フォルクスワーゲン T-Rocの中古車平均価格が1年ちょいで40万円以上ダウンしているが、買っても大丈夫? そして今の狙い目は?
2022/06/14
▲本国ドイツでも、そしてここ日本でもヒット作となったフォルクスワーゲンの都市型SUV T-Roc。バリバリの人気現行モデルですが、その中古車平均価格がこの1年で40万円以上下がっています現行型人気SUVの平均価格がなぜ、1年で約48万円も下がったの?
フォルクスワーゲン T-Rocは、ハッチバックの世界的定番であるフォルクスワーゲン ゴルフとよく似たサイズのSUV。
厳密にいうとちょっと違うのですが、ざっくりいうのであれば「ゴルフのSUV版」であり、本国でも日本でも爆売れ中の大人気モデルです。
そんな大人気の現行モデルであるフォルクスワーゲン T-Rocなのですが、その中古車平均価格はここ1年で40万円以上も下落しています。
下の表をご覧ください。

2021年1月時点の平均価格は374.2万円で、そこからなだらか~に下落していると思っていたのですが、気がついたら1年後の2022年1月には326.4万円。そして直近4月にはやや上がりましたが、それでも328.1万円と約46万円もの下落をマークしているのです。
バリバリの現行型で、なおかつ大人気の「SUV」というジャンルに属するモデルが50万円近くも安くなったならば「……買うしかない!」と一瞬盛り上がるわけですが、冷静になって考えてみると“裏”もありそうな気もします。
例えば、「新車で何らかの故障が頻発しているから、中古車価格も安くなった」なんてこともあるのかもしれません。
……実際はどうなんでしょうか? つまり、この1年間で40万円以上も安くなったフォルクスワーゲン T-Rocは「買い」なのか、それとも「やめといた方がいい」なのか?
以下、もろもろ検討してみることにしましょう。
▲こちらが2020年7月に発売されたフォルクスワーゲン T-Roc。同社の「ゴルフ」とおおむね同じぐらいのサイズとなる前輪駆動のSUVだ▼検索条件
フォルクスワーゲン T-Roc(現行型)×全国ゴルフと同じくらいのサイズ感のSUV
まずは、フォルクスワーゲン T-Rocという車についての簡単なおさらいを。
フォルクスワーゲン T-Rocは、日本では2020年7月に発売されたCセグメント(カローラぐらいのサイズ)のSUV。ボディサイズは全長4240mm×全幅1825mm×全高1590mmで、同じフォルクスワーゲンのゴルフとおおむね似た寸法です。
国産SUVでいうと、スバル XVより「24cmぐらい短くて、2.5cmぐらい幅が広い」という、ちょっとユニークなプロポーションですが、結論としては非常にちょうどいいサイズ感です。最小回転半径も5.0mということで、ひと回り小さなSUVであるトヨタ ライズと同じぐらい小回りが利く車でもあります。
▲全幅と全高はスバル XVあたりとおおむね同じだが、全長はぐっと短いというユニークなプロポーションを採用しているフォルクスワーゲン T-Roc導入当初の搭載エンジンは最高出力150psの2L直4ディーゼルターボで、トランスミッションは7速DSGという、フォルクスワーゲン自慢の高効率なAT。
最初はこのディーゼルターボのみで販売されたT-Rocでしたが、発売から約1年後の2021年5月にはガソリンの1.5L直4ターボエンジンが追加されています。
最新世代のフォルクスワーゲン車ですから、T-Rocは当然ながら運転支援装備も充実。
全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロールとレーンキープアシストに加えて、後方死角検知機能や後退時警告・衝突軽減ブレーキ、さらに歩行者も検知可能なプリクラッシュブレーキシステム(いわゆる自動ブレーキ)は全車に標準装備。そして衝突時や被追突時に自動的に10km/h以下にまで減速するポストコリジョンブレーキシステムや6エアバッグなど、二次被害を防止する装備も全車標準となっています。
ちなみにT-Rocとよく似た名前のフォルクスワーゲン T-CrossというSUVもあるのですが、こちらはT-Rocよりもひと回り小さなモデルです。かなりざっくりいいますとゴルフのSUV版がT-Rocで、ゴルフよりひと回り小さなハッチバックであるフォルクスワーゲン ポロのSUV版がT-Crossである――ということになります。
▲写真は「TDIスタイル デザインパッケージ」の運転席まわり。3種類のインテリアカラーが設定され、シート柄とダッシュボードのパネルなどが同じ色でコーディネートされる
▲同じくTDIスタイル デザインパッケージのフロントシート
▲Cピラーの傾斜がきついクーペ的なフォルムを持つT-Rocだが、荷室容量は445Lとなかなかのもの。フロアボードが可動式で、荷室を「深底」にすることもできるT-Rocの平均価格が下がった理由は「自然現象」?
