ホンダ アコード VS 日産 ティアナ PART2:使い勝手が優れているのはどっち?
2009/03/17
PART2 使い勝手が優れているのはどっち?
ホンダ アコード
日産 ティアナ
いい意味でも悪い意味でもスポーツセダン然とした雰囲気
今回のアコードの内装色は、SPORTS STYLE専用のブラック内装だった。そのためシルバーの加飾部分とのコントラストがよりクッキリとし、クールな印象を作り出していた。シルバーの加飾の採用は、初代アウディ TT(リアルアルミだったが…)、レンジローバー以降、世界中の車がごぞって追随した手段の一つだが、アコードの場合、まあ必然性のある部位に妥当な面積で使われている。またレイヤー(重ねられた)のインパネも、ゾーンが整理され、ウネり具合も目に余らないギリギリのところにとどまっており、オデッセイ、インサイトよりは許せる。メーターも盤面がよくある宇宙をイメージしたようなブルーのグラデーションの照明などを使わず、文字も指針も目盛りもクッキリと見やすく、大人っぽいデザインでよい。
ただPart1のフル乗車試乗でスタッフが指摘したように、ややディテール過多で損をしている。たとえばドアトリムは、せっかくアームレストより上を削いで空間を作っているのに、そのほかの部分のデザインが強く主張しているため迫って来るように感じ、結果的に広さが実感しにくい。ちなみにドアトリム部はソフトパッドだが、その柔らかさ具合はティアナのほうが上だ。細くしたAピラーもトリムの断面形状はすっきりと円柱状にすれば、箱状にし陰影で見せるよりスッキリと細く感じられるはず。
センターコンソールボックス内にもエアコンの送風が行われ、ドリンクの保冷&保温ができるのは便利。だがその前方のカップホルダーのフタが(左ハンドル車を確認していないが)助手席側から開くのはドライバーには少々不親切では?
居住性は前後シートとも驚くほどの広々感はない。よくいえば適度な包まれ感あり…といったところか。後席は座面が意外と高く、ピシッとした姿勢で着座できるが、背もたれはもう少し柔らかめでもいいとも思える。
トランクは内部形状がややゴツゴツしている。が、深めのデザインで、容量自体は十分な広さが確保されている。
随所に“OMOTENASHI”の精神が盛り込まれたティアナ
一方のティアナの室内は、アコードと比べると、カタログのコピーではないがモダンな印象。艶消し木目調の加飾は好みもあるが、インパネ全体のデザインのなかで機能がスッキリと整理され、スイッチ類もいかにもデザイン上のアクセントであしらってある…といった見え方。アコードの“これでもかデザイン”と好対照だ。メーターの盤面も、白い縁取りが入るクラシックな腕時計の復刻版(ホイヤー・カレラなど)のよう。視認性が良いのはもちろん、ホッとするメーターの模範にしたいようなデザインだ。ドアグリップ部にLEDが仕込んであり、夜間ならその周囲がほんのり照らされ、静かに雰囲気を作るはず。先代のインテリアデザインのほうが、モダンインテリアとしてはコンセプチュアルなデザインではあったが、現行型もトゲトゲしくなく、しなやかで優しい室内の空気感は好ましい。
後席はアコード同様、座面高さはあるものの、頭上、足元ともにゆとりは十分。それとシートだが、座面クッションがソフトで厚み感もたっぷりあるのが特徴。体を沈めるように安楽にセダンの後席に座るのが好みなら印象がいいだろうし、硬すぎない分、シートが路面からのショックを吸収してくれる面はある。
前席は、例のオットマンが取材スタッフにも好評だった。ここに座る人が寝息(いびきではなくて!)を立ててうたた寝ができるほどリラックスできるなら、ドライバーとしてもそれは安心かもしれない。
トランクはホイールハウスの張り出しはあるものの、容量自体はこのクラスのFFセダンらしく大きめ。段ボールでは不利かもしれないが、形状の自由度が大きな旅行バッグなどなら、かなり積み込める。
今回のまとめ
アコードは明らかにBMW、アウディ路線のカッチリしたインテリアだ。対してティアナは、乗員を優しく迎えてくれる快適な空間に仕立てられており、それは魅力。次回予告
取り回しや駐車しやすさを検証しよう!
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今回のテスト車両



ホンダ アコード | |
---|---|
テスト車両 | 24TL SPORTS STYLE 316.0万円 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | 5AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4730×1850×1440 |
ホイールベース(mm) | 2705 |
車両重量(kg) | 1520 |
最小回転半径(m) | 5.7 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4DOHC |
総排気量(cc) | 2354 |
最高出力 [kW(ps)/rpm] |
151(206)/7000 |
最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
232(23.7)/4300 |
使用燃料 | 無鉛プレミアム |
燃料タンク容量 | 65L |
10・15モード燃費 (km/L) |
11.4 |
実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
現在調査中 |
タイヤサイズ | 235/45R18 |



日産 ティアナ | |
---|---|
テスト車両 | 250XV 337.05万円 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | CVT |
全長×全幅×全高(mm) | 4850×1795×1475 |
ホイールベース(mm) | 2775 |
車両重量(kg) | 1510 |
最小回転半径(m) | 5.7 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | V6DOHC |
総排気量(cc) | 2495 |
最高出力 [kW(ps)/rpm] |
136(185)/6000 |
最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
232(23.7)/4400 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー |
燃料タンク容量 | 70L |
10・15モード燃費 (km/L) |
12.0 |
実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
現在調査中 |
タイヤサイズ | 215/55R17 |
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