価格と程度のバランスが良いのは5年落ち! 2014年デビューの街乗りにもピッタリなコンパクトSUV3選
2019/12/26
▲写真は2011年のジュネーブモーターショーで発表された、ルノー キャプチャーのコンセプトモデル。2010年にフランスで発表された兄弟車・日産 ジュークの好調なセールスを受けて、ルノー版コンパクトSUVも開発されたいずれもこのカテゴリーに初参入したニューモデル
車検前のタイミング、つまり新車登録時から3年後・5年後・7年後……に中古車物件が増えることが多い。
中古車を探す側としては、なるべく高品質の中古車を安く買いたいと思うはず。
そこで、今回ベストバランスとしてオススメしたいのが5年落ち物件だ。
今から5年前、つまり2014年に登場したモデルの中から、今回はコンパクトSUVを紹介しよう。
前年の2013年に発表されたホンダ ヴェゼルは、瞬く間にベストセラーとなり、2014年(1月~12月)新車販売台数ランキングでSUVとしては1位、全体でも7位に食い込んだ。
ヴェゼルの快進撃が明らかにしたのは、みんながコンパクトな街乗りSUVを求めていたということ。同車の1ヵ月後の受注状況を見ると、約7割が2WDを選んでいた。
つまりSUVだからって4WDが絶対必要というわけではなく、特に街乗り中心のコンパクトサイズなら燃費の良い2WDで十分ということなのだ。
こうした潮流は日本だけにとどまらないようで、同時期には海外メーカーも続々と街乗り系コンパクトSUVを開発している。
2014年には3台の輸入コンパクトSUVが日本へ導入された。いずれも2代目や3代目ではなく、これまでにないニューモデルだ。
SUVが街へ本格的に進出してきたと言えそうな2014年。これから紹介する3モデルは本国では2代目が発表されているため、間もなく旧型になるが、各メーカーの新カテゴリーを切り開き見事に2代目へと引き継ぐことができた初代モデルだ。
それでは早速、それらの中古車状況を見ていこう。
支払総額で2ケタ万円から狙えるお手頃モデル
プジョー 2008(現行型)
▲全長4160mm×全幅1740mm×全高1550mm。ルーフレールは標準装備される。2016年のマイナーチェンジでライオンのマークはフロントグリル内に移動、グレード構成も「アリュール」と「GTライン」変更された
▲USB/Bluetooth対応のタッチスクリーン式オーディオを全車標準装備。プレミアムの天井は前後方向にLEDライトが数本走っていて、優美な雰囲気を演出する。一方のシエロは大開口のパノラミックガラスルーフが備わる同社のコンパクトハッチ、208をベースに作られたSUVが2008だ。
最低地上高は208より10mm高いだけ(150mm)だが、全高は+80mmで全長も+100mm。だからその分室内やラゲージは208よりも広い。
本国では2013年5月にデビューし、日本では2014年2月から販売が始まった。
4WDの設定はなく、デビュー時は1.2L+2ペダル5速MT車のみが用意された。
ETG5と呼ばれる2ペダル5速MTは、変速時にAT車のようなクリープを発生させ、また坂道発進では自動でブレーキをかけて後退も防いでくれるため、AT車しか乗ったことのない人でも難なく乗りこなせる。もちろんMT車に乗り慣れた人なら気持ちよく加速できるだろう。
なお2016年のマイナーチェンジでは新しい1.2Lエンジンとなり、トランスミッションはアイシン・AW製の6速ATとなった。
また、FFモデルながらGTラインには、エンジントルクとブレーキを制御して滑りやすい路面で走行をサポートする「グリップコントロール」が標準装備される。
走行性能を比べれば後期型だろうが、お手頃な前期型でも「街乗りSUV」としては十分だ。
デビュー時の車両本体価格はプレミアムが246万円、シエロが270万円。
原稿執筆時点(2019年12月25日:以下同)では、前期モデルなら走行距離5万km未満でも、支払総額2ケタ万円からと割安だ。
2015年に投入された特別仕様車クロスシティなら、6速AT+グリップコントロールを積んでいるが、こちらも支払総額約130万円からと割安感がある。
手頃にコンパクトSUVを狙いたい人にオススメしたい。
▼検索条件
プジョー 2008(現行型)×2014~2015年式×全国ライバルよりも高めの最低地上高をもつ
ルノー キャプチャー(現行型)
▲全長4125mm×全幅1780mm×全高1565mm。上級グレードのインテンスはルーフとボディ色が異なる2トーンとなる。2018年のマイナーチェンジでヘッドライトがLEDになった
▲前期型は一般的なオーディオが標準でカーナビはオプション。2018年のマイナーチェンジでスマホ連動型のオーディオが備わった。リアシートを前方にスライドさせるとラゲージ容量は455Lまで拡大できる。リアシートを倒せば1235Lにプジョーが208をベースに2008を開発したように、ルノーも同社のコンパクトハッチ・ルーテシアをベースとしたSUVを、ほぼ同時期にデビューさせた。
最低地上高はルーテシアより80mm高い200mmで、ライバルよりも高く悪路走破性は高い。日本では2014年2月より販売が開始された。
デビュー時は1.2Lターボ+6速AT(デュアルクラッチ)のみで、4WDの設定はない。
