ゲームから実車の世界へ! eスポーツレーシングドライバー冨林勇佑さんへインタビュー「ゲームで速く走れたら実車のレースでも勝てる、それを証明したいですね」
2021/01/04

車で我々に夢を提供してくれている様々なスペシャリストたち。連載「スペシャリストのTea Time」は、そんなスペシャリストたちの休憩中に、一緒にお茶をしながらお話を伺うゆるふわ企画。
今回は、『グランツーリスモSPORT』にて世界チャンピオンを獲得し、リアルでもレーシングドライバーを務める冨林勇佑さんとの“Tea Time”。

語り
冨林勇佑
2016年に、プレイステーションのレースゲーム『グランツーリスモSPORT』にて、世界チャンピオンを獲得。現在もeスポーツの各種大会で活躍する一方で、DELTA MOTOR SPORTSに所属し、リアルでもレーシングドライバーとして活躍している。
『グランツーリスモ』で世界チャンピオンになる
2016年にプレイステーションのゲームソフト『グランツーリスモ』の世界大会がロンドンで行われ、そこで優勝したんです。
大会には各国の代表が集まり、まずは全員で予選を行いました。勝ち残った選手で準決勝、決勝と戦って、なんとチャンピオンになることができたんです。
行く前までは「ゲームの世界大会」というのにあまりピンときてなくて、「まあロンドンに行けるならいいか!」というぐらいの、旅行に行くくらいの気分だったんです(笑)。でもいざ始まったら予選トップタイムを出すことができて、「もしかしたら、これはいけるかもしれない」と。
4年前は、まだ今のように“eスポーツ”というジャンルが認知されていなかったですが、それでも世界チャンピオンになってからはイベントやテレビ出演の話もいただき、メディアへの露出はかなり増えたと思います。

子供のころの夢はアルテッツァのレーサー
実は僕の父親が車好きで、レースをやっていたんです。だから物心ついたときには自然と車好きになっていました。
レースのビデオを見てはカッコいい! と興奮しているような子供で、保育園の卒園式ではみんなの前で「大きくなったらアルテッツァのレースに出るレーサーになりたい」と言ってたくらい(笑)。そのころトヨタ アルテッツァのワンメイクレースが大好きだったんです。
ちなみに免許を取って初めて買った車は、何を隠そうアルテッツァ。今でも大事に乗っていますよ。とはいえ、学生時代は部活でサッカーに打ち込み、レースをするのはプレステの中だけにとどめていたんです。
実車でレースをやるきっかけになったのは大学生のとき。自動車部の友達がサーキットを貸し切りで走行会をやると聞いて、そこに交ざって走ったのが初めてのサーキット経験でしたね。
いきなり結構いいタイムが出たのと、感覚的にゲームと似てるな、と感じたので、そこから本格的に「実車でレースをやってみたい」という気持ちが芽生えました。
初めての実車レースでデビューウィン!
実車でのレースデビューは2年前、2018年10月に筑波サーキットで行われたマツダ ロードスターNR-Aのワンメイクレースです。
筑波は自分の車で走ったことがあったし、なによりゲームでも得意なコースだったので、「いけるかな?」とは感じていましたね。そうしたらなんと、初レースにしてクラブマンクラス優勝を飾ることができました。
翌2019年は同じロードスターのシリーズレースに参戦して5戦3勝でシリーズチャンピオンになることができ、今年(2020年)はトヨタ 86のワンメイクレースに参戦して年間ランキング3位という結果を残すことができました。
86シリーズは谷口信輝さん、脇阪寿一さん、服部尚貴さんなど、日本のトップドライバーの方々が参戦する激戦クラスなんですが、ここでさらに結果を残して、スーパーGTでチャンピオンになることを目指しています。
もちろんゲームと実車のレースの違いに苦労することはありますが、ゲームで速く走れれば実車でも速いというのは確かだと思うので、僕自身がそれを証明したいですね。
『グランツーリスモ』から実車でのプロのレーシングドライバーになったというのは、日本人ではまだいないので、その道の先駆者になれるようにがんばります!

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