以上のとおりなかなか魅力的な、いやかなり魅力的なスペックを有するCセグSUVのフォルクスワーゲン T-Rocですが、それなのに、中古車価格はこの1年で50万円近くも下落しました。
……もしかしたら、T-Rocには何か大変な“持病”のようなものがあって、それがために価格が下がってしまったのでしょうか?
結論から申しますと、フォルクスワーゲン T-Rocに“持病”はありません。いや機械ですから「完全無欠で絶対に壊れない!」なんてことはありませんが、エンジンのどこかが特に弱いとか、DSGというトランスミッションがすぐ壊れるとか、電装品でエラーが発生しまくるとか、そういったことはいっさいありません。そういった意味では「普通の車」です。
それなのになぜ、フォルクスワーゲン T-Rocの平均価格は大きく下がったのでしょうか?
答えは「それは自然現象である」ということになります。
時間が経過し、そして時間の経過とともに“数”が増えると、モノの平均価格はどうしたって下がっていくというよくある自然現象が、フォルクスワーゲン T-Rocにおいても起こっただけの話なのです。
下のグラフをご覧ください。

こちらのグラフは2020年7月にフォルクスワーゲン T-Rocが発売され、その中古車が同年9月に市場に現れてからの「流通量の推移」を示したものです。
登場初年である2020年の9~12月は、まだ「出たばかりの新車」であったT-Rocの中古車は、全国で20~40台ぐらいしか流通していませんでした。この時期の中古車平均価格は、新車価格と大差はありません。
しかし翌年、2021年の春前からT-Roc中古車の数は激増し、同年秋頃には最初のピークに達しました。そしてこの頃、T-Rocの平均価格は直近とおおむね同水準まで落ちています。
当初は30台ぐらいしか流通していなかったT-Rocの中古車が、約1年で300台以上までイッキに増えた理由はなんだったのでしょうか?
当初は30台ぐらいしか流通していなかったT-Rocの中古車が、約1年で300台以上までイッキに増えた理由はなんだったのでしょうか?
おそらくこれは、「デモカー(正規販売店の試乗車)が市場に放出された」ことが背景にある可能性が高いです。
▲全国各地のディーラー試乗車や、写真のような試乗会などで使われる「広報車」などがお役御免となり、中古車市場に放出されたことで、フォルクスワーゲン T-Rocの平均価格はイッキに下がった?ディーラーの試乗車というのは、いつまでも販売店に置かれているものではありません。発売から半年か1年がたつと、「中古車市場に放出する」または「お客用の試乗車ではなく従業員用の社用車として使う」というコースのいずれかをたどることになります。
で、フォルクスワーゲン T-Rocの中古車流通量が激増した2021年の春から秋というのは、ちょうど「試乗車がお役御免になるタイミング」です。
そしてフォルクスワーゲンの正規販売店は全国に約250店舗あります。その全店舗がT-Rocの試乗車を用意していたわけではないでしょうが、250店舗のうちの多くがT-Rocの試乗車を中古車市場に流すと、ちょうどこのようなグラフとなるのです。
実際に掲載されている物件を見ても、極端に走行距離が短いものも多く、また「デモカー」や「試乗車」、「社用車」などのワードで検索すると結構な台数がヒットするため、この推論もあながち的外れではないと言えるでしょう。
つまり、結論として「フォルクスワーゲン T-Rocの平均価格がこの1年で40万円以上も下がったことに、特にネガティブな理由はない」ということですので、どうか普通に安心してT-Rocのお値打ちな中古車を探していただければと思います。
しかし、様々なグレードが存在するT-Rocの中の、果たしてどれが「お値打ち」なのでしょうか?
