「ミニクロスオーバーは後悔するからやめとけ」は本当か? 輸入中古車評論家がお答えします!
2023/06/03
▲車種名で検索をかけると、「やめとけ」「後悔する」などのキーワードがたくさん出てくるミニ クロスオーバー。しかし、あのSUVは本当に「やめておくべき1台」なのでしょうか? 正味のところを、輸入中古車評論家がズバリ申し上げます!ミニクロスオーバーは後悔するからやめとけと言われたが……?
以前書いた記事『ミニクーパーやめとけは本当か?』に登場した筆者の姪っ子から、今度はミニクロスオーバーに関する相談がLINEで届きました。
「ミニクロスオーバーが気になるんだけど、ネットで『やめとけ』『後悔する』と書かれていて……相変わらず輸入中古車評論家として活躍(?)してる叔父さんはどう思いますか?」
なかなか難しい問いであり、きちんと話そうとすると長くなるのですが、結論だけをここで申し上げると、以下のとおりとなります。
「確かに初代ミニ クロスオーバーは、中古車を買うなら慎重に選んだ方がいい案件ではある。だが慎重に選びさえすれば、『絶対やめとけ、後悔するぞ!』みたいな話にはならない」
以下、筆者から姪っ子へのLINEの返信をおおむね再現する形で、「ミニ クロスオーバーの真実」をお伝えしましょう。
▲デザインも走りもステキな初代ミニクロスオーバー。もしもヤバくないのならぜひ注目したい1台だが、実際はどうなのだろうか?【概要】そもそもミニ クロスオーバーとはどんな車か? 世代別に紹介!
2011年1月に発売された初代ミニクロスオーバーは、第2世代のミニ ハッチバック(2007~2014年)をベースに作られたクロスオーバーSUV。
「MINI」ゆえにさほど大柄なSUVではありませんが、ミニファミリーの中では最も大きな全長4105mm×全幅1790mm×全高1550mmのボディと、ミニとしては初めての“4枚ドア”が与えられたため、居住性や実用性、積載性はまずまず十分です。
最もベーシックな「ワン」には最高出力98psの1.6L自然吸気エンジンが搭載され、中間グレードの「クーパー」は同122psまで強化された1.6L自然吸気を搭載。そして最上級の「クーパーS」と4WDの「クーパーS ALL4」には同184psの1.6Lターボエンジンが搭載されました。
▲初代ミニ クロスオーバーのエクステリアはおおむねこのような感じ。写真のグレードはクーパーS ALL4
▲2代目ミニ ハッチバックのプロポーションを程よく拡大。バックドアの開閉は、中央にあるMINIのエンブレムを押して操作する
▲インテリアデザインの世界観やディテールは同世代のミニ ハッチバックとほぼ同様
▲荷室容量は350~1170L。リアシートは前後スライドとリクライニングが可能だ2013年1月に最高出力218psの「ジョンクーパーワークス」というスポーツグレードを追加したのち、2014年9月にマイナーチェンジを実施。内外装デザインを少し変更するとともに、2種類の2Lディーゼルターボエンジンを追加。「クーパーD」には最高出力112ps、「クーパーSD」には同143psのディーゼルターボユニットが搭載されました。
▲2014年9月のマイナーチェンジで微妙に変わったビジュアルがこちら。写真のボディカラーは後期型から登場した「ジャングルグリーン」ハッチバックのミニが2014年4月に第3世代へ移行すると、ミニクロスオーバーもやや遅れて2017年2月、第3世代ミニをベースとする2代目(現行型)へのフルモデルチェンジを実施。
