X3(現行型)▲昨年末にデビューしたばかりの現行型X3。中古車市場にはすでに80台以上が流通、価格も新車時より大幅に安くなっている

日本市場で人気のX3、新型が中古車市場に

まだデビューしたばかりだと思っていたBMW X3の現行型(4代目)が、さっそく中古車市場でオトクな価格に!?

X3はBMW Xシリーズの中でも特に売れ筋のSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル。BMW流SUVの呼称)。2024年11月に7年ぶりのフルモデルチェンジで4代目となった。

BMWらしいスパッとした乗り味、実用性の高さはさらに磨かれ、ワンクラスアップした印象に。同時に新車価格帯も代を追うごとに高くなっているが、中古車市場では総額600万円台前半で狙える物件も。現行型の輸入SUVを欲しいと思っている人にとってビッグチャンスなのでは?

今記事では、BMW X3(4代目)のモデル概要とともに、現在の中古車状況を解説。オススメの狙い方を紹介していこう。
 

X3(現行型) ▲優れたパッケージによる実用性の高さも人気の理由だ

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BMW X3(4代目)
 

モデル概要:未来的な外観と卓越した運動性能が魅力

Xシリーズの中では比較的コンパクトなモデルとして、日本でも高い人気を得てきたX3。4代目のボディサイズは従来型から全長34mm、全幅29mm拡大され、一般的なミドルサイズSUV以上の車格となった

一方で全高は25mm低くなり、乗用車ライクなフォルムに。これは重心や空気抵抗を下げるのが狙いだろう。

外観はどちらかというとコンベンショナルなデザインだった従来型から大きくイメージチェンジ。バンパーレスで曲面的な造形となったフロントマスク、縦だけでなく斜めの線が採り入れられたキドニーグリルなど、斬新な意匠となっている。
 

X3(現行型) ▲X3(4代目)のボディサイズは全長4755mm×全幅1920mm×全高1660mm

インテリアについてもメーターとコントロールパネルを一体化させた「BMWカーブド・ディスプレイ」やトグルスイッチ式ギアセレクターを新たに採用するなど、これまた斬新。外観とともに未来感を強く印象づけるデザインだ。

X3(現行型) ▲インパネ中央部から運転席前まで伸びるディスプレイが印象的

搭載されるパワーユニットは2L直4ガソリンターボ、2L直4ディーゼルターボ、3L直6ガソリンターボの3種類で、グレードもそれに対応したものとなっている。

「20 xドライブ xライン」
2L直4ガソリンターボエンジンを搭載するグレード。標準仕様のサスペンション、高級感重視の内外装を採用。

「20d xドライブ Mスポーツ」
2L直4ディーゼルターボを搭載するグレード。スポーツ仕様のサスペンションや内装を採用。

「M50 xドライブ」
3L直6ガソリンターボを搭載するスポーツモデル。

パワーユニットはいずれも48Vマイルドハイブリッド仕様。モーターのアシスト量はわずかで、エンジンの風味を損なわない範囲だ。

路面状況をつぶさに感じ取れるハンドリング性能や切れ味鋭いコーナリング性能についてはさすがBMWというところで、車高の高さを全く感じさせない。標準仕様の「xライン」、スポーツ志向の「Mスポーツ」、ホットモデルの「M50」でそれぞれ異なる乗り味となっている。

X3(現行型) ▲荷室容量は570~1700Lと十分。コンビニフックも備わる
 

価格状況&考察:今後も流通量アップ&価格ダウンが続きそうな気配

新車価格798万~1008万円とかなりの高価格帯となったX3(4代目)。

しかし、中古車平均支払総額は2025年1月から7月までの半年で105.4万円もダウンしている。現時点で700万円台まで下がっており、オトク感が一気に増している状況だ。
 

X3(現行型) ▲X3(4代目)における2025年1月~7月の中古車支払総額推移

中古車流通量が順調に増えているのも一因だ。現時点で延べ掲載台数は95台前後で、間もなく100台を超えるだろうと予想できる。

X3(現行型) ▲X3(4代目)における2025年1月~7月のカーセンサー掲載台数推移

中古車の走行距離別分布では3000~5000kmがボリュームゾーンとなっていることを見ると、展示車両や試乗車が中古車市場へと一気に流れ込んできた……ということでもなさそう。X3はもともと人気モデルであり、全体のボリュームが多いために中古車流通量も増えている、と判断してよさそうだ。

安いものでは、走行距離わずかで総額600万円台前半の物件も。それらも含め、以下でオススメの狙い方を解説していこう。

 

オススメの狙い方①:ベーシックなガソリン車なら総額600万円台から狙える!

BMW X3(4代目)で最もリーズナブルなグレードが「20 xドライブ xライン」。中古車市場でも同様だ。

2L直4ガソリンエンジン搭載の「20 xドライブ xライン」は小気味よい加速感が味わえるモデル。ベーシックグレードながら新車価格798万~808万円だけあって内装は豪華、安全装備や機能装備の内容も全く不満ない。

X3(現行型) ▲2Lガソリン車は快適さを重視した乗り味

総額600万円台の物件では、ほとんどがこのグレードだ。しかも多くが走行距離5000km未満で、新車の香りが残っている物件も多そう。

価格の一例を挙げると、2025年式・走行距離4000kmの「20 xドライブ xライン」で総額624.9万円。コンフォートパッケージ、ハーマンカードン・サウンドシステムも付いて、この価格は驚き!

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BMW X3(4代目)× 20 xドライブ xライン
 

オススメの狙い方②:ディーゼル車も流通量は十分

従来型よりも大型になり、車体も重くなったX3(4代目)。これはトルクの太いディーゼルの出番では、と思った人は勘が鋭い。実際人気のようで、中古車市場でも過半数をディーゼルが占めている。

「20d xドライブ Mスポーツ」に搭載されるエンジンは2Lという排気量ながら400N・m(40.8kg・m)という大きなトルクを発生するもので、SUVらしいアクティブな走りを楽しみたい人にぴったり。燃費も16.3km/L(WLTCモード)と悪くない。

X3(現行型) ▲新車価格ではガソリンの「20」より60万円高い「20d」

中古車価格帯は総額690万円前後から。ガソリン車よりも若干上がるが、新車価格858万~868万円であることを考えると、こちらもオトク感が高い。

例えば、2024年式・走行距離1.2万kmの「20d xドライブ Mスポーツ」で総額687.6万円。スポーツ仕様のサスペンションでBMWらしいハンドリングを堪能できるのも魅力だ。

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BMW X3(4代目) × 20d xドライブ Mスポーツ
 

オススメの狙い方③:せっかくならトップグレードを狙いたい、という人に

最高出力381ps、最大トルク540 N・mという強烈なスペックのエンジンを搭載する特別なモデルが「M50」だ。物件数は10台前後と少ないながら中古車市場にも流通している。

新車価格では998万~1008万円となっているが、中古車市場では総額800万円台後半から狙える。例えば2025年式・走行距離7000kmの「M50 xドライブ」なら総額858.8万円。

ワンオーナー車や元モデルカーなど、コンディションの良い物件も少なくない。いずれも走行距離は1万km未満なので、新車を狙っている人も食指を動かされるはずだ。

X3(現行型) ▲インテリアのカラーリングもスポーツモデルであるM専用のもの

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BMW X3(4代目) × M50 xドライブ

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BMW X3(4代目)
文/田端邦彦 写真/BMW
※記事内の情報は2025年8月20日時点のものです。
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。