新型ゴルフ登場に見る、中古車市場の動向とは?【いまどき・これからの車学】
カテゴリー: トレンド
タグ: フォルクスワーゲン / ゴルフ / EDGEが効いている
2021/07/07
▲新型モデルが登場すると、買い替えなどにより旧型の中古車流通量が増加することで中古車マーケットの動きが活発になります。今回は、6月に新型が発売されたゴルフをリサーチしてみました(写真はフルモデルチェンジした新型ゴルフ)新型ゴルフ8の陰でお買い得感が増した旧型
2021年2月9日から事前受注をスタートし1ヵ月で1000台を超え、発表日となった6月15日の段階では約2500台を受注したのが、新型フォルクスワーゲン ゴルフ。
8世代目となる新型は、半導体不足などによりスタートダッシュが懸念されたが、まずは順調な滑り出しと言っていいだろう。
一方で、新型の受注好調の陰で中古車、特に旧型となったゴルフ7の動きが活性化していることを見落としてはいけない。
▲2013年にフルモデルチェンジを受けた、旧型となる7代目ゴルフ。ゴルフらしいシンプルなスタイルながら、ロングノーズ化などによりワンランク上の高級感を備えている。写真は2013年4月から2017年4月までの前期型モデル
▲インテリアの質感も高く、オプションながらレーンキープアシストやアダプティブクルーズコントロールなどの安全装備が採用されている。併せて、ダウンサイジングコンセプトにのっとった、小排気量エンジンが搭載されている今回、新型発表の約2ヵ月前から中古車の相場やディーラーに訪問取材をすることで旧型の動きをリサーチしていたが、ティザーキャンペーンを含め、新型の情報が広まるにつれ旧型の中古車の売れ行きも活発となり、買い得感の高い物件が多く流通してきた。
実際この原稿執筆時の6月末で、すでに目を付けていた「超」が付きそうな良質な物件はすでに売約済みであったりするのだが、それでも相場の推移と流通量の変化を観察していると、買い得車のポイントが見えてくる。
約8年にわたり販売された旧型だが、5ドアハッチバックモデルの場合、2017年5月に実施されたマイナーチェンジ前後で大きな違いがある。
▲旧型ゴルフ7は、2017年にマイナーチェンジで後期型(写真)へと進化。フロントバンパーとヘッドライトのデザインなどが変更されている
▲後期型は、液晶メーターやディスプレイの大型化など、インターフェイスの進化がポイント。渋滞時追従支援システムなど先進装備も進化している前期型では、純正のインフォテインメントシステムである「Discover Pro」の画面サイズが8インチであったが、後期型ではタッチパネルの9.2インチにサイズアップしていることが大きい。
また、LEDヘッドライトは後期型から一部採用となるなど、マイナーチェンジ時のアップグレードは充実している。
ゴルフに限ったことではないが、輸入車では年次改良や特別仕様車が積極的に市場投入される。一概に言うのは難しいが、旧型ゴルフの場合は前期モデルの流通量が全体の約6割で、最も多いのは特別仕様車なども多く追加された2016年式である。
こちらの平均価格は140万円前後で、新型を購入するために手放された物件もそれなりに多いと思われる。品揃えと価格のバランスからも、この年式の物件が狙い目といえよう。
一方で、後期型の場合はあえて新型ではなく、装備が充実した旧型の物件を狙っている層の動きが見られる。
▲2019年に特別仕様車として登場したマイスター。パークアシストやパークディスタンスコントロールが標準装備となっているマイナーチェンジ後の後期型で最も流通量が多いのは2018年式だが、中でも同年4月に導入した「Tech Edition」が特に狙い目である。前述した進化型Discover Proとフルデジタルメーターの“Active Info Display”やコネクテッド機能などを搭載し、買い得感を大幅にアップさせているモデルだ。
2019年6月には、さらに安全装備などを充実させた特別仕様車である「Meister(マイスター)」が発売されているが、現在の相場では「Tech Edition」と「Meister」の価格差は大きい。装備の違いはあれど、2018年モデルの「Tech Edition」の買い得感が圧倒的に高いのである。
「Meister」は最終的にカタログモデルのメインとなっているが、このタイミングで手放す人が少ないのか、2019年以降の物件数は40台にも満たない。
実際にディーラーで話を聞いてみても、「Tech Edition」をはじめとした買い得感の高いモデルは勢いよく売れているとのこと。
▲歴代ゴルフに設定されているハイパフォーマンスバージョンのGTI。ゴルフ7には、さらに高性能なGTIパフォーマンスやRなども用意されていた
▲ステーションワゴンのゴルフ ヴァリアント。ゴルフの基本性能はそのままに、広いラゲージ(通常605L)で積載性を高めている。なお、2013年に登場したモデルがヴァリアントの5代目となる今回の分析は5ドアハッチバック車がメインだが、流通量がハッチバックの約半分となるヴァリアント(ステーションワゴン)でもその傾向はうかがうことができる。
また、ハイパフォーマンスモデルであるGTIやGTE、また4MOTIONのようなクロスオーバー系モデルは、流通量の少なさから大きな相場変動は見られないが、その他のグレード、特に1.4Lエンジンを搭載した「ハイライン」系のコスパが良くなってきており注目のモデルと言えるだろう。
新型は、電動化やインフォテインメントの領域で格段の進歩を果たしているが、その一方でやや上昇気味の新車時の車両価格がネックになっているという声も聞かれる。
その点からも、コスパを重視した初めての輸入車としての入門車ならば前期型、新型に負けない装備の充実度なら後期型、といった切り口で購入を検討してみると面白い。
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