【名車への道】’10 ジャガー XKコンバーチブル
2019/12/21

■これから価値が上がるネオクラシックカーの魅力に迫る【名車への道】
クラシックカーになる直前の80、90年代の車たちにも、これから価値が上がる車、クラシックカー予備軍は多数存在する。そんな車たちの登場背景、歴史的価値、製法や素材の素晴らしさを自動車テクノロジーライター・松本英雄さんと探っていく企画「名車への道」。

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
そうそうたる人間が関わっているから価値があるんだよね
――新しい車が「名車への道」に入るって素晴らしいことだと思いませんか?
――だから積極的に取り上げたくて。今回は松本さんも以前所有してたXKを選んでみました。
――あ、今回はこの個体、コンバーチブルですね。


――あー確かに最初はそうでしたね。XKはシリーズとしてはこれが2代目で、初代が1990年代に出たモデルですよね?
――正直、松本さんがこれを買ったと聞いて驚いたんですよね。意外だなって。

――初代XK(*1)はダメですか?
新しいXJはどうしてリアに重心をかけたデザインなのかと聞いたら「スポーツカーのジャガーはロングノーズでリアが短い方がサルーンでもカッコイイんだ!」と言っていたね。ちなみに同氏は日産がル・マンに出場するために作ったR380(*3)も手がけているんだよ。
――お名前はもちろん知ってますが……。凄い人がデザインしてたんですね。
もちろんクーペもカッコいいよ。それとトランクスルーのラゲージスペースが便利でね。これはこれでとても使いやすくて良かった。まあ2+2といっても後ろは荷物置きだね(笑)。
――2+2でそう思えるのは優秀ですね。
エンジンだってV型8気筒で重厚感があってね。ZFのトランスミッションと組み合わせていて、ゆっくり走らせるときはおとなしくジェントル、踏み込むと一気に獰猛になるんだ。
――確かXKRとかもありましたよね?
――カタチがいきなり変わったわけだから、新旧で好みは分かれるところですよね。
――僕は新しい方もイイと思いますよ。
実はクーペもコンバーチブルも両方ともカッコいいモデルってなかなかないんだよね。こういうデザインならずっと乗っててもあまり古く感じないと思うよ。
――エンジンはどうなんですか?
XKは初めに4.2L、その後5Lに変わるんだけどフィーリングは全く別物だったね。インジェクションのマネージメントはデンソーが担当していたらしい。なんたって1996年から作られているエンジンだから信頼性は抜群だよ。
設計にコスワースが加わったという話も聞いていたし。そうそうたる顔ぶれで作ったモデルだからこそ、今見てもすごく価値を感じるんだろうね。

■注釈
*1 初代XK
1996年から2006年まで発売。クーペ、コンバーチブルを設定し、エレガントなデザインでブランドのイメージを牽引した。
*2 イアン・カラム
ジャガーのデザインを指揮する英国人デザイナー。フォード、マツダなどでその辣腕を振るい、1999年にジャガーへ入社。
*3 R380
プリンス自動車工業が開発をスタートさせ、日産と合併後にニッサン R380として開発されたレーシングカー。生産は1965年。
*4 AJ-8
ジャガーの多くのモデルが搭載してきたV8型エンジン。レンジローバーやアストンマーティン V8ヴァンテージも採用。
ジャガー XK(2代目)
2006年から2014年にかけて発売された4座スポーツモデル。クーペとコンバーチブルが設定され、デザインはイアン・カラム氏が担当。ジャガーが新デザインを取り入れた最初の1台となる。アルミボディを採用し、軽快な走りも大きな特徴となっていた。
※カーセンサーEDGE 2019年12月号(2019年10月26日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
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