以下、具体的に考えてまいりましょう。
なるべくお安く手に入れたいなら、「TDIスタイル デザインパッケージ」がオススメ!
フォルクスワーゲン T-Rocという大人気のSUVをなるべく安く手に入れるなら、初期の最もベーシックなグレードだった「TDIスタイル」を選ぶべきですが……こちらは人気がなかったようで、現在の中古車流通量はなんと0台です。
しかし、そのひとつ上の「TDIスタイル デザインパッケージ」であれば、総額290万~320万円ぐらいという、新車価格よりも断然お安い価格で走行数千kmレベルの1台が楽勝で見つかります。
▲新車時に白または黒のルーフを選ぶことができた「TDIスタイル デザインパッケージ」「TDIスタイル デザインパッケージ」というグレードは、非常にトルクフルな2Lディーゼルターボエンジンを搭載する点ではTDIスタイルと同一ですが、白または黒の2トーンルーフやLEDヘッドライト、16インチではなく17インチのホイール、スマートエントリーシステムやリアビューカメラなどが追加されています。
これの走行0.2万kmからせいぜい1万kmぐらいの「元試乗車」と思しき個体が、総額290万~320万円ぐらいで多数出回っていますので、ぜひ注目していただきたいと思います。
▲「TDIスタイル デザインパッケージ」以上のグレードであれば「パワーテールゲート」は標準装備▼検索条件
フォルクスワーゲン T-Roc(現行型)×総額290万~320万円×「TDIスタイル デザインパッケージ」×全国なるべく高コスパなものをを手に入れたいなら、「TDIスポーツ」がオススメ!
前述した「総額300万円前後のTDIスタイル デザインパッケージ」でも十分以上に高コスパな選択かと思いますが、さらなるコスパを目指したい場合には、上から2番目のディーゼルターボグレードである「TDIスポーツ」がいいでしょう。
▲扁平率50の18インチタイヤおよび18インチホイールが標準装備される「TDIスポーツ」こちらは専用のスポーツシートに加えて「パークディスタンスコントロール」と「オプティカルパーキングシステム」、ナビゲーションを含むインフォテインメントシステム「Discover Media」が標準装備されている上級グレードです。
TDIスポーツよりもさらに上の最上級グレード「TDI R-Line」というのもあるのですが、こちらはエクステリアがやや大げさで、ホイールも19インチとゴツく、そしてそもそも中古車価格もやや高め。
そのため、ここは「TDIスポーツこそが高コスパ!」と言い切って良いでしょう。そしてもちろん、ガソリンターボのTSI系と違ってディーゼルターボエンジンですので、燃料費が比較的安く済むというのも高コスパなポイントです。
そんなTDIスポーツは、TDIスタイル デザインパッケージより少しお高くはなるのですが、総額320万~350万円あたりのゾーンで、これまた元試乗車と思しき好条件な1台が多数出回っています。
▼検索条件
フォルクスワーゲン T-Roc(現行型)×総額320万~350万円×「TDIスポーツ」×全国以上のとおり、もちろん高年式の現行モデルですから「激安!」ということは決してないのですが、国産同クラスのSUVを新車で買うのと同程度か、むしろそれよりもお安い予算で、走行数千km程度の「大人気輸入SUV」が狙えることがおわかりいただけたかと思います。
比較的コンパクトでありながら車内は広く、しかしスタイリッシュで、そしてフォルクスワーゲンらしいシュアな走りが堪能できるT-Rocは本当にナイスなSUVです。
ぜひこの機会に前向きに検討してみることを、強くオススメいたします。
▼検索条件
フォルクスワーゲン T-Roc(現行型)×全国
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
この記事で紹介している物件
フォルクスワーゲン
T-Roc TDI スポーツ ディーゼルターボ 純正ナビ バックカメラ フルセグTV ブルートゥース ルーフレール 純正フロアマット ACC レーンキープアシスト ブラインドスポットディテクション プリクラッシュブレーキ ETC2.0
本体価格304.2万円
支払総額308.8万円
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