“一度は乗りたい憧れの911(992型)”、買うとしたらどう選べばいいの?中古車相場と買い方を解説!
2026/01/10
▲輸入スポーツカーでありながら「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2025」で第9位に輝いたポルシェ911(992型)とはどんな車で、果たしていくらぐらいで買えるものなのでしょうか? この機会にチェックしてみることにしましょう!「ポルシェ 911」とはどんな車なの?
カーセンサーが持つ独自のビッグデータから「今年最もユーザーの関心を集めたモデル」を発表するカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー。
その2025年版にて、かなり高額な輸入車であるにもかかわらず見事9位にランクインしたのが、ポルシェの現行型スポーツモデルである「ポルシェ 911(992型)」です。
▲こちらが今回の主役であるポルシェ 911(992型)現在は、「992型」「タイプ992」などと呼ばれることが多い8代目のモデルが新車として販売されているポルシェ 911ですが、そもそもは高性能であることと居住性、そして実用性とを高次元でバランスさせた小型スポーツカー「ポルシェ 356」の後継モデルとして、1964年に初代(901型)が登場しました。
つまりポルシェ 911とは、ただ単に高性能なだけではなく「日常的に使うこともできる超高性能スポーツカー」を目指して誕生した車であり、その思想と個性は、その後7世代にわたって開発された代々の911にも受け継がれています。
初代(901型)がリアに搭載したエンジンは空冷方式の水平対向6気筒エンジンで、この「空冷エンジンによるリアエンジン・リアドライブ」というレイアウトはその後の930型(1975年~)、964型(1989年~)、993型(1993年~)まで踏襲されました。
▲空冷エンジンを搭載する最後ポルシェ 911となった993型(1994~1988年)「リアエンジン・リアドライブ」という駆動方式はその後も変わらず受け継がれたものの、1997年に登場した996型からはエンジンを水冷方式に変更。環境面での様々な時代の要請に応えつつ、911らしい超ハイパフォーマンスを発揮することが可能になっていきました。
そして2004年登場の997型と2011年登場の991型を経て、2019年に登場したのが8代目・現行型のポルシェ 911である「992型」です。
▲通算8代目のポルシェ 911となった現行992型の前期モデル▼検索条件
ポルシェ 911(992型)モデル概要|従来型を踏襲しつつも圧倒的進化を遂げた伝統のスポーツモデル
現行モデルである992型は、デザイン的にもメカニズムの面でも「前身である991型の正常進化版」という側面が強い1台ですが、その正常進化っぷりにはすさまじいものがあります。
様々な環境対応策を採用しつつも、電子制御式のウェイストゲートバルブやシンメトリック構造のツインターボチャージャー、新レイアウトのインタークーラー等々の採用により、パワーユニットは従来型よりも格段に力強くなり、低回転域からのレスポンスも俊敏に。
その結果、「下から2番目」のグレードであるカレラSでも、ニュルブルクリンクサーキットの北コースをスーパーカー並みのラップタイムで走ることが可能となりました。
▲エクステリアデザインもメカニズムも先代(991型)と大幅には変わっていないが、「中身」は長足の進歩を遂げている992型。写真のグレードはカレラ4Sまた、各種の運転支援システムが充実しているというのも911型の特徴です。
衝突被害軽減ブレーキや自動再発進機能付きACC、レーンキープアシストなどを標準装備する他、ヘッドライトは対向車や先行車を検知し、ハイビーム照射を自動で配光する「マトリクスLED」。
路面の水を検知してドライバーに知らせ、自動でトラクションをコントロールする世界初の「ウエットモード」も全モデル標準装備です。
▲細部はグレードやオプションなどによって微妙に異なるが、ポルシェ 911(992型)8速DCT(PDK)車の運転席まわりはこのようなデザイン(写真は本国仕様のため左ハンドル)そんなポルシェ 911(992型)には、非常に数多くのグレードがラインナップされています。そのすべてをご紹介するとなると膨大な文字量になってしまうのですが、中古車の流通量が多い主要なグレードの特徴は、おおむね下記のとおりです。
