三菱 デリカミニ(新型)▲今秋の発売が発表され、ティザーサイトもオープンした新型となる2代目デリカミニ。パッと見では初代モデルとの区別がつかないかも

新型発表、でも初代も十分魅力的なのでは

今秋発売予定の新型三菱 デリカミニ(2代目)が発表された。初のフルモデルチェンジということで、早速ティザーサイトをチェックしてみると……。

おや、外観のイメージは初代にかなり近い様子、というかほとんど見分けがつかない。初代はカッコかわいい見た目が人気となって大ヒットしたのだから、キープコンセプトなのは当然か。

詳細についてはまだ未発表であるものの、中身は当然進化しているはず。とはいえ、初代がデビューしたのはわずか2年前で、相変わらず魅力的であることは間違いない。

そのうえ中古車市場も充実! 流通台数が2300台にまで増え、中古車平均価格も順調に下がってきた。この記事ではデリカミニ(初代)の魅力を改めて振り返るとともに、新型との違いを解説。

さらに中古車市場の概況を踏まえたうえで、オススメの狙い方を見ていこう。

 

三菱 デリカミニ(現行型) ▲こちらは初代モデル。クロスオーバーSUVとしてアクティブに走れるだけでなく、車内空間の広さもデリカミニの魅力

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三菱 デリカミニ(初代)
 

モデル概要:マルチパーパスな軽クロスオーバー

初代デリカミニは2023年にデビュー。基本設計を前身モデルのeKクロス スペースとほぼ共通のものとしながら、外観を大胆にイメージチェンジした。小型犬のような愛らしさと、SUVらしいたくましさをあわせもつデザインとなっている。タフなイメージの「デリカらしい」ラギッド感もポイントだ。

パワーユニットは自然吸気660ccガソリンエンジンをターボエンジンの2種類を用意。どちらもモーターが駆動力をアシストするマイルドハイブリッド仕様となる。駆動方式は、FFと4WDが用意された。

4WDシステムは簡易な方式だが、不整地走行時にはグリップコントロールやヒルディセントコントロールといった電子制御で機能を補う。燃費への影響を最小限に抑えた現代的なシステムと言えるだろう。

「e-assist」や「マイパイロット」など、先進的な安全装備・運転支援機能も積極的に採用されている。
 

三菱 デリカミニ(現行型) ▲水平基調のデザイン、インパネシフトで運転席まわりはスッキリしている印象

初代デリカミニがもつ大きな魅力のひとつが、広大な車内空間だ。子供なら立てるほど車内は高く、前後シート間距離にもたっぷり余裕がある。

特に軽自動車でありながら、320mmものスライド量を確保した前席は立派。シートや荷室床を撥水、防水としてアウトドアでの使い勝手にも配慮されている。
 

三菱 デリカミニ(現行型) ▲助手席シートバックを倒せばフルフラットになる。後席スペースも十分に広い
三菱 デリカミニ(現行型) ▲上位グレードには前車追従式の先進的なクルーズコントロールを装備
 

初代と2代目の比較:モデルチェンジしたが初代の見劣り感はない

新型はどれだけ良くなっているのか、気になるところ。ここでは初代と新型である2代目の違いを見比べてみたい。なお、現時点ではまだ2代目の詳細なスペックは発表されておらず、限定的な情報であることはご了承を。

まず外観について、大人気となったカッコかわいい路線は変わらず。にらみを利かせた半円形ヘッドライトや縦桟のフロントグリル、スキッドプレート風処理といった特徴的なディテールもほぼそのままだ。
 

三菱 デリカミニ(現行型) ▲初代デリカミニのフロントデザイン
三菱 デリカミニ(現行型) ▲新型となる2代目デリカミニのフロントデザイン

ただしヘッドライトは大きく、ボンネットはより厚くなり、全体的に“かわいさ”が増されている感あり。イメージキャラクターの「デリ丸」に寄せてきたような気がしないでもない。
 

三菱 デリカミニ(現行型) ▲新型デリカミニのリアビュー。サイドシルガード風のデザイン処理、抑揚あるボディパネルが印象的だ

インパネまわりの風景については、デジタル式のメーターパネルとナビ用ディスプレイを一体化したワイドモニターが印象的。ステアリングのデザインも一新され、より未来的なイメージとなっている。

パワーユニットは初代のマイルドハイブリッドから、新型ではモーターなしの純エンジンへと変更された。それでも燃費性能は従来同様の数字がキープされているという。詳細なスペックについては今のところ不明だ。

ボディサイズ、車内空間については、軽自動車の規格内だけにおそらく大きな違いはないだろう。ただ、シートをフラットにした際の段差をより小さくするなど、細かな改良点は数多い。
 

三菱 デリカミニ(現行型) ▲初代デリカミニのインパネ。ターボ車にはパドルシフトが備わる
三菱 デリカミニ(現行型) ▲2代目デリカミニのインパネ。ステアリング前のメーターとナビ画面が一体化されたワイドなディスプレイが目立っている

新型と初代で最も異なる点はおそらく乗り味だ。新型ではショックアブソーバーやスタビライザー、各部ブッシュにいたるまでサスペンションが大幅に見直され、乗り心地、特に不整地での快適性が大きく改善されたそう。このあたりはベース車となるeKスペースのモデルチェンジに合わせたもので、かなり期待できそうだ。

