【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、残価設定ローンを語る
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2013/05/15


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フツーのサラリーマンが最新アウディに乗れている理由
「政府統計の総合窓口(e-Stat)」によれば日本人有業者の約83%がサラリーマン(給与所得者)で、その平均年収は国税庁「平成23年分 民間給与実態統計調査」によると409.0万円。男性サラリーマンに限ったデータでも503.8万円とある。何というかこう、大変フツーなご収入である。
人様のサイフの中身をあげつらって何が言いたいかといえば、「その割に、街にはビカビカの高年式輸入車が多い」ということだ。
筆者は200万円ほどのド中古イタリア車に乗っているわけだが、世間を見渡してみれば、時価にしてその倍は下らないビカビカな輸入車があふれている。「なるほど、世の中にはお金持ちが多いのだな」とナイーブに思っていたが、先の統計資料を見る限り、どうやらそうとも言いきれないようだ。失礼ながら。
なのになぜ、世間にはこれだけの高年式輸入車があふれかえっているかと言えば、答えは簡単で、多くの者が「残価設定ローン」を利用しているのだ。
残価設定ローンとは、車両価格の一部を据え置いた金額でとりあえずローンを組み、据え置いた金額については「ま、最終支払い月を迎える頃に改めて検討しましょう」とするタイプの自動車ローンだ。売却時の査定額が(基本的に)保証されているクローズドタイプと、そうでないオープンタイプがあり、中古車の残価設定ローンはたいていの場合オープンタイプである。
筆者が各地の正規ディーラーに取材したところによれば、「7割から8割のお客様は残価設定ローンを利用され、月々のお支払額は2万円台となる場合が多いですね」というのが典型であるようだ。
人気モデルの人気色を選んでおけば(たぶん)査定額も鉄板
なんということだ。月々2万円台なら筆者にも払えるではないか。それにより、ド中古イタリア車ではなくビカビカの高年式ドイツ車あたりに乗れたはずではないか。騙された気分である。
しかし残価設定ローンにも問題がないわけではない。走行距離に関して割と厳密な線引きがあり、ある一線を超えると極端に査定額が下がって清算時にアジャパーとなる可能性があるため、いちいち距離を気にしながら乗らねばならぬのだ。
しかし思うのは「それを踏まえても残価設定ローン、いいんじゃないですか?」ということだ。筆者のように仕事で車を使う人間は怪しいイタリア車であってもガンガン距離を伸ばしてしまうが、会社員の方は、自家用車に乗るのは主に休日が中心。その場合、年間走行距離はせいぜい8000kmにも達しないのではないか。その点で言えば、多くの残価設定ローンで売却時に大きなマイナス査定となるのは「1年あたりの走行距離が8000kmを大きく超えている個体」。ということは、都市部の会社員が典型的な使い方をする限り、走行距離問題はさほど問題にならないのだ。
さらについでに言えば、人気ブランドの人気色、具体的に言えば例えばアウディの白や黒を買っておけば、売却時の査定額は「鉄板」とすら予想できる。どうせ2年や3年もすれば、人の気持ちは変わる。別の何かに乗りたくなる。ならば期間を定めた残価設定ローン、悪くないではないか。
ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
売れ筋モデルの人気色で残価設定ローン、使ってみる?
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