2代目ミニクロスオーバーは初代よりもホディサイズがひと回り大きくなり、数値的には全長4315mm×全幅1820mm×全高1595mmに。外観デザインは基本的に初代をおおむね踏襲していますが、ボディサイズの拡大により居住性は向上。荷室容量も、初代より100L増えて450Lになっています。
当初のパワーユニットは2種類の2Lディーゼルターボ(最高出力150psまたは190ps)と、1.5L直3エンジンにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドの計3種類。ちょっと遅れて最高出力231psの強力な2Lガソリンターボを搭載する「ジョンクーパーワークス」が追加され、2017年10月には最高出力105psのベーシックな1.5L直3ガソリンターボを積む「ワン」も追加。
そして2020年9月に内外装のブラッシュアップを中心とするマイナーチェンジが行われ、そのまま今日に至る――というのが、初代および2代目ミニ クロスオーバーの大まかなヒストリーです。
▲日本では2017年2月に発売された2代目ミニ クロスオーバー
▲ボディサイズは初代と比べておおむねひと回り大きくなり、後席レッグスペースにも余裕が生まれた
▲同世代のミニ ハッチバックとよく似たインパネまわりだが、エアコン吹き出し口が縦長なのは、車高がやや高いミニ クロスオーバーならではのポイント【第1世代】ビギナーなら格安車は避け、予算を上げてもしっかり整備された個体を選ぶべし
ネット上で「やめとけ」「買うと後悔する!」的に言われているのは、ほとんどがこの第1世代、「R60」という型番で呼ばれることが多い初代ミニクロスオーバーでしょう。
確かに初代ミニクロスオーバーの中古車には、やっかいな事態になっている可能性がある個体も存在します。
エンジンオイルが燃焼室に入ってしまい、混合気と一緒に燃えてしまう「オイル下がり」という症状を起こし、マフラーから白煙をあげている個体。
タイミングチェーンという重要な部品を司る「チェーンガイド」という部品が、この世代のミニはなぜかプラスチック製であるため、それが破損してエンジン内部にばらまかれ、エンジンからゴロゴロという異音を発生させている個体。
FRM(フットウェルモジュール)というライトを制御するユニットが壊れ、ヘッドランプが点灯しっぱなしになったり、パワーウインドウが不動になっている個体。
そしてこれは有名な話ですが、後期型から登場したディーゼルターボエンジンの内部に煤が溜まりまくってしまい、エンジンが絶不調に陥っているディーゼルターボ車……。
こういった症状はすべて「直せば直るもの」ではありますが、その作業にはけっこうなお金と手間がかかります。そんな状態の中古車を買ってしまった日には、確かに「やめとけ」「後悔するぞ」的なことを言いたくもなるでしょう。
▲もちろん全部が全部そうなわけではないが、「やっかいな問題」を抱えている初代ミニ クロスオーバーも一部には存在しているそれゆえ初代ミニ クロスオーバーを購入する際には――あくまで基本的には――下記を確認しながら物件選びを行う必要があります。
●エンジンをかけた後、マフラーから怪しい白煙があがっていないか?
●エンジンをかけた後、エンジンルームから「ゴロゴロ……」という怪しい異音は聞こえてこないか?
●タイミングチェーンガイドやチェーンテンショナーの交換履歴、あるいはFRMの交換履歴を、整備記録簿や伝票などから確認できるか?
●そもそも1~2年に一度、ディーラーや専門工場で定期点検を受けてきた履歴を確認できるか?
●その中古車は、全体として「ヨレっとしたムード」を内外装から醸し出していないか?
