日本でわざわざ輸入車に乗る意味は「ちょっと古いフランス車」に聞け!
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2015/06/11

コンビニスイーツに負けない専門店のお菓子、そして最新マツダ車に負けない輸入車とは?
近頃の「コンビニスイーツ」は本当に凄い。せいぜい100円から250円ぐらいの低価格だというのに、下手なお菓子屋さん顔負けな味である。それらをモリモリ食べながら思うのは、「こうなると町のお菓子屋さんは大変だなぁ……」ということだ。いわゆるお使い物として買う場合はさておき、自分で食べる用としては、わざわざ高いお金を出して専門菓子店で買う意義を見いだせなくなるからだ。
また、「それと同様のことが輸入車にも言えるよなぁ」とも近ごろ考えている。
これまで輸入車のアドバンテージというか、わざわざ日本でそれを買う意義は「走りが良い(特に高速域で)」とか「デザイン性が高い」といった点にあると考えられてきた。
しかし最近の日本車はほとんどどれも走りが良く、そして特に新世代のマツダ車は、デザイン性においても一部輸入車を凌駕した観がある。
まぁ、デザインというのはその道の専門家が見る場合は別として、筆者のような素人の場合は「単なる好き嫌いの発露」という側面も大きいのかもしれないが、それにしても最近のマツダ車はステキだ。特にCX-3など、どう考えてもドイツ製の同セグメントより洒落ている。なんならCX-3をガイシャということにして、ドイツ製の同セグメント車を国産車にしてもいいぐらいだ。よくわからないが。

それはさておき、こうなってくると、もはや日本でわざわざ輸入車を買う意義はほとんどないようにも思えてくる。「輸入中古車評論家」を自称する筆者としては廃業の危機なわけだが、事実なのだから仕方ない。「無理に輸入車買う必要ないじゃん。マツダでいいじゃん」というのは、なかなか合理的な意見だ。
そんな状況下で、それでもわざわざ輸入車を買うのだとすれば、選ぶべきは「突き抜けた何か」を持った輸入車だ。中途半端な何かではなく、近年のマツダでさえ脱帽せざるを得ない強烈な個性を備えた輸入車であるべきなのだ。
となると、ポルシェ? フェラーリ? もしくはいっそランボルギーニ?
……どれもいい選択だ。スーパースポーツおよびスーパープレミアムの世界というのは、日本の自動車メーカーが遺憾ながらまだ欧州に追い付いていない部分。それゆえそういった世界を求めるなら、選ぶべきはやはりまだまだ輸入車だろう。
だがPもFもLもそう簡単に買える車ではないし、買えたところでさほど使い道の多い車でもない。一部マニアや富裕層はさておき、一般的にはP、F、Lなどではない割とフツーな車の中から、「強烈な個性」を持った1台を探すことになる。……だが、そんな車ってあるんだろうか?
ある。
例えばそれは「ちょっと古いフランス車」だ。

ここ最近のフランス車はドイツ車顔負けの走行性能を備えるようになった半面、なんとなくドイツ車風になったというか「汎欧州的」になったというか、そういった側面があることは否めない。それはフランス車に限った話ではなく、最近の車ほぼすべてに言えることではあるのだが。
しかし「ちょっと古いフランス車」は、あくまでもフランス流だった。「フランス流」というと何やら聞こえはいいが、もっとハッキリ言ってしまえば「なんか妙で変」ということだ。形も日本人から見ると妙であり、走りも変。「変」といったら間違いかもしれないが、他の国の車とは何かが根本的に異なるのだ。単純な話でいえばホーンボタンの位置も他国と全然違ったし。
そんな妙で変な往年のフランス車ではあったのだが、そこは超合理的な思考の持ち主が多いフランス人が作っただけあって、いざ乗ってみれば、その妙ちくりんさにも「なるほど!」と膝を打たざるを得ない合理性があった。シトロエンのハイドロニューマチックは、完調でさえあれば今も地上最強に近い乗り味を提供してくれるし、往年のフランス車に共通するひたすらソフトなシートは、お尻が沈み込むことである意味フルバケットシート的なホールド性を発揮した。すべて「なるほど!」である。

以上の理由により、手頃な予算で「あえて輸入車に乗る意義」をディープに噛みしめたいなら、ちょっと古いフランス車はかなりの有力候補になる。フランス車だからという意味ではなく、古い車だからという意味で、それなりのメンテナンスフィーはかかるだろう。しかし修理のノウハウをしこたま蓄えている専門店や専門工場も多い世界なので、それなりの根性とちょっとしたお金さえあれば、そう大きな心配はいらないはずだ。
ということで今回のわたくしからのオススメはずばり「93年式以前のフランス車」だ。
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