テリー伊藤がブラジル製のフォルクスワーゲン タイプIIに一目惚れ!「これをオシャレなキャンピング仕様にしたい!」
2022/04/29

切なさを感じさせる佇まいが愛おしい!
今回は、「ブルーオート」で出合ったフォルクスワーゲン タイプIIについて、テリー伊藤さんに語りつくしてもらいました。
~語り:テリー伊藤~
今回はとても珍しい車を発見しました。
見た目はレイトレイトのT2。ただ、これは本国で生産が終了した後も2006年まで生産が続いたブラジル製のKOMBI(コンビ)です。
旧車ブームの中でタイプIIも中古車相場が大幅に上昇。状態のいいキャンピング仕様だと1000万円近い値がつけられているものもあります。
一方、このKOMBIの値段は車両本体価格が329万円。旧車全体の相場上昇に釣られてKOMBIの値段も上がっているはずですが、それでもまだ手に入れやすい価格帯と言えるでしょう。

僕は最近まで30万円で買った、錆びてボロボロのメキシコ製ビートルに乗っていました。
正統派のビートルファンはメキシコビートルを格下に見る向きがあります。
おそらくこのKOMBIも、フォルクスワーゲンのイベントに参加したらビンテージのタイプIIオーナーからはバカにされるかもしれません。

フロントのVWグリルは安っぽいプラスチック製だし、ライトまわりにはうっすらとサビも出ています。
どこか切なさを感じさせる佇まいですが、僕はそこに惹かれました。「あいつらの言うことなんか気にするなよ。一緒に楽しもうぜ」そう声をかけてあげたくなります。
考えてみてください。もし1000万円近い“本物”のタイプIIを手に入れたとして、その車でキャンプに行けますか?
砂利道を走るだけで細心の注意を払わなければならないし、小枝でボディにキズがつこうものなら気を失いそうです。
せっかく気持ちいい自然の中で過ごしているのに、気を使ってばかりいたら楽しくないですよ。

ウェスタンブーツにはトニーラマやルケーシーという有名ブランドがあります。日本ではウェスタンブーツ=トニーラマというファンも多いですね。
でもアメリカの本物のカウボーイは、まずトニーラマを履いている人はいない。理由は単純。高いからです。
じゃあ、彼らはどんなウェスタンブーツを履いているのか。実は安いメキシコ製のものを選ぶ人が多いのです。僕はそっちの方がより生活に密着していてカッコよく見えます。タイプIIに抱いた気持ちも、これと同じなのだと思います。

このKOMBIにはヒーターとクーラーが付いているから季節を問わず快適。試乗させてもらったところエンジンの調子も良さそうです。
この車で気軽に車中泊をしたら、きっと楽しいですよ。

テリー伊藤ならこう乗る!
コロナ禍になって以降、世界中でキャンピングカーが大ブームです。コアな層はもちろん、ファミリーでキャンピングカーを選ぶ人も増えていますね。
自分たちでキャンピングカーの内装をDIYし、アウトドアライフを楽しむ様子をYouTubeで公開するユーザーもいます。

先日もある番組で、インテリアを山小屋のように仕立てたキャンピングカーで日本中を旅しているカップルに出てもらいました。
ルーフにソーラーパネルを設置して車内で快適に過ごせるようにし、お気に入りの場所でコーヒー豆を挽く。
ナチュラルウッドの壁に白い絨毯と手作りのカーテンでデコレーションした室内は、まるで代官山にあるパンケーキ屋さんのようでした。

僕がこのKOMBIを手に入れたら、そんな幸せそうな車に仕上げたい。ただし、エクステリアはこのままの状態で楽しみます。
車両本体価格が329万円ですから、インテリアを50万円くらいかけてカスタムして、乗り出し価格を400万円くらいに抑えたいですね。今ならまだ夏に間に合うでしょう。

車が仕上がったら、若い頃に一緒に遊んだ旧友を訪ねてみたい。お互い年を取ったけれど、僕はまだこんなに楽しんでいると自慢します。
ただ、日本一周となるとさすがに体力が持たないし、壊れても全国にあるディーラーですぐ直せる車ではないから近場にとどめておきます。

国産のワンボックスや軽自動車もいいですが、若い人にはこういう車にも目を向けてほしいですね。
最近は軽キャンピングカーを手に入れてソロキャンプを楽しんでいる人も増えているという話を聞きます。
ソロキャンプは気楽で楽しいでしょうが、一方で一人だと危険を感じることもあるようです。鍵がかかる車の中ならテントよりも安全。ぜひ快適で楽しいアウトドアライフを楽しんでください。

フォルクスワーゲン タイプII
1950年に登場したワンボックス型のフォルクスワーゲンで“ワーゲンバス”の愛称で呼ばれることも多い人気モデル。タイプI(ビートル)をベースに開発されているため、リアエンジンリアドライブの形式になる。1967年まで製造されたものを“アーリーバス(T1)”、1968年から1979年までのものは“レイトバス(T2)”と呼ばれる。ブラジルでは1975年からT2の生産がスタート。ドイツでの生産が終了してT3、T4、T5へと進化した後も、2013年までT2が生産されていた。2006年までは空冷フラット4エンジンが搭載されていたが、ブラジルの法規制が変わったため2007年年からは水冷エンジンが搭載された。

演出家
テリー伊藤
1949年、東京・築地生まれ。早稲田実業高等部を経て日本大学経済学部を卒業。現在、慶應義塾大学大学院の政策・メディア研究科に在籍。「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「ねるとん紅鯨団」「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。現在は演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。最新刊「出禁の男 テリー伊藤伝」(イーストプレス)が発売中。また、TOKYO MXでテリーさんと土屋圭市さんが車のあれこれを語る新番組「テリー土屋のくるまの話」(毎週月曜26:35~)が放送中。YouTube公式チャンネル『テリー伊藤のお笑いバックドロップ』も配信中。
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