クルマと人は本当に良い関係になれるのか? どこまでAIと人は寄り添えるのか|【次世代の自動車を考える いまどき・これからのクルマ学】
カテゴリー: トレンド
タグ: メルセデス・ベンツ / Aクラス / EDGEが効いている
2019/04/10

新型Aクラスに採用されたMBUXの人気が凄い
昨年10月にフルモデルチェンジを行った4代目となるメルセデス・ベンツ Aクラスの人気が凄い。
数ヵ所のディーラーを訪れた印象では、特に新規の顧客、また子育てファミリーも意外と多い。
人気の理由は数多くあるが、話題となっているのは「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」と呼ぶ新しいUIである。
誰もが知る人気声優が「ハイ、メルセデス」と話しかけるCMの上手さからも車という商品が新しい時代に突入したことを鮮烈に印象づけた。
このMBUX、「AI(人工知能)が学習し、成長する」点が魅力のひとつだが、「AIと聞けば何でもできるのでは」と過剰な期待をユーザーにもたせてしまうのはパソコンの黎明期と非常に似ている。
実際に操作してみると認識率自体は結構高く、方言で話しかけても実用性は十分確保されている。
ただ日々増え続けていくであろう要望や語彙に対しリアルタイムに認識し処理するのではなく、一定の情報が蓄積された後アップデートする点などから、AIというにはやや物足りない部分がある。
もちろんAI自体は存在しており、システムの使われ方を常時チェックしてクラウドに蓄積するという方式を取っている。
それでも「寒いんだけど」と言えば空調の温度を上げてくれるし、さらに認識用マイクが2つ付いていることからもその発話が運転席側なのか助手席側なのかを判断し調整するなど従来のものよりは進化を感じた。
それではAIはどこまで人に寄り添うことができるのだろうか。どうしても自動運転の領域にいきがちだが、AIにも自動運転同様にレベルが存在する。
その中で考えると自動車のような“特化型”AIはまだまだレベルとしては低く、前述した蓄積データの中からルールなどを設定&学習して答えを導き出す、いわゆる「判断軸」がなければ自動運転には応用できないと考える。
AIが判断できる項目はそれこそ膨大ではあるが、単に音声を認識し機能を動かすだけではなく、今後求められるのは「感情」を分析する力だろう。
いわゆる乗員の“喜怒哀楽”を読み取ることが、結果として運転における「安全と安心」につながるはず。
まだまだハードルが高い車両AIの世界ではあるが、1年後にはあっと驚くレベルに達することは間違いない。
※カーセンサーEDGE 2019年3月号(2019年1月26日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
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