他ジャンルを「いいとこどり」しながら進化を続けてきたSUV、その「始点」と「視点」
2020/01/21

今月のカーセンサーはSUV大特集!
2020年1月20日発売のカーセンサー3月号では「特徴を分けてみれば選びやすい! 今年からSUVがいいじゃない」という特集を展開している。
「いろいろ種類がありすぎて迷っちゃう!」というほど多種多様化している最近のSUV各モデルを、編集部が独自にジャンル分けして整理。それにより、あなたが選ぶべき1台のヒントを提示する――という内容の特集だ。
それに連動してここでは「SUVブームの始点と視点」と題し、「そもそもSUVとはどんな感じで発生し、どんな感じで多種多様化していったのか?」「そんでもって結局、SUVってなぜこんなにも人気があるのか?」ということを考えてみたい。
源流は2代目パジェロ。そこから様々なクロスオーバー(融合)が始まった
今でこそきわめて細分化されているSUVというカテゴリーだが、その源流は「硬派なクロカン四駆」に一本化される。
世界的に見れば、1970年代に登場した英国のランドローバー レンジローバーまたはドイツのメルセデス・ベンツ Gクラス(当時の車名はゲレンデヴァーゲン)あたりがその源流だが、ここ日本では、1991年に登場の2代目三菱 パジェロが、今日まで続くSUVブームの始点だったと言える。
2代目三菱 パジェロはあくまで硬派なオフローダーとして開発された車だった。しかし、本格的なアウトドア向けウェア類が都市部においてもおしゃれに感じられるように、2代目パジェロは図らずも「硬派なそれに乗るのが逆におしゃれ」的な受け止め方もされた車だった。
これがきっかけとなってその後、オフローダーとその他ジャンルとの「融合(クロスオーバー)」が進んでいったのだ。
まずは、「オフロードもイケるけど、オンロードでもかなり便利ですよ」という初代トヨタ RAV4(1994年登場)をきっかけに「コンパクトSUV」という新ジャンルが生まれ、続いてスポーツカー顔負けの動力性能を個性とする初代スバル フォレスター(1997年登場)が「スポーティすぎるSUV」という、今となっては当たり前だが、当時としてはユニークなジャンルを切り開いた。



他ジャンルの形状や特長を上手に吸収しながら進化
初代フォレスターとほぼ同時期に登場し、別の新たな地平を開拓したのが初代トヨタ ハリアー(1997年登場)だ。ハリアーは「都市部に似合う高級感」をオフローダーという概念に融合させたことで、これまた今日まで続く「プレミアムSUV」というジャンルの先駆けとなったのだ。
その後は、2代目パジェロの時代には(たぶん)想像すらされていなかった「クーペ的スタイルとオフローダー概念との融合」が起こり、最近では「軽自動車規格とSUV概念とのクロスオーバー」も人気のカテゴリーとなっている。
つまりSUVとは、骨太で本質的なオフローダーをその根本としながらも、その他ジャンルの形状や特長を上手に吸収しながら――あえて意地悪く言うならば「いいとこどり的に利用しながら」進化を続け、そして今なお現在進行系で進化し続けているジャンルなのだ。
そのような「いいとこどり」であるからこそ――もう少し美しく表現するなら、様々なジャンルの叡智と美点の集合体であるからこそ、SUVは世界中で超が付くほどの大人気ジャンルとなった。そして、「一度SUVに乗ったらもう他のジャンルには行けない!」と多くの人が心底思ってしまうほどの存在にまで育ったのだ。
ぜひ、カーセンサー3月号を手に取り、その進化をご自身の目で確かめていただきたい。




自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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