車中泊して釣りとサーフィン。車にぜんぜん詳しくはないが、それでもシエンタは彼女の大切な「相棒」
2020/01/14

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
朝イチの釣りから波乗りへの華麗な(?)転換
前日夜からトヨタ シエンタにて海辺で車中泊。そしてまだ周囲は薄暗い未明の「マズメ時」からロッドとルアーを取り出し、この日はヒラメとイナダを狙った。だが、しばらく粘ったものの残念ながらボウズ(釣果ゼロ)。
ひと休みをして気持ちを切り替える。そして今度は釣り用のウエアを脱いでウエットスーツに着替え、ショートボードを抱えて海へと入っていく。10時頃から13時頃まで、この日は納得のいくサーフィンをすることができた。
普段は「幼稚園の先生」をしている茨城県在住の鮎澤未来さん。
彼女の週末2日間のどちらか1日は、たいていこのようなニュアンスでシエンタとともに海に来ているという。前述のとおり「車中泊」を伴って。
釣りを始めた――というかフィッシング趣味を再開したのは最近のことだが、波乗りの方はもう10年選手。約10年前に友人に誘われてやってみたところ、「初日からとりあえず立てた!」ということに勢いを得て、波乗り用のウエットスーツを即日購入した。
「とはいえ上手くいったのはビギナーズラックみたいなもので、そこからそれなりに上達するまでは山あり谷ありで大変だったのですが」と、未来さんは笑う。

▲防水シートを運転席に敷き、濡れたまま波の良いところへとポイント移動できるようにしている日々の緊張を解きほぐしてくれる「海」
仕事は基本的に土日の2日間がお休みだが、どちらか1日は幼稚園の各種行事などが入ることも多く、丸々2日休める週は少ないという。
だが、そんななかでも「休める日には必ず」といったニュアンスで、未来さんは茨城県内の自宅からシエンタにて深夜の国道50号線を走り、茨城県の太平洋側、大洗町~鉾田町の海を目指す。
「もちろん波乗りが好きで釣りも好きだから――というのが海に来る理由の第一ではあります。自分の意思だけではどうにもならない“自然”を相手に何かをするというのは、いろいろな意味で勉強にもなりますからね」
前述した「車中泊」も、何か無理をしてやっているわけではないという。「朝イチのいい波に乗りたい」「未明のマズメ時に釣りがしたい」という思いを叶えるためには、むしろ「車中泊がしたい!」と積極的に思うようになるそうだ。
▲シエンタは決して大きい車ではないが、工夫すれば大きなサーフボードだって積むことができる。もちろんちょっとした車中泊だって可能だそして、こういった「やりたいから、好きだから」という理由に加えて未来さんを海へと向かわせている原動力のひとつは「リフレッシュのため」だという。
「幼稚園教諭という仕事は本当に楽しくて、やりがいをもって臨んでもいます。でも、やはり人様の大切なお子さんたちをお預かりする仕事ですから、何かと大変というか、神経を張り詰めなくちゃならない局面が多いんですよね……」
聞けば未来さんは大型自動車免許も持っていて、「園バスの運転手さん」も務めているとのこと。ちなみに未来さんのところの園バスはマニュアルトランスミッションだ。
「とはいえバスは四角いから、大きくても実は運転自体は楽勝なんです。でもお子さんたちをいっぱい乗せて走るわけですから、そりゃもう緊張しますよね。自分のシエンタに乗ってるときの100倍は慎重に運転してるんじゃないかな(笑)」
そういった日々の緊張感と、それによって、ややもすれば縮こまってしまいそうになる自分の心と身体を解きほぐしてくれるのが、未来さんにとっては「海」だった。

車に詳しくない人がカーセンサーに出ても……いいんです!
「だからもう車中泊をしながら海に来る生活をやめるというのは考えられないし、無理ですね。このシエンタも、まだまだ発展途上ではあるのですが、釣りのロッドや波乗りのボードなんかをもっと効率的に収容できるように、どんどん進化させていくつもりです。とはいえ……私は車のこととかぜんぜんわからないんですが!」
最初に買った車は日産のセダンだったが、その車種名は尋ねても「わかりません……。なんか、とにかく中古のセダン」と言うばかりの未来さん。
その次に買った車はかろうじて「ホンダのフィット」と車種名は把握していたが、グレードは不詳。
その次に買い替えた車も「三菱の……軽だったかな?」という感じゆえ、たしかに「車のこととかぜんぜんわからないんです」というのは事実なのだろう。
「……そんな私が、カーセンサーなんかに出ちゃっていいんですかね」
未来さんは心配げな表情でそう尋ねる。
その問いに対し、筆者としては「ぜんぜん問題ないですよ」と自信をもって答えたい。
なぜならば、「車が好き」「車は自分にとって大切なモノ」という感慨は、一般的に言われているような狭い範囲の嗜好や行動に基づくものではないはずだからだ。
車種名やグレードなどをいっさい知らなかったとしても、未来さんは間違いなく「自動車というものを愛好し、愛用している人間」のひとりである。


鮎澤未来さんのマイカーレビュー
トヨタ シエンタ(現行型)
●購入金額/約240万円
●年間走行距離/約25,000㎞
●マイカーの好きなところ/長距離は燃費がよく環境に優しい
●マイカーの愛すべきダメなところ/フルフラットシートにならないので車泊や荷物積みで不便な時があります……
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/人だけ乗せたい、荷物だけ載せたいなど用途に応じてシートをアレンジできるので、どんな状況でも臨機応変に対応してほしい車を望む人!

インタビュアー
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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