4ガソリンと3.5L V6ガソリンの2種類が北米では用意されていましたが、日本に並行輸入されている中古車のほとんどは3.5L V6。そのパワー感は十分以上であり、左ハンドルであることに最初は違和感と不安を覚えるかもしれませんが、慣れてしまえばどうということもありません。
▲比較的見慣れた感じのデザインだが、ハンドル位置は左のみ
▲ダブルキャビンの内部はおおむねこのようなデザイン3代目トヨタ タコマ並行輸入車の中古車支払総額は480万~750万円といったところ。
購入時は、もちろん内外装や機関などの状態を慎重に確認する必要はありますが、そうはいっても「トヨタ車」ですので、過剰に神経質になる必要はありません。
▼検索条件
トヨタ タコマ(3代目)新型ハイラックスの代わり③:ジープ グラディエーター(初代)
→想定予算:総額600万~800万円
1930mmという全幅はさておき、5600mmという全長は駐車場やファミレスなどでやや難儀するかもしれませんが、「ごつくてマッチョなピックアップトラック」を検討する際に、コレを外すわけにはいかないでしょう。
ジープ ラングラーのピックアップトラック版である「ジープ グラディエーター」です。
▲ジープ ラングラー アンリミテッドをベースとするピックアップトラック、ジープ グラディエータージープ グラディエーターは、日本では2021年11月に販売開始となった5人乗りのピックアップトラック。
ボディサイズは全長5600mm×全幅1930mm×全高1850mmで、キャビンは5人乗車が可能な4ドアのダブルキャブ。ボディ後部に設けられたデッキの最大積載量は250kgです。
エクステリアはジープ伝統の「7スロットグリル」に代表されるラングラーと共通の意匠を採用していて、「フリーダムトップ」と呼ばれる取り外し可能な3ピースモジュラーハードトップが標準装備となるのも特徴。
▲車幅は「まあまあ広い」という程度なのだが、全長は5600mmと、さすがにかなり長い
日本に導入されたグレードは最強のオフロード性能を誇る「ルビコン」で、パワーユニットは最高出力284ps/最大トルク347N・mの3.6L V6自然吸気ガソリン。前後デフロック機構や、悪路走行時にサスペンションストローク量を増加させる電子制御式「フロントスウェイバー・ディスコネクトシステム」等々の専用装備が採用しており、最大渡河水深は762mm。
まぁ実際に渡河をするかどうかはさておき、その気になればそういったこともできるという「本物感」と、ジープの伝統に裏打ちされたごつさとマッチョ感がこの車の魅力。前述したとおり駐車時は5600mmという全長にやや悩まされるかもしれませんが、そこを除けば、日本の道路でもまあまあ普通に使えるピックアップトラックだといえます。
▲この世代のジープ ラングラーとおおむね同様の、上質だがポップ感もあるデザインの運転席まわり
▲大ぶりなシートが採用されているダブルキャビン中古車の支払総額は560万~1300万円と上下に幅広い状況ですが、おおむね総額650万円前後のゾーンにて、程よく好条件な1台が見つかるでしょう。
▼検索条件
ジープ グラディエーター(初代)新型ハイラックスの代わり④:トヨタ ランドクルーザー70ピックアップ(初代)
→想定予算:総額470万~670万円
これ見よがしのごつさやマッチョ感ではなく、「静かなるマッチョ感」とでも呼ぶべきたたずまいを備えているのがコレ。
トヨタが2014年に期間限定で発売した「ランドクルーザー70ピックアップ」です。
▲こちらがトヨタ ランドクルーザー70ピックアップトヨタ ランドクルーザー70は、それまでの「ランドクルーザー40系」に代わるモデルとして1984年11月に登場したヘビーデューティモデル。
日本では2004年8月に販売が終了したが、2014年8月に期間限定で再発売されたのは皆さんよくご存じのとおり。その際に、セミロングボディの4ドアバンと同時にリリースされたのが、スーパーロングボディのダブルキャブピックアップトラックであるこちらのモデルです。
▲斜め後ろから見る姿は「マッチョ」というよりは「端正」といった印象かボディサイズは全長5270mm×全幅1770mm×全高1950mmで、パワートレインは最高出力231ps/最大トルク360N・mの4L V6ガソリン自然吸気エンジン+5MT。
駆動方式は当然ながら副変速機付きのパートタイム4WDで、アプローチアングルとディパーチャーアングルおよびランプブレークオーバーアングルの深さは、同時期の4ドアバン以上。
▲特に華美な部分はいっさいない実用一辺倒なインテリアデザインが、逆にシブいと感じられるアグレッシブなごつさではなく「確かな実力に基づいた自信がもたらす静かなマッチョ感」的なニュアンスが魅力となるランドクルーザー70ピックアップの中古車支払総額は、470万~670万円といったところ。
流通量はやや少なめですが、それでも総額500万円台を目安に、好条件な1台を普通に検討することは十分可能です。
▼検索条件
トヨタ ランドクルーザー70ピックアップ(初代)新型ハイラックスの代わり⑤:GMC シエラ(3代目)
→想定予算:総額680万~1300万円
ここまでは「日本の道でもそれなりに扱いやすいサイズである」ということを念頭に置きながら、ごつくてマッチョ顔なピックアップトラックを検討してまいりました。
しかしよく考えてみれば、そういったピックアップトラックの購入を望む人にとって本当に大切なのは「ごつくてマッチョである」ということであり、「日本の道でどうのこうの」みたいな部分は二の次……とまでは申しませんが、優先順位はさほど高くないのではないかと、今さら気づくに至りました。
であるならば、最後に提案するピックアップトラックはコレしかないでしょう。北米ではトップクラスの人気を誇るフルサイズピックアップトラック「シボレー シルバラード」の姉妹車である「GMC シエラ」です。
▲こちらが3代目GMC シエラ。……か、顔の圧がすごい!シボレー シルバラードも十分ごつくてマッチョなのですが、どこかシュッとしている部分もあって、新型トヨタ ハイラックスに通じる何かを感じてしまいます。
しかし、GMがGMCブランドで販売している「シエラ」のフロントマスクはよりマッチョというか、とにかく強烈で、迫力は十分すぎるほどです(しかしその目=ヘッドランプは、意外と優しげな感じなのですが)。
▲とはいえ目(ヘッドランプの造形)は優しそうであり、後ろ姿も、なんとなく味わいがあるかも?ボディサイズは「クルーキャブ/ショートベッド」の場合で全長5890mm×全幅2060mm×全高1920mmで、パワーユニットは6.2L V8と5.3L V8、3L直6ディーゼルターボの3種類。このあたりの豪快さに関して筆者から言うべきことは何もありません。こういった世界観がお好きな人であれば、とことん楽しむことができるでしょう。
▲運転席まわりはおおむねこのような世界観。姉妹車であるシボレー シルバラードよりも上質なイメージだ
▲キャビン内はこのような感じ。大きな車だけあって、左右の席間距離はかなり長い!並行輸入された中古車の流通量はさすがに少なめですが、総額680万~1300万円ぐらいの価格帯にて、各地のアメリカ車専門店が販売しています。
ご興味と熱意がある方は、ぜひチェックしてみてください!
▼検索条件
GMC シエラ(3代目)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。