世界のパワートレインは、充電できるPHVが主流になる!?
カテゴリー: クルマ
タグ: トヨタ / スズキ / メルセデス・ベンツ / ベンツ / BMW / アウディ / フォルクスワーゲン / ポルシェ / ボルボ / ヒョンデ / 起亜 / ハイブリッド / イグニス / プリウス / ソリオ
2016/03/29

今後の各メーカーのパワートレイン戦略はいかに
世界的に有名な調査会社2社と、某大手自動車メーカーの未来予測を用いながら、近未来の車の動向を見ていく。テーマは「車のエネルギーはどう変わっていくか」だ。
まずは、上に掲載したグラフをご覧いただきたい。全世界におけるエネルギー別の車の販売台数と、今後の推移を予測したものだ。2015年の実績(推計値)は、ガソリン車(オットーサイクル=ガソリン以外の燃料を含む)が約6860万台、ディーゼル車(ディーゼルサイクル=軽油以外の燃料を含む)が約1870万台、電気モーターだけで走るピュアEVが約51万台だった。
ハイブリッド車は、トヨタ プリウスのようなフル(ストロング)ハイブリッドとマイルドハイブリッド、それから日系ブランドに先んじて海外メーカーが力を入れ始めている、外部充電可能なプラグインハイブリッド(以下PHV)を合わせて約252万台にあがった。
では今後、これらの推移はどうなるだろうか。2020年を見ていくとピュアEVは約2倍の130万台、ハイブリッドも2.5倍以上に増えて710万台に達すると予想されている。なお、ピュアEVには、燃料電池で動くFCVも含まれている。
一方、通常の内燃機関だけに頼るガソリン車は、2020年に向かって増えるものの、その後、2025年にはやや減少するとの予測が出ている。


欧州で普及するハイブリッド
ハイブリッド系は欧州で急増しそうだ。ただし、フルハイブリッド信仰が強い日本と違い、マイルドハイブリッドとPHVが中心となる。
マイルドハイブリッドとは、一般的にエンジン主体で走り、必要なときだけモーターがアシストする、いわばライトなハイブリッドだ。モーター単独では走れないものの、コンポーネントが軽量&安価で済むことが特徴。スズキがソリオから実用化しているユニットがこれにあたる。
一方のPHVは、海外勢が積極的に取り組んでいる。日本国内で早くも4つのモデルを設定しているBMWを筆頭に、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェなどのドイツブランドが売り出している。他にもボルボやヒュンダイも実用化済みだ。
これにはカラクリがある。EUの規定では、ピュアEVとともにPHVも「CO2排出ゼロ」にカウントされるからだ。各社ともPHVのさらなる開発を進めていて、佳境に入っており、今後も2、3年で上級モデルのPHVは一気に増えるだろう。

EVは、中国で年間22万台売れるも将来性は懐疑的
PHVに対し、ピュアEVの先行きは微妙だ。2015年は中国で約22万台が販売され、米国を抜いて世界最大のEV市場となったが、米国では車が1家に1台というケースにおいてEVが選択されるケースは非常に少ない。
また、中国では、電力のおよそ75%を石炭火力発電に頼っており、「むしろガソリン車に乗った方がCO2排出は少ない」としてEVの環境に対する優しさを懐疑的に見る声もある。このように世界最大と第2位のEV市場はかなり特殊といえよう。
それでも北米で各社が少量ながらEVを販売しているのは、CAFE(メーカー別燃費規制)でCO2排出量の平均値を下げなければいけないからだ。
大きな車を売り続けるからには、その分のCO2排出量を相殺するEVやハイブリッドが必要。北米で好調ながら自前のEV技術を持っていないスバルなど、今後、対応を迫られるブランドもありそうだ。
※2016年3月29日現在における予測記事です
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