どっちを買うべき? 4代目トヨタ ハリアーと2代目マツダ CX-5を比較
2022/03/11
▲2016年12月の登場から変更を繰り返して熟成した2代目CX-5と、2020年6月にデビューした4代目ハリアー4代目ハリアー VS 2代目CX-5! 気になる7つのポイントで比べてみた
ミドルクラスのクロスオーバーSUVを狙う人にとって有力な選択肢である、トヨタ ハリアー(4代目)とマツダ CX-5(2代目)。5名乗車、クーペを思わせる流麗なフォルム、居住性を重視したパッケージなど、多くの共通点がある。
競争が激しいカテゴリーだけに「どちらを買うべきか?」と悩む人も少なくないだろう。そこで、購入時に気になる7つのポイントを比較。両車の特徴を解説するので、ぜひチェックしてみてほしい。
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マツダ CX-5(2代目)×全国【サイズ】ボディサイズよりも室内の広さに注目
ともに3ナンバーサイズの両車ボディサイズは以下のとおり。ボディサイズではハリアーの方が大きいが、室内の広さはCX-5が上だ。
なお、両車ともグレード、仕様によるボディサイズの違いはない。

全長、全幅ともにハリアーの方が大きい。特に全長は200mm近くもハリアーが長いが、最小回転半径は両車ともに5.5m。数字よりも取り回しの差は感じないだろう。
▲ハリアーはAピラー位置を後退させ、良好な視界を確保している
▲CX-5はハリアーよりもわずかに背が高い。前後ウインドウも立ち上げて、キャビンを広げている注目なのはCX-5の室内高。50mmもハリアーを上回っている。当然、頭の周りに余裕ができるので、数字以上に車内を広く感じさせてくれるだろう。
また、CX-5の車内が広々としている理由は、そのフォルムにある。四角く、背高なので室内空間を大きく稼ぐことができているのだ。
▲ダッシュボードが張り出した内装デザインのハリアーは、室内長においてやや不利
▲CX-5の車内空間は後席着座位置からの視界も良好。ひざ前にも余裕がある【荷室】容量と長さ、どちらを優先するかが分かれ目
両車の荷室特性を踏まえると、
5名乗車時の荷室容量(VDA方式)はハリアーが409L+デッキボックス21L。CX-5が475L+床下のサブトランク30Lで、CX-5の方が大容量となっている。しかし、荷室寸法からは意外な事実が見えてくる。

後席収納時の荷室長は1610 mmで両車ともに同じ。しかし、後席を立ち上げるとハリアーの方が長く、荷室幅も広いのだ。
では、どこで荷室容量に差がついたのか? その答えは、荷室高だ。ハリアーは荷室が低く、特にリアゲートが傾斜しているため、容量が少なくなっているのだ。
▲ハリアーはスタイリングを優先したため、容量はCX-5に劣る。とはいえ、9.5インチのゴルフバッグを3つも積める。デジタルインナーミラー装着車なら荷室いっぱいに積めるのも強み
▲CX-5の荷室は開口部が大きく、荷物を積み降ろしするのも便利【内外装】両車の個性が内外装に強く反映されている
デザイン、カラーについては好みの分かれるところだが、
ハリアーの外装は流れるようなフォルムが最大の特徴。フロントグリルからヘッドランプ、ボディサイドへと流れるラインにより精悍な印象を際立たせている。
ボディカラーはオプションカラーを含めて7色。モノトーンが中心で、レッドマイカ、ブルーマイカも比較的落ち着いたトーンとなっている。
▲歴代のハリアーの面影を残しつつ、最新のトヨタらしさを感じさてくれるところにデザインの妙があるCX-5の外装は彫りが深くて躍動感がある。ボディカラーのラインナップはオプションカラーを含めて8色で、ハリアーに近い。ただし、レッドメタリックの色はビビッド、サンドメタリックという個性的な色もある。
▲CX-5はハリアーよりも背が高いが、地をはうようなデザインでそうは見せない内装に関しても両車のキャラクターはハッキリしている。ハリアーは高級セダンのような上質感を漂わせる。馬の鞍をイメージした大型コンソールなど包まれるような設計で、安心感が重視されている。
CX-5はエッジの効いたスポーティさが印象的。インパネは水平基調で、シンメトリーになっている。マツダらしく、ドライバーが運転に集中できる環境なのがポイントだ。
▲ハリアーの内装色はブラックが基本だが、注文でブラウン、グレーも選べる
