「燃費」から「愛着」へ。エコ視点で選んだのは、中古のボルボ XC60だった
2021/05/28

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
きっかけは、海沿いの町への引っ越しだった
夫はレスリングの2004年全国中学生選手権から2013年国体までに計14回、日本一の座に輝いたアスリート。
妻も大学までバスケットボールを超絶本格的に続け、卒業後はアメリカで「アクロヴィンヤサヨガ」のインストラクター資格を取得したという、これまたアスリート。
そんな田中幸太郎さん・三友さんご夫婦は、東京都内で暮らしていたときは車を所有する必要をほぼ感じていなかった。
だが、幸太郎さんの仕事の関係で海沿いの町、具体的には神奈川県逗子市に転居すると、さすがにそうも言っていられなくなる。
そこで夫妻が手に入れた――というか譲り受けたのが、「1万円の軽自動車」だった。マニュアルトランスミッションの古いスズキ アルトだ。
「といっても僕は当時AT限定の免許しか持っておらず、妻もアメリカに行っていた関係で免許を失効してしまっていました」
▲幸太郎さんと三友さんのヨガな一枚。アスリート!
「そのため僕は限定解除を、そして妻はあらためて免許を――しかもMTの免許を取得するため教習所に通ったので、結局は高くついてしまったのですが(笑)」
1万円のアルトはさすがにオンボロで、特に後席の乗り心地は三友さんいわく「極悪という言葉では足りないぐらい極悪(笑)」だったという。
だがそれでも、若い夫婦は「車がある生活」をそれなりに楽しんだ。
しかし、2020年5月に長女の燦(さん)ちゃんが生まれると、楽しいうんぬんの話だけでは済まなくなってくる。
▲おでかけが大好き!な長女の燦(さん)ちゃん
「後席の乗り心地が本当に極悪なので、走行中に燦の頭がかなり揺れてしまうのが気になりましたし、もしも他の車に追突されたら……と考えると、不安でしたね」
燦ちゃんのためにも、1万円の軽自動車からの卒業は急務だった。
とはいえ二人はアスリート。自分の肉体を作る「食べ物の質」には昔から本気でこだわっており、そこから発展して「地球環境」や「エコ」についても真剣に考えるようになっていた。
そのため、一般的なガソリン車ではなく、「ピュアEV」または「極端に燃費のいいエンジン車」の新車を買うのが正解か――とは思った。
だが、調べれば調べるほど、結局は何を買えばいいのかがわからなくなっていった。
「EV or 燃費のいい新車」ではない、「中古車を長く愛する」という選択肢
そんなとき、夫妻の共通の友人である車好き氏がアドバイスをくれた。
「トータルで考えれば、新しい何らかの車を製造するよりも『中古車に乗る』方が、地球環境には良いはず。で、さらにその中古車が『愛着を持てるもの』であったなら、1台の車に長~く乗ることになる。そういう方が、燃費だけにこだわるよりも、実はよっぽど“エコ”なんじゃない?」
確かにそうかもしれない――と得心した。
そして、車選びの“軸”を替えた。
「燃費の良し悪し」ではなく「愛着が持てるかどうか」に。加えて、燦ちゃんのためにも「安全性が高いかどうか」に。
その軸でもって改めて車探しを始めると、候補となる1台は割とすぐ明確になった。
現在乗っている、テラブロンズメタリックの先代ボルボ XC60だ。

「決して車に詳しいわけではない私たちですので、『安全性が高いといえばやっぱボルボでしょ?』ぐらいのイメージからスタートしたのですが、調べてみると本当にそのとおりで」

「さらにこの色、希少なテラブロンズメタリックの外装+明るい色調のインテリアという組み合わせにビビビ! ときたんですよね。『これなら絶対愛着が持てる! 結果として長く乗れるはず!』って」
ビビビ! ときた直感は、まさに大正解だった。
実際に使い始めてみた結果、このボルボ XC60からは「長く愛せる予感」しか感じ取れなかった。
「まぁ1万円の軽自動車と比べれば当たり前なのかもしれませんが、乗り心地は縄文時代から現代にいきなりタイムスリップしたぐらい良好ですし(笑)、ボディとインテリアのカラーリングも最高すぎて、本当に気に入っています」
▲木目調のデザインがお気に入りポイント
▲シートは、カラーリングだけではなくその質感も気に入っているそうだ
中古車市場にある先代ボルボ XC60のボディカラーは白と黒が大半で、販売店からも「リセール価格の面で有利だから」という理由で白または黒を勧められた。
だが、「それでも茶色にこだわって本当に良かった」と、三友さんは言う。
「やっぱり、『愛着が持てる』っていうのは本当に大事なんですね。1万円の軽のときは洗車する気も起きなかったし、車で出かけるにしても『今日は面倒だからやめとこうかな?』みたいに、どうしても思ってしまいました」

「でも今は、この茶色いボルボをどんどん磨いてあげたいと思うし、燦を連れてお出かけもしたい。荷物がたくさん載るから、葉山あたりの海までピクニックに行くのも楽になりましたしね。燦も、どうやらボルボの乗り心地にはかなり満足してるみたいです!」
田中さんご夫妻のボルボ XC60は2012年式なので、ざっくり言えばそろそろ十年選手。
だが、いまだぜんぜん普通に快調であり、見てのとおり十分美しいコンディションでもある。
加えて、ご夫婦および燦ちゃんの「気に入りっぷり」から推測すると、あと10年は乗ることになるのではないだろうか?

まぁ、「10年」というのは特に根拠のないイメージに基づいて、筆者が勝手に挙げた数字でしかない。
だが、「燃費」から「愛着」へと愛車選びの軸を変更したことで、このボルボ XC60のライフサイクルアセスメント(その製品のライフサイクル全体で見た環境負荷の評価)は爆発的に向上し、そして田中さんご家族のシアワセ指数も爆上がりしたことだけは――まず間違いないはずだ。


田中さん夫婦のマイカーレビュー
ボルボ XC60(2012年式)
●購入金額/約140万円
●年間走行距離/約10000km
●マイカーの好きなところ/後ろ姿やカラー、長距離の疲れにくさ
●マイカーの愛すべきダメなところ/燃費がそれなり
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/お出かけ好きなファミリー! 荷物がしっかり積めて、チャイルドシートもゆったりです

自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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