とはいえ……これらの症状などが展示場で確認できればいいのですが、様々な事情により確認できないこともあります。また、「機械の詳しいことはわからない!」という方もいらっしゃるでしょうし、「今はまだ大丈夫だけど、数ヵ月後には症状が出るかも」という絶妙な(?)タイミングにある中古車も、きっとあるでしょう。
つまり「選び方・その1」で紹介した手法は、完璧ではないのです。だからこそ筆者は、文中で「あくまで基本的には」と申し上げた次第です。
▲本調子でさえあれば、きわめて気持ちよく走ることができるSUVなのだが……ならばどうすればいいかというと……これはもう「信頼できそうな販売店で、それなりの値段を出して“整備済み”または“状態の良い中古車”を買う」しか方法はありません。
格安物件を中心に扱う販売店が、たまたま仕入れた格安な初代ミニクロスオーバー クーパーDのエンジン内に溜まった煤をていねいに取り除き、高額なFRMを新品に交換し、タイミングチェーンのガイドとテンショナーも入庫時に対策品へと交換した――という可能性も、決して0%ではないでしょう。
しかし、「その可能性は低い」と推測する方が合理的です。なぜならば、例えば総額70万円程度で売る初代ミニクロスオーバーに対してそこまでの手間とお金をかけていたら、ビジネスとしてはたぶん成り立たないからです。
しかし「信頼できる販売店」や「正規ディーラーの中古車部門」は、文字どおり顧客からの信頼と信用こそがある意味すべてですので、「変なモノを売るわけにはいかない」という姿勢を基本としています。
どこまで整備の手を入れているかはケース・バイ・ケースですが、少なくとも「明らかにマズいモノ」は販売しないよう心がけているはずです。まぁその分だけ、決して格安ではない場合が多いのですが。
▲正規ディーラーや良心的な専門店では、少なくとも「オイル下がりを起こして白煙を吹いている初代を、そのままの状態で納車する」ということはまずないそのためーー特に姪っ子のような中古車ビギナーが購入を検討しているならーー結論としてはおおむね以下の手順を踏みながら吟味することが、初代ミニクロスオーバーの購入においては重要となります。
1. まずは販売店の方に「初代ミニ クロスオーバーは『やめとけ』と言われることも多いようですが、この物件はぶっちゃけどうなんでしょうか?」的に、率直かつていねいに尋ねてみる。
2. それに対する返答が曖昧だったり、抽象的な“勢いだけ”だったりした場合はパスする(つまりその店では買わない)。
3. 「○○は×年×月に交換してますし、□□はご納車までには交換します。そして△△は、走行距離と年式、および現在の状態から推測すると、おそらくはまだ大丈夫かと思います。もちろん中古の機械ですので断言はできないのですが」といったニュアンスの具体的な返答があり、なおかつ「それでも、わからないものはわからない」という中古車の真理をきちんと言える販売店であれば、検討態勢に入る。
4. 物件を仔細にチェックし、内外装のコンディションと整備履歴の良さ、そして前述した「白煙」や「異音」などがないことが確認できたら、購入する。
……こういったダンドリを踏めば、おそらくは大丈夫でしょう。もちろん中古の機械ですので、断言はできないのですが。
▼検索条件
ミニ ミニクロスオーバー(初代) × 全国【第2世代】「中古車チェックの基本」にのっとって確認すればOK
「F60」という型番で呼ばれることの多い第2世代の現行型ミニクロスオーバーは、現時点では特に故障しやすい車ではありません。
ただし、現在も新車で購入することができる現行型モデルゆえ、中古車平均価格は約310万円とやや高めで、おそらく我が姪っ子にとっては検討の範囲外となるでしょう。
しかし、初代に比べると中古車選びのハードルは大きく下がり、「内外装に手荒く扱われた痕跡はないか?」「車内に嫌なにおいが染みついてないか?」「エンジンや足回り、パワーステアリングなどから異音は発生してないか?」「主に正規ディーラーで定期点検と整備を受けてきたか?」など、中古車としての基本的なチェックを行い、そのチェックに通過した物件ならば、おそらくは問題なく維持できるはずです。
ご予算に余裕があれば、ぜひ2代目ミニクロスオーバーも検討対象に加えてみることをオススメします。
▲2代目(現行型)の場合は、比較的高年式で低走行なものであれば、特に神経質になる必要はない▼検索条件
ミニ ミニクロスオーバー(2代目・現行型) × 全国初代はいくぶん慎重に選ぶべき車種だといえますが、ちゃんとした物件でさえあれば、ミニクロスオーバーは初代も2代目も本当に楽しく、なおかつ実用的な車でもあります。
過剰にビビるのではなく、適切にビビりながら=慎重に吟味しながら、ぜひ「これぞ!」という1台を見つけ出してください。幸いなことに、中古車の流通量は非常に豊富です。
▼検索条件
ミニ ミニクロスオーバー(初代&2代目) × 全国
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
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