Cクラスワゴン ▲新車だと700万円を軽く超える5代目メルセデス・ベンツ Cクラスワゴンが、ここ1年間で中古車平均支払総額が約70万円下落しています。もし本気で「現行型のCクラスワゴン」を狙うなら、どんなグレードをいくらぐらいで探すべきなのでしょうか?

結論として、今オススメのグレードは?

様々な意味できわめてプレミアムでありながら、きわめて実用的にも使えることで人気を博している5代目メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン。その中古車平均支払総額が1年間で70万円以上ダウンしています。

これはなかなかうれしいニュースではあるのですが、わりと多種多様なパワーユニットとグレードが用意されているCクラスワゴンだけに、「結論としてどれを選べばいいのか?」というのは、いまひとつわかりにくい問題かもしれません。

そこでこの記事では、5代目メルセデス・ベンツ Cクラスワゴンのモデル概要をあらためておさらいするとともに、直近の中古車状況とオススメグレードを検討してみることにしましょう。
 

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メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン(5代目)
 

モデル概要:全長4.8m弱の扱いやすいプレミアムステーションワゴン

日本では2021年6月に発表された現行型メルセデス・ベンツ Cクラスワゴンは、同車としては通算5代目にあたるDセグメントのステーションワゴン。

ボディサイズは全長4785mm×全幅1820mm×全高1455mmで、エクステリアはラインやエッジを大幅に削減し、曲線を多用する彫刻的な面構成を採用しているのが特徴。

Cクラスワゴン▲こちらが5代目メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン
Cクラスワゴン▲先代モデルと比べて全長が55mm、全幅は10mm拡大されている。荷室容量は5名乗車時が490Lで、最大1510Lまで拡大可能

ヘッドランプは「デジタルライト」と呼ばれるユニットで、片側あたり130万個もの微小な鏡で光を屈折させて照射する仕組み。ハイビーム使用時に対向車などに光が当たらないようにする精度は、従来モデルと比べて飛躍的に高まっています。
 

Cクラスワゴン▲前走車や対向車を気にすることなく、最大レベルの明るさを手に入れることができる「デジタルライト」は、C180系を除く全車に標準装備

インテリアデザインでは、ダッシュボードが上下2段構造となり、下部は11.9インチの縦型メディアディスプレイとトリムがセンターコンソールに向けて途切れなく続いています。

そしてメーターパネルは12.3インチの大型液晶タイプで、対話型インフォテインメントシステム「MBUX」が全モデルに標準装備になる他、AR(拡張現実)を活用したナビゲーションシステムも全車にオプション設定されました。
 

Cクラスワゴン▲中央の11.9インチ縦型メディアディスプレイは、ドライバーに向けて6度傾けられている。ステアリングのコントロールパネルはすべてのスイッチがタッチセンサー式で、指先で軽くタップするだけで操作可能

ステーションワゴンに当初用意されたパワーユニットは、最高出力204ps/最大トルク300N・mの1.5L直4ガソリンターボと、同200ps/同400N・mとなる2L直4ディーゼルターボの2種類。

いずれも、エンジンと変速機の間に最高出力20psのISG(モーター機能付き発電機)を使ったマイルドハイブリッドシステムを採用しています。そして登場から約半年後の2022年2月には、最高出力170ps/最大トルク250N・mという控えめなスペックの1.5L直4ガソリンターボを追加し、これを「C180 アバンギャルド」に搭載しました。

5代目Cクラスワゴンでは先進運転支援システムも、当然ながらアップデートが図られました。車線維持支援システム「アクティブステアリングアシスト」は360度カメラも加えることで車線中央の維持能力が向上し、緊急自動ブレーキなどからなる「アクティブブレーキアシスト」は右左折時の対向、飛び出し、巻き込みでの衝突の危険も検知できるようになっています。
 

 

中古車状況:2024年末以降、中古車価格は下降トレンド。流通量もまずまず豊富

2024年はおおむね横ばい傾向が続いていた5代目メルセデス・ベンツ Cクラスワゴンの中古車平均支払総額でしたが、2024年末になるとついに500万円台へ突入。

そこからは順調な下降トレンドに転換し、2025年8月時点での平均価格は550.1万円までダウンしています。

Cクラスワゴン▲2024年9月から2025年8月までの中古車平均支払総額推移
 

そして中古車の流通台数も300台に迫る勢いであるため、基本的には「探しやすい状況」になっていることは間違いありません。そして平均価格はまだ500万円台ですが、カーセンサーnetを見てみると、総額300万円後半付近の予算で狙える物件も増加している状況です。

それでは次章以降、「オススメの狙い方」を具体的に検討してまいりましょう。
 

 

中古車のオススメ①:価格重視で狙うなら300万円台後半からのC180系

「とにかく、なるべく安く現行型メルセデス・ベンツ Cクラスワゴンを入手したい!」と考える場合は総額370万~420万円ぐらいのゾーンで、つまり総額400万円前後にて、2022年2月に追加されたエントリーグレード「C180」系を狙うのが定石となります。
 