最高出力385ps/最大トルク450N・mの3L水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載するベースグレード。駆動方式は2WD(後輪駆動)で、トランスミッションは8速DCT。新車時価格は約1360万円~。
上記の4WD版。新車時価格は1504万円~。
最高出力450ps/最大トルク530N・mの3L水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載する準高出力グレード。駆動方式は2WD(後輪駆動)で、トランスミッションは8速DCT。新車時価格は1666万円~。
上記の4WD版。新車時価格は1772万円~。
▲最高出力450psの3Lフラットシックスターボを搭載する前期型カレラS/4S
「カレラ」と「ターボ」の中間に位置する高出力グレードで、シャシーもスポーティなセッティング。パワーユニットは最高出力480ps/最大トルク570N・mの3L水平対向6気筒ツインターボで、駆動方式は2WD(後輪駆動)。トランスミッションは8速DCTまたは7MT。新車時価格は1868万円~。
上記の4WD版。新車時価格は1974万円~。
▲スポーティにチューニングされた専用シャシーと、最高出力480psをマークする3Lフラットシックスターボを採用する前期型GTS
自然吸気エンジンを搭載する超ハイパフォーマンスグレード。パワーユニットは最高出力510ps/最大トルク470N・mの4L水平対向6気筒で、駆動方式は2WD(後輪駆動)。トランスミッションは7速DCTまたは6MT。新車時価格は2296万円~。
▲最高出力510psの4L自然吸気ユニットを搭載するGT3。軽量化と空力対策も徹底されている
最高出力580ps/最大トルク750N・mの3.7L水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載するハイパフォーマンスグレード。駆動方式は4WDで、トランスミッションは8速DCT。新車時価格は2443万円~。
ベーシックな385psの3Lツインターボエンジンを搭載したうえで、過剰な(?)装備類を廃し、ポルシェ 911本来のピュアなドライビングプレジャーを追求したグレード。リアシートを取り除いた他、遮音材の削減や軽量ガラスの採用などによる軽量化も行われている。後輪駆動で、トランスミッションは7MTが基本だが、8速DCTも選択可能。新車時価格は1640万円~。
▲「素の味わい」が堪能できるカレラT。ベーシックな3Lターボに「スポーツクロノパッケージ」と「PASMスポーツサスペンション」を組み合わせ、トランスミッションは7MTが基本となる以上が前期型の主要グレードですが、ポルシェ 911(992型)は2024年の途中から順次マイナーチェンジを実施。カレラGTSには軽量ハイブリッドシステムが採用され、その他のグレードもパワーユニットのアップデートや装備の充実化が行われました。
マイナーチェンジ前の前期型が「992.1」と呼ばれているのに対し、マイナーチェンジ後の世代は「992.2」と俗称されています。
流通状況|約530台が流通中。物件数が多いのは主要5グレード
4座オープンであるカブリオレを除いたポルシェ 911(992型)には全部で25種類のグレードないし限定車が存在し、現在は約530台の中古車が流通しています。しかし、その中には中古車の数が0台だったり、あったとしても1~2台のみというグレードや限定車もあります。
とはいえ、以下の(大きく分けて)5グレードであれば中古車の流通量は十分であるため、予算感さえ合えば、ごく普通に検討することができるでしょう。
▲最もベーシックな992型といえる「カレラ」数的に最も見つけやすいといえるグレードは、4WD車である「カレラ4」と「タルガ4」を含むカレラ系。
こちらは前期型の場合で最高出力385psの3Lエンジンを搭載するベースグレードで、約150台が流通しているうちの75%以上は2WDの「カレラ」。4WD版である「カレラ4」は希少で、「タルガ4」もやや少なめです。
▲見た目もシャシーも、そしてパワーユニットも硬派でスポーティな「GTS」お次に見つけやすいのは、前期型の場合で最高出力480psの3Lフラットシックスを搭載する硬派なグレードである「GTS」系。
トランスミッション別の比率を見ると8速DCTが約80%で、7MTが約20%。駆動方式別では2WD車が約54%、タルガボディを含む4WD車が約46%という状況です。