リアシートは160mmスライドが可能。上級グレードのインテンスは、ジッパー式シートカバーなので、外して自宅で洗濯できる。
ECOボタンを押すと、エンジントルクやレスポンスを制御して燃料消費を約10%抑えてくれる。
その他、装備面ではオートライトシステムやオートワイパー、クルーズコントロールが標準装備されるのはライバルとなる2008と同じ。
ルーフレールはないが、オプションのルーフバーを装備すれば、ルーフ上にスキーやスノボーを載せることができる。
2018年のマイナーチェンジでは、ライバル同様FFにも関わらず路面状況に応じて最適な駆動力を得られる機能の「エクステンドグリップ」が備わった。
デビュー時の車両本体価格はゼンが249万8000円、インテンスが259万8000円。
原稿執筆時点では、すべての物件が走行距離5万km未満にも関わらず、支払総額約110万円とお手頃な価格で見つけることができた。
サイズや仕様、お手頃感は前述の2008とほぼ一緒のため、見た目の好みで選んでもよいだろう。
▼検索条件
ルノー キャプチャー(現行型)×2014~2015年式×全国衝突被害軽減ブレーキを装備、4WDモデルも選べる
メルセデス・ベンツ GLAクラス(現行型)
▲全長4430mm×全幅1805mm、全高は1495mm~1535mm。最低地上高はグレードの「スポーツ」が140mm、ベースグレードが150mm、「オフロード」が180mmとなる
▲4WD車はディスプレイにステアリング舵角や登坂角などを表示する機能が備わる。カーナビなどはセンターコンソールに備わるコントローラーで操作する。ラゲージ容量は通常で421L、後席を倒すと1235Lになる(上の写真はマイナーチェンジ後)コンパクトハッチのAクラスをベースに開発された、同社の中で最小SUVとなるGLA。
最小とはいえ全長は4430mmと、上記フランス勢2台よりひと回り大きく、ヴェゼルやC-HRよりもちょっぴり大きい。
デビューモデルの最低地上高は140~180mm(グレードにより異なる)と、Aクラスより30mm~70mm高い程度に抑えられている。
日本では2014年5月より発売が開始された。
用意されたエンジンは1.6Lターボと、2Lターボ。どちらも7速AT(デュアルクラッチ)が組み合わされる。
2Lターボは4WDとの組み合わせのみ。この4WDシステムは滑りやすい路面はもちろん、コーナリング時も積極的に後輪にトルクを配分し、スポーティな走りが楽しめるというものだ。
さらに、4WD車には急な下り坂で一定の速度で下れる機能の「ダウンヒル・スピード・レギュレーション」も備わる。
全車に衝突被害軽減ブレーキを標準装備しているのも特徴。
2017年4月にマイナーチェンジが行われたが、主にエクステリアデザインの変更や、渋滞時でも自動で追従できる機能など先進安全機能の追加程度のため、前期モデルでも機能はほとんど遜色ない。
デビュー時の車両本体価格は344万~499万円。
原稿執筆時点で、支払総額200万円以下の中古車物件を見つけることができ、2WDと4WDの比率はほぼ半々。
上記フランス勢よりやや中古車価格は高めだが、衝突被害軽減ブレーキを装備していることや4WDがあることに魅力を感じる人にオススメだ。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ GLAクラス(現行型)×2014~2015年式×全国
ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はルノーのアヴァンタイムと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
あわせて読みたい
Eクラスが5代目なら200万円台で狙える? ベンツのプレミアムセダン、中古車状況やオススメの狙い方を解説
【爆増】ランクル250の流通台数が900台超え! トヨタのランドクルーザーシリーズの最新型中古車状況、オススメの狙い方を解説
【今が狙い目!】昨年2024年登場のメルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)の中古車平均価格が1年間で約70万円ダウン!オススメの買い方・選び方を紹介
X3が3代目なら200万円代前半で狙える? BMWの人気プレミアムSUV、中古車相場やオススメの狙い方を解説
“好き”をワガママに選ぶ。アートディレクターの最適解がマツダ CX-30なワケ
「もはや家!」200台限定の新型Gクラスが3500万円超えに絶望したあなたに贈る「1/3で買えるこの車、代わりにどうですか」5選
新型T-Rocが海外で発表されたけど初代なら100万円台で買える? 日本にぴったりのコンパクトSUV、中古車相場やオススメの狙い方を解説!
三菱の新型SUVがパジェロじゃなくてデスティネーターで落胆……それなら4代目パジェロをお得に狙うのはどう?
Cクラスワゴンが300万円台で狙える!? 1年で総額平均が70万円以上下落したプレミアムワゴンの中古車状況、オススメの狙い方を解説
「安っ!」2代目カイエンが200万円台だけど買いなの? ポルシェの大人気SUV、中古車相場やオススメの狙い方を解説