Cクラスワゴン▲「C180」と名が付く各グレードは、最高出力180psの1.5L直4ガソリンターボエンジンを搭載する
 

総額400万円前後の価格帯で、同じ1.5L直4ガソリンターボでも高出力なタイプを搭載しているC200系や、力強い2L直4ディーゼルターボを搭載するC220d系を狙うことも、決して不可能ではありません。

しかし、この予算帯ではそれらの流通量はかなり少ないため、比較的豊富なC180系の中からコンディションなどを吟味しつつ選ぶ方が、結果として幸せになれる可能性は高まるでしょう。

最高出力180ps/最大トルク250N・mとなるC180系であっても、普通に公道を走らせる分には力不足を感じることはなく、装備内容も、5代目Cクラスの売りである「デジタルライト(ウルトラハイビーム付き)」が装着されない点以外は、上級グレードと比べてもほぼ遜色ありません。

そんなC180系は標準モデル(C180 アバンギャルド)とC180 アバンギャルド AMGラインパッケージに大別され、AMGラインパッケージの方にはスポーツサスやAMGラインエクステリア、18インチAMG5ツインスポークアルミホイール等々が装着されています。

どちらを選ぶかはお好み次第であり、「MP202202」などのややこしい数字も、かなり細かな仕様の違いを識別するために使われているメルセデス・ベンツ社内のコードナンバーでしかないため、あまり気にする必要はありません。
 

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メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン(5代目)×C180系
 

中古車のオススメ②:コスパ重視で狙うなら総額400万円台の低走行なC200系

コスパ重視で、つまり「なるべくいいモノを、なるべくお安く!」と考えるのであれば、走行距離1万km台までのC200系を、総額430万~490万円付近で探してみるのが得策となるでしょう。
 

Cクラスワゴン▲C180系と同じ1.5L直4ガソリンターボながら、C200系の各車は最高出力204psとなる
 

前章で提案したC180系ももちろん悪くないのですが、C200系になると15.L直4ガソリンターボエンジンの出力も余裕のあるものに変わりますし、現行型Cクラスの売りである「デジタルライト(ウルトラハイビーム付き)」も標準装備となります。

そんなC200系の新車時価格は、一番人気のグレードであるC200 アバンギャルド AMGライン(ISG搭載モデル)の場合で700万円以上だったわけですが、それの走行距離1万km台の物件を総額400万円台半ば程度で入手できるのであれば、「コスパは非常に高い」と判断していいはず。

こちらの場合も、標準グレード(C200 アバンギャルド)にするか、それともAMGライン(またはAMGラインパッケージ。途中で名称が変更されただけ)付きを選ぶかは好みの問題でしかなく、「MP202301」などの細かい数字も、基本的には気にする必要がありません。

コンディションの良し悪しだけに注目しながら、これぞという1台を探し出してください。
 

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メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン(5代目)×C200系×総額500万円未満
 

中古車のオススメ③:総額500万円前後のC220 d系にもぜひ注目を

5代目メルセデス・ベンツ Cクラスワゴンの中古車は、2025年9月上旬現在で約180台が流通しており、そのうちの半数強を1.5L直4のガソリンターボ車が占めています。

しかし、逆を言うと半数弱は2L直4ディーゼルターボエンジン車であり、「OM645M」というこのディーゼルターボエンジンは、力強さの面でも経済性(燃費性能の高さと燃料価格の安さ)の面でも、大いにオススメしたいパワーユニットです。
 

Cクラスワゴン▲低回転域からきわめて力強く、WLTCモード燃費も18.2km/Lとなかなか優秀なC220d系
 

そんな2L直4ディーゼルターボエンジンを搭載する「C220 d」系は総額400万~730万円のゾーンで約80台が流通中。総額600万円以上を目安とする予算で走行距離が数千kmレベルの2024年式を狙うのももちろん素敵ですが、そこまで予算をかけずとも総額450万~550万円付近にて、走行距離2万km台までのC220 d アバンギャルドあるいはC220 d アバンギャルド AMGライン(またはAMGラインパッケージ)が普通に見つかるはず。

内外装に手荒く扱われた痕跡がない物件でさえあれば、このあたりの価格帯でも十分に「メルセデス・ベンツならではの良さ」が味わえますし、レザーエクスクルーシブパッケージやパノラミックスライディングルーフなどの高額オプションが装着されている物件であれば特に、メルセデス・ベンツ特有のゴージャスで上質な世界観を堪能できるでしょう。
 

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メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン(5代目)×C220 d系×総額600万円未満

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メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン(5代目)
文/伊達軍曹 写真/メルセデス・ベンツ
※記事内の情報は2025年9月9日時点のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。