新車時価格の高い大排気量車が中古車では小排気量車より10万円以上安く買える??
2016/12/16

みんなが飛びつくグレードとあえて違うものを選ぶ“逆張り”で勝ちをつかめ!
同じ車購入でも、新車と中古車には決定的な違いがあります。それは新車には定価(メーカー希望小売価格)があるのに、中古車にはそれがないこと。なぜ中古車に定価がないかというと、中古車は走行距離や内外装の状態などが1台ずつ異なるから。
中古車の値段は、需要(買いたい人)と供給(売りたいお店)のバランスで決まります。欲しい人が少ない条件の中古車は値段が安くなりますが、実はそんな中にお買い得な中古車が潜んでいたりします。お得な中古車を探すツボ、伝授しますよ!
今回のツボのキーワードは「排気量」。ビッグサイズのミニバン、SUV、セダンにはたいてい複数のエンジンが用意されています。ひとつは経済性に優れた2.5L以下のエンジン、もうひとつはパワフルかつ滑らかな走りを楽しめる3L V6以上のエンジンです。
装備内容が異なるため一概には言えませんが、2.5L以下と3L以上だと新車価格は数十万円の差になります。例えば現行型日産 エルグランドの前期型は250ハイウェイスターの新車価格が338.1万円なのに対し、350ハイウェイスターは385.4万円。旧型トヨタ クラウンアスリートの前期型も2.5アニバーサリーエディションが432.0万円で、3.5アニバーサリーエディションが487.0万円です。
維持費を差し引いても大排気量車の方が得できる可能性大!

では中古車の平均価格はどうなっているのか? 現行型エルグランドでは2.5Lより3.5Lの方が約5万円安く、3代目クラウンアスリートでは2.5Lより3.5Lの方が約8万円安くなっていました。
ちなみに2.5Lと3.5Lの価格差というのはあくまで流通している中古車の平均価格を比べたもの。店頭での個別ケースではこれ以上の差がついていることも珍しくないですからね。


ここで筆者の実体験を。初代日産 ムラーノを買おうと某大手中古車販売店に行ったときのこと。目当ては最上級グレードである350XV FOURです。私はヨンクに的を絞っていたため他のグレードはノーマークでしたが、なんと隣には年式や走行距離がほぼ同じ2.5Lの2WDが約20万円高い値段で並んでいました。
もちろんここには排気量以外の要素も関係していましたが、それでも価格差20万円というインパクトは強烈! 中古車販売の現場では、こういったサプライズに出合うことがしばしばあります。ただし、トータルコストを考えたときには燃費や自動車税などの維持費が変わってくるので(※)気になる方はチェックしましょう

さらに、大排気量のメリットとして走行性能が大きく異なります。現行型エルグランドは両車で最高出力が110ps、最大トルクが10.1kg-mも違います。2.5Lだとフル乗車で荷物も満載だと山道などでパワー不足を感じることがあるかもしれません。でも3.5Lのパワーがあればどんな場面でも余裕ある走りを楽しめます。しかも6気筒エンジンの乗り味は滑らかで静か。これを一度味わうと病みつきになりますよ。
すべて2016年12月6日時点の平均価格での比較になりますが、大排気量エンジンの方が安く買えるモデルをざっと調べたところ、2代目トヨタ アルファード前期型(240G:194.0万円/350G:185.1万円)、現行型トヨタ エスティマ前期型(2.4アエラス:83.5万円/3.5アエラス:74.8万円)、現行型日産 フーガ前期型(250GT:190.2万円/370GT:180.7万円)などがありました。

最後に、新車は大排気量車と小排気量車の価格差が大きいため、圧倒的に小排気量車の方が売れています。そのため大排気量車の中古車は流通量がかなり少なめ。条件に合うものが見つけにくい可能性もあるので、時間に余裕を持って探し、いいものを見つけたらすぐ飛びつくつもりで!
新車価格が高くて豪華なモデルが中古車になるとお得になる。多くの人がまだ気づいていないこのツボを上手に活用すれば、お得で購入後も快適な中古車を選ぶことができます。逆張りの発想で、豊かな中古車ライフを楽しみましょう!
≪※トータルコストの参考値≫旧型クラウンアスリートの場合 ・平均価格差:8万円 ・自動車税の差:1万3000円/年 ・ガソリン代の差:5500円/年(走行距離5000km・平均燃費10.0km/L・レギュラーとハイオクの価格差、1Lあたり11円で計算) 年間の走行距離が5000km程度であれば、新車時の価格差が50万円近くある車に4年乗ってもおつりが来ます!
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