今や「ATだから退屈」という時代ではまったくありません
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2015/01/09
MTのルーテシアは確かに軽快だが、実はAT版の方がスポーティ
過日、1月8日(木)に発売となるルノー ルーテシアの追加グレード「ルーテシア ゼン(0.9Lターボ/5MT)の試乗会にお邪魔してきた。なかなかステキな車だった。
詳しいスペックなどはカーセンサーEDGEnetのカタログ等をご参照いただきたいが、これまでの現行ルーテシアが1.2L直噴ターボ+DCTなのに対し、こちらは0.9Lの非直噴ターボエンジン+5MTとなるグレードだ。1.2L仕様と同寸のコンパクトなボディに軽量な3気筒エンジンを搭載しているということで、0.9L版ルーテシア ゼンの車両重量は1130kgと、最近の車としてはかなり軽量。それを余計なモノが介在しないMTで操るのだから、ただそれだけでルーテシア ゼン(0.9Lターボ/5MT)は「軽快な車!」として人に感銘を与える。
しかし、それと同時に思ったのは、「これならオートマ(DCT)の1.2Lでも全然十分かもしれないな。や、むしろそっちの方が個人的には好きかもしれない」ということだった。
ルーテシア ゼン(0.9Lターボ/5MT)は軽量+MTということで確かに軽快な走りが楽しめる車だったが、その3気筒エンジンは「スポーティ!」というものではなく、「縁の下の力持ち」的な穏やかさを感じる、どちらかというと街中をキビキビと走るタイプのエンジンである。それゆえ、トランスミッションがオートマではなくMTだからといって、いきなり全体が超スポーティな快感仕様になるわけではない。
単純に「スポーティ!」「ダイレクト感!」といった類の魅力を現行ルーテシアに求めるなら、MT版よりもむしろオートマ(DCT)の1.2Lモデルを選ぶのが正解だと筆者は考える。それほどあの1.2L直噴ターボのトルク感とピックアップの鋭さは素晴らしく、またDCTのパドルを適切にパコパコしながら右へ左へ、あるいは上へ下へと駆けぬける際の現行ルーテシアの挙動は快感である。

ニューモデルの試乗レポートを行うコーナーではないのでこのへんでやめておくが、要するに言いたいのは「今や“MT=スポーティ、AT=退屈”という単純な時代ではない」ということだ。退屈なMT車もあれば、やたらダイレクトで快感たっぷりなAT車もあるのが、2015年というこの時代である。
で、「やたらダイレクトで快感たっぷりなAT車」といえば、今、筆頭格はこの2モデルだろう。
まずは既出の現行ルノー ルーテシア。

1.2Lモデルであれば、グレードはGTでもインテンスでもゼンでも構わない。中古車を探す際は程度と、ボディカラーおよび装備的な好みで選べば十分だ。とにかく素晴らしく軽快であり、同時にほのかな重厚感というか貫禄もある。
そして現行ルーテシアと同列に並べたいのがフィアット 500のツインエアだ。

こちらのトランスミッションは現行ルーテシアのようなツインクラッチ式ではなく、シングルクラッチの「デュアロジック」。それゆえ4気筒版のフィアット 500では基本的に街中でのギクシャク感がついて回るのだが、なぜか2気筒ツインエアのそれはほぼギクシャク感ゼロ。理由は不明だが、とにかくそうなのだ。フィアットのデュアロジックに悪印象があり、その既成概念からツインエアに試乗してみないまま避けていた人は、ぜひだまされたと思ってオートマのフィアット 500 ツインエアに試乗してみていただきたい。まるで豆鉄砲が炸裂したかのような痛快な走りに「もうコレしかない!」と、感銘を受けるだろう。
以上2台が不肖筆者の考える「やたらダイレクトで快感たっぷりなAT車」だが、変化球としてはクライスラーのイプシロン ツインエアもいいだろう。以前はイタリアのランチアブランドとして売られていたコンパクトカーである。

中身はほとんどフィアット 500のツインエアと同じなので、まったく同様の「豆鉄砲炸裂感」を存分に堪能することができる。残念ながら新車はイマイチ売れておらず、結果として中古車相場も激安。ケース・バイ・ケースではあるが、同条件のフィアット 500 ツインエアより30万円以上安く狙えることも多いだろう。
ということで今回のわたくしからのオススメは「やたらダイレクトで快感たっぷりなAT車」である現行ルーテシアの1.2L版とフィアット 500 ツインエア、そしてクライスラー イプシロンだ。
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- Car:ルノー ルーテシア&フィアット 500&クライスラー イプシロン
- Conditions:AT&修復歴なし
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