▲程よくパワフルな3Lツインターボエンジンを搭載する「カレラS」および「カレラ4S」カレラ系と同じ3Lフラットシックスではあるものの、ややハイチューンな最高出力450psとしたエンジンを搭載する「カレラS」系も、それなり以上の数が流通しています。
より細かなグレード別流通量は、やはり2WD の「カレラS」が全体の60%以上を占めており、4WDの「カレラ4S」は約20%。タルガボディの「タルガ4S」はやや希少です。
▲研ぎ澄まされた4L自然吸気エンジンを搭載する「GT3」かなり硬派で高額なグレードである「GT3」系ですが、やはり人気があるようで、中古車もけっこうな数が流通しています。
GT3系の中でも最も流通量が多いのは7速DCTの「GT3 PDK」ですが、6MTの「GT3」や、その内外装をやや控えめで上質なものとした「GT3 ツーリングパッケージ」等々も、それぞれまずまずの数が流通中です。
▲ポルシェ 911本来のシンプルな魅力が味わえる「カレラT」Touringの頭文字「T」を車名に用いたシンプル&軽量グレードである「カレラT」系も、まずまずの数の中古車が流通しています。
流通のメインとなっているのは7MTの「カレラ T」で、その比率は90%近く。とはいえ、8速DCTの「カレラT PDK」も2025年12月下旬現在、7台ほどが流通しています。
中古車のオススメ①|最もベーシックだが魅力的な「カレラ」(想定予算:総額1300万~1500万円)
992型のポルシェ 911は「どのグレードも全部素晴らしい!」と言えるのですが、同時に「グレードによって個性はぜんぜん違う!」と言うこともできます。また、肝心の中古車価格もグレードによってけっこう異なりますので、「ポルシェ 911に求めるもの」や「手持ちの予算」が人それぞれである以上、いちがいに「このグレードがオススメ!」と言い切ることはできません。
とはいえなるべく客観的に、そして極力コスパ重視で物事を考えるとしたら、以下の3グレードが「現時点におけるオススメ中古車」ということにはなるでしょう。
▲総額1000万円台前半で低走行物件が狙える「カレラ」より上位なグレードを見ていけばキリがありませんが、最もベーシックな「カレラ」であっても最新のポルシェ 911としての魅力は十分に、いや十分以上に堪能できます。
そんな十分以上な1台の低走行物件が、992型911としては最もお安い総額1000万円台前半で狙えるのですから、これはもうオススメ第1位とするしかありません。
▼検索条件
ポルシェ 911(992型)×カレラ中古車のオススメ②|高性能が魅力の「カレラSまたは4S」(想定予算:総額1500万~1700万円)
▲バランスの良い高性能っぷりが魅力の「カレラS」および「カレラ4S」カレラよりも1段階高い予算帯にはなってしまいますが、やはりせっかく992型を買うのであれば、最高出力450psのハイチューンエンジンと350mmブレーキローターを採用しているカレラSまたはカレラ4Sを選びたい――と考えるのも人情でしょう。
筆者も予算的な余裕さえあれば、カレラ系ではなくカレラS系を選ぶはずです。
▼検索条件
ポルシェ 911(992型)×カレラS▼検索条件
ポルシェ 911(992型)×4S中古車のオススメ③|“911”らしさを堪能できる「カレラT」(想定予算:総額1700万~1900万円)
▲「ポルシェ 911本来の味」のようなものが堪能できる「カレラT」こちらはさらに1段階上の価格帯になりますが、やはり素直な3Lターボエンジンとシンプルな7MT、そして軽量であることなどを組み合わせたカレラTは、ポルシェ 911をステイタスシンボル的な何かではなく「痛快かつ爽快に走るための相棒」として考えるのであれば、ベストな選択肢です。
人気があるため中古車価格は若干高めですが、いわゆるカーマニアであれば“絶対に”大満足できるでしょう。
▼検索条件
ポルシェ 911(992型)×カレラT▼検索条件
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自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2005年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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