▲CX-5の内装色はブラックが基本。上級仕様の「Lパッケージ」ではピュアホワイトのシート地も設定されている【パワートレイン】ユニットの特性に合わせて選ぶのが吉
ハリアーのパワートレインは2Lガソリンエンジンと、2.5Lガソリンエンジン+前後モーターのハイブリッドという2種類。CX-5は2L&2.5Lガソリンエンジン、2.2Lディーゼルエンジンという3種類をラインナップしている。
総合すると、
2Lガソリン車
最高出力:126kW(171ps)/6600rpm
最大トルク:207N・m(22.1kgf・m)/4800rpm
燃費(WLTCモード):14.7~15.4.km/L
ハイブリッド車
エンジン最大出力:131kW(178ps)/5700rpm
モーター最大出力:前88kW(120ps)+後40kW(54ps)
エンジン最大トルク:221N・m(22.5kgf・m)/3600~5200rpmエンジン モーター最大トルク:前202N・m(20.6kgf・m)+後121N・m(12.3kgf・m)
燃費(WLTCモード):21.6~22.3.km/L
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トヨタ ハリアー(4代目)×ガソリン×全国▼検索条件
トヨタ ハリアー(4代目)×ハイブリッド×全国
2Lガソリン車(2018年3月~)
最高出力:115kW(156ps)/6000rpm
最大トルク:199N・m(20.3kgf・m)/4000rpm
燃費(WLTCモード):14.6km/L
2.5Lガソリン車・2WD(2018年3月~)
最高出力:140kW(190ps)/6000rpm
最大トルク:252N・m(25.7kgf・m)/4000rpm
燃費(WLTCモード):13.0~13.8.km/L
2.5Lガソリンターボ車・2WD(2018年10月~)
最高出力:169kW(230ps)/4250rpm
最大トルク:420N・m(42.8kgf・m)/2000rpm
燃費(WLTCモード):12.2~12.6.km/L
2.2Lディーゼル車(2018年3月~)
最高出力:140kW(190ps)/4500rpm
最大トルク:450N・m(45.9kgf・m)/2000rpm
燃費(WLTCモード):16.6~18.6km/L
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マツダ CX-5(2代目)×ガソリン×全国▼検索条件
マツダ CX-5(2代目)×ディーゼル×全国
▲4代目ハリアーではハイブリッドの駆動方式をフルタイム4WD(E-Four)とFFから選択できるようになった
▲CX-5の2.2Lディーゼル「スカイアクティブ-D2.2」は2020年12月のマイナーチェンジで出力が10ps向上競合となる2Lガソリン車のみ。このパワーユニット同士で比べるとハリアーの方が高出力&大トルクだ。ただし、CX-5には2.5Lガソリン車、さらに2018年11月以降のモデルでは2.5Lガソリン・ターボ車も用意されている。ガソリン車でパワーを重視する人はそちらを選ぶのが良い。
一方で、ガソリンエンジン以外ではトヨタとマツダ両メーカーの個性が色濃く出ている。ハリアーのハイブリッドはハイパワーでありながら低燃費。CX-5のディーゼルはビッグトルクで、軽油ならではの経済性も魅力だ。
【走行】ハリアーは静粛性、CX-5はハンドリングが決め手
ハンドリングや乗り心地はクロスオーバーSUVが特にしのぎを削っている分野だ。ハリアーとCX-5はともにハイレベルで、甲乙つけがたい。
しかし、あえて言うなら、
ハリアーの得意分野は静粛性とハイウェイ・クルージングだ。特にハイブリッド車は秀逸。滑るような乗り味と、しっとりとした操縦安定性は欧州製SUVにも匹敵する。数あるトヨタ車の中でもトップに近いクオリティに仕上がっている。
▲リアサスペンションにダブルウィッシュボーン式を採用するハリアーの走りは、重厚感が魅力CX-5の走行性能もハリアーに勝るとも劣らないが、乗り心地と安定性よりもややハンドリングを重視している。電子制御で車両姿勢を安定させる「G-ベクタリングコントロール(2018年11月以降のモデルに標準装備)」はよく利き、操舵性も向上。運転がうまくなったような感触を覚えさせてくれる。
