車、バイク、アウトドア……多彩な趣味を楽しむ様子が溢れ出るガレージハウス【EDGE HOUSE】
2021/04/29
▲周囲に田畑の広がるのどかな住宅街の一角に、三方を道路に囲まれた円形のガレージハウスが建っている。「藍住 BASE」と名付けられたその家は、いたるところに遊べるスペースがあり、ガレージハウスを夢見る趣味人たちがうらやむような秘密基地だった施主の多様な趣味を円形状の家が包み込む
写真の2台以外にもリフトアップしたスズキ ジムニーを所有しており、ガレージには2台のオフロードバイクと1台のオンロードバイク、1台のマウンテンバイクも……。他にも釣りやキャンプの道具が収まる壁の収納を見れば、施主が様々なアウトドアを楽しむ趣味人なのだと想像がつく。
さらにオーディオやラジコンなども大好きだという。「竣工時点ですでに、多彩な趣味を楽しまれている方でした。今後も新しい趣味を楽しんでいかれるようです」と建築家の藤原慎太郎さんは言う。
そんなバラエティ豊かな趣味をすべて楽しめ、さらに自宅でバーベキューができて、愛犬を走らせることもできる家、というリクエストに対し、藤原さんが提案したのが円形のガレージハウスだ。「円形にすることで、屋上をラジコンのサーキット場にできると考えました。
それに円形なら敷地の四隅に余白が生まれます。その余白がバーベキュースペースや愛犬のドッグランになります」余白の使い方は、これだけ多彩な趣味を楽しむ施主のことだ、新たな"遊び"を思いつくかもしれない。敷地の四隅だけでなくガレージ前にはイスを並べて友人と語らう程度の広さもある。
▲屋上はラジコンを周回させたり、コースを作って走らせたりできる他、最近はテントを張って流星群を見たりして楽しんでいるそう
▲写真中央に見える、壁に備えられたタラップを上ると屋上へと出られる。いかにも基地らしい、遊び心のある秘密の階段だ
▲ガレージ脇にある大きなガラス扉が玄関のドア。その先はアプローチとバイクなどの駐車場、ボルダリングもできる多機能スペース
▲オフロードバイクなどが収まるエントランス。壁のボルダリングは、プランニング中に「壁があるなら」と急きょ備えることにしたそう
▲シューズ類が収まる写真左手の収納棚だけでなく、正面の上に見えるバイクのヘルメットを収めたショーケースも施主が自ら造作したものまた、ガレージ内も後から自在に棚などを備えられるようにしてあるし、照明の位置も自在に変えられる。そんな具合に、あちらこちらに"余白のある家"なのだ。今後の施主の遊び心の変化にも柔軟に対応できる円形のガレージハウス。その中央には中庭がある。各部屋へ風や光を届けるのはもちろんだが、バーベキューを楽しめるもう一つの場所でもある。
「キッチンで作った料理をサッと持ち出して、好きな場所で食べて、お酒を飲みたい」という施主の願いを叶えるため、 特にキッチン~中庭~玄関が一直線になるようにこだわったという。出来立ての料理を中庭のウッドデッキでも、外の芝生の上でも好きな場所で味わえる。中庭にあるタラップを上れば、屋上で星空を眺めながらお酒も飲める。
夢を100%叶えるプランを練り上げるまで、施主とは1年以上もやりとりを交わしたという。おかげで施主の遊び心を家全体に表現できたと藤原さん。
「こういうケースはなかなかありません」。たいていは妻の要望が優先され、夫の夢は縮小を余儀なくされるからだ。そんな妻の広い心があったからこそ叶えられた"秘密基地"。円形という見た目よりも、もしかしたら「夫の夢を100%叶えられた」ことの方が珍しいかもしれない。
▲玄関の反対側にも、玄関と同様の大きな出入り口がある。これもまた、キッチンからすぐ外へ出られるようにする動線の一つだ
▲アウトドア志向の施主に合わせて、リビングやダイニングの床はオーク材のフローリングに、キッチンは大判タイルが敷かれている
▲玄関ドアがガラス扉なので、外からキッチンが丸見え。開放感はあるが、家族の理解がなければ、こんなプランはなかなか実現できない
▲円形ゆえ、壁に曲線が生まれる。それを生かして、黒い床と白い壁をキャンバスとした光のグラデーションが、暮らしに彩りを添える
▲ウッド製のダイニングセットの備わるキッチン。キッチンの奥にある、いわゆる勝手口には大きな曇りガラス製の扉が備えられている■所在地:徳島県板野郡藍住町
■主要用途:専用住宅
■構造:木造軸組構法
■敷地面積:319.69 ㎡
■建築面積:170.01 ㎡
■延床面積:168.41 ㎡
■設計:藤原慎太郎・室喜夫(藤原・室 建築設計事務所)
■TEL:06-6761-5577
※カーセンサーEDGE 2021年6月号(2021年4月27日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
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