シフトレバー横に走行モード・ダイヤルが新設されたのも変更点のひとつ。路面状況に合わせてグラベルやスノーといった走行モードを選べるようになり、走る楽しさが増している。

総じて言うと、新型は初のフルモデルチェンジにふさわしく、あらゆる面が正統に進化している……と言えそう。ただ基本的なデザインやコンセプトは大きく変わっていない。初代の人気の秘訣はデザインに由来する部分も大きいはずだ。だからこそ新型が登場した後でも、初代の新鮮味とその魅力が失われたわけではないはずだ。

では、初代の中古車の市況はどうなっているのか。早速見ていこう。
 

 

中古車概況:流通量が急伸! 平均価格も順調にダウン

結論から言うと、初代デリカミニの中古車は今まさにオイシイ時期を迎えている。

デビュー直後から最近まで、少しずつ中古車市場での流通量を増やしてきた初代デリカミニだが、ここにきて急伸。2025年6月時点の延べ掲載台数が2000台前後だったのが、その後2ヵ月で約300台も増えている。

2300台という延べ掲載台数は、登場から2年少ししかたっていないモデルであることを考えるとかなり多めの数字だ。おそらくは新車の販売が順調であることの影響だろう。
 

中古車流通量だけでなく中古車平均支払総額も順調にダウン。極端な変動こそないものの、デビュー直後から継続的に下がり続け、2025年8月時点で214.6万円となった。
 

カーセンサーnetを見てみるとリーズナブルなものでは、総額150万円前後で狙える物件もある。その一方で、登録済未使用車などの良コンディション物件も豊富だ。

今後も新型の発表を受けて乗り替えが進み、さらに流通量が伸びる可能性も。ここからは中古車としての魅力が増している今、どんな狙い方がオススメなのかを紹介していこう。
 

 

オススメの狙い方①:価格重視で「G」グレード

リーズナブルに初代デリカミニを手に知れたいなら、「660 G」グレードが圧倒的に狙い目だ。

ターボなしの標準グレード、つまり最もベーシックなグレードとなる「660 G」だが、初代デリカミニはもともとeKシリーズの中でも上位に位置づけられるモデルだけに、基本設計や装備内容は決して悪くない。

具体的には助手席側電動スライドドアや「e-assist」といった機能は上位グレードと同じ。撥水シートも備わっている。自然吸気エンジンはパンチ力こそないものの、発進時などはモーターが適度に利いてくれて、実用上の不足なし。WLTCモード燃費20.9km/Lという低燃費も魅力だ。
 

三菱 デリカミニ(現行型) ▲「660 G」は外観も上級グレードとほとんど見分けがつかない

ということで「660 G」の中古車を検索すると、320台前後の物件がヒット。ベーシックグレードの物件数は少なめとなるのが一般的だが、デリカミニ(初代)は流通量全体のボリュームが多いために、どのグレードも狙いやすい。

価格の一例を挙げると、2024年式・走行距離0.2万kmの「660 G(FF) 寒冷地仕様」で総額146.5万円。新車価格が約180万円なので、なんと50万円+諸経費分も安く手に入る計算だ。これはオトク!
 

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三菱デリカミニ(初代) × 660 G系
 

オススメの狙い方②:便利装備満載の「T プレミアム」を狙う

デリカミニ(初代)におけるセールスポイントのひとつである「マイパイロット」も含めたフル装備を望むなら最上級の「T プレミアム」が最良の選択だろう。

助手席側だけでなく運転席側にもパワースライドドアを装備するなど、装備内容では軽自動車の域をすでに超えている。ターボエンジンならではの痛快な加速感も大きな加点ポイントだ。
 

三菱 デリカミニ(現行型) ▲プレミアム系グレードにはマルチアラウンドビューモニターが付くため、サイドアンダーミラーレス仕様となる

中古車市場での流通量も十分。全体の約36%が「T プレミアム」となっており、800台以上の物件が見つかる。

価格の一例を挙げると、2024年式・走行距離0.1万kmの「T プレミアム(4WD)」で総額185.9万円。走行距離極少の良コンディションにもかかわらず、新車価格から40万円近く+諸経費分が安いのは驚きだ。ちなみに同グレードのうち、約6割が4WD車。SUVらしくアクティブに使いたい人にもオススメのグレードだ。
 

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三菱 デリカミニ(初代) × T プレミアム系
 

オススメの狙い方③:登録済未使用車も今なら豊富

間もなく旧型になってしまうとはいえ、まだデビューから2年ちょっとしかたっていない初代デリカミニ。登録済未使用車など、新車に限りなく近いコンディションの中古車も少なくない。その多くはおそらく、店舗の試乗車やデモカーなどだろう。

デリカミニ(初代)全体の中から登録済未使用車をチェックすると、950台近い物件がヒットする。グレードも「G系」から「T プレミアム系」まで幅広い。
 

三菱 デリカミニ(現行型) ▲シャモニーなどの特別仕様車も人気だ

例えば2024年式・走行距離7kmの「660 G(FF)」の登録済未使用車なら総額159.9万円。当時の新車価格より約20万円安いことになる。

「Tプレミアム(FF)」登録済未使用車の場合でも総額200万円前後から狙える状況。新車に近いコンディションの物件を少しでも安く手に入れたい、という人は今がラストチャンスかも。
 

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三菱 デリカミニ(初代)× 「登録済未使用車」
文/田端邦彦 写真/三菱自動車
※記事内の情報は2025年9月10日時点のものです。
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。