▲CX-5はシャシー性能に加えて「G-ベクタリングコントロール」など電子デバイスの力も積極的に活用【装備】先進安全装備だけでなく快適装備も違いが明確
CX-5も十分以上の装備が設定されているので不足はないが、
ハリアーは歩行者、自転車まで検知できる先進安全装備「Toyota Safty Sense」や全車速追従機能付きのレーダークルーズコントロールを全車に標準装備。ハンズフリーのパワーバックドアを上級グレードに装備するなど、快適装備も抜かりない。
もちろん、快適装備はグレードによって差別化されているが、ガソリン車でもハイブリッド車でも同じ設定となっているのもポイントだ。
▲デジタルインナーミラーを採用。従来のデジタルインナーミラーに、新たに追加した前方カメラとデジタルインナーミラー用後方カメラが捉えた走行中の映像を、SDカードに録画する機能を新たに搭載CX-5はマツダ車として初めて0-100km/h対応のレーダークルーズコントロール、歩行者検知機能付きの衝突被害軽減ブレーキなどが標準装備されている。ただし、新車価格帯がハリアーより安いこともあり、ハンズフリーパワーリフトゲートなどの快適装備はオプションとなっていることが多い。
▲標識認識機能は最高速度、はみ出し通行禁止、一時停止、車両進入禁止の標識を認識し、ディスプレイに表示。ただ、一時停止と車両進入禁止は約60km/h以上だと作動しないなお、2018年3月のマイナーチェンジ前モデルでは、ガソリン車に設定されていない装備もある。中古車購入時は注意が必要だ。
【中古車価格】どのパワーユニットにするかで選択肢は変わる
現状では
両車の新車時価格と、カーセンサー掲載物件の中古車平均価格は次のとおりだ(2022年3月2日現在)。
新車時価格:299万~504万円
中古車平均価格:412.7万円
新車時価格:267.9万~375.1万円
中古車平均価格:250.2万円
ハリアーは2020年6月に登場したばかりで大きな変更は今のところない。一方で、CX-5はデビューから5年の間に何度かマイナーチェンジが行われており、生産時期によって中古車価格も異なる。
最初期の2016年12月~2018年2月生産モデルは中古車平均価格が227.9~231.4万円。2018年3月~同年10月生産モデルは239.6万円で、ターボモデルが追加された2018年11月~2020年11月生産モデルで260.5~280.6万円。それ以降のモデルでは300万円以上となっている。
新車時価格が違うので当然だが、CX-5は中古車でもハリアーよりも身近な存在となっている。
▲ハリアーの駆動方式別流通量において、フルタイム4WDの比率は6%弱。中古車市場にある物件のほとんどがFFだ選択肢の多さでも狙いやすさはCX-5が圧倒的に有利だ。ただ、忘れてはならならのはパワートレインの違い。中古車掲載台数をみてみよう。
995台(2Lガソリン車798台/ハイブリッド197台)
2156台(2Lガソリン車281台/2.5Lガソリン車201台/2.5Lガソリンターボ車52台/2.2Lディーゼル車1622台)
ハリアーはハイブリッド車よりもガソリン車の比率が高く、CX-5はディーゼル車が圧倒的に多い。そもそもハイブリッドとディーゼルは一方の車種にしか設定されてないので選択の余地はないが、その流通量には注目すべきだ。特にハリアーのハイブリッドは現在の状況では選択肢が少ない。選ぶなら、こまめに物件の掲載情報をチェックしよう。
一方でガソリン車を望むなら、ハリアーとCX-5のどちらも選ぶことができる。ただ、そうは言ってもハリアーの場合、ガソリン車のボリュームゾーンは400万~450万円だ。
▲CX-5では30%程度の中古車がフルタイム4WDなのも要注目だ。なお、新車時におけるFFと4WDの価格差は23万円ほどだった▼検索条件
トヨタ ハリアー(4代目)×全国▼検索条件
マツダ CX-5(2代目)×全国この記事で紹介している物件
トヨタ
ハリアー 2.0 Z バックカメラ クリアランスソナー レーンアシスト パワーシート ナビ オートマチックハイビーム オートライト 電動リアゲート アルミホイール スマートキー 電動格納ミラー AT USB
本体価格328.8万円
支払総額338.8万円
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