A1スポーツバックなら、ロードスターRFとの2台持ち生活も夢じゃない!?【クローズアップ番外編】
2017/06/19
この車に乗るなら……という視点で人気車が持つ魅力に注目するカーセンサー(雑誌)の連載、クローズアップ。今回は、8月号(6月20日から順次発売)の番外編です。

性能を欲張るなら2台持ちもあり
そろそろ車を買い替えたい。これまではステーションワゴンに乗ってきたが、もう子供も大きくなり家族で出かける機会も減った。正直、普段1人で、もしくは妻と2人で出かけるにはちょっと大きすぎるのだ。じゃあ次に何を買おうかと考えてみたが、車に求める要素が次々と浮かんでくる。山道を気持ちよく駆け抜けられる運動性能が欲しい。しかしたまには妻と2人でゴルフに出かけたり、友人夫婦を誘って4人で出かけたりもしたいので、ある程度のユーティリティ性能も確保したい。それでいて自宅周辺は狭い道も多いので、あまり大きな車はイヤだ。燃費は良い方がいい……。車に求める要素が多岐にわたりすぎ、どれも帯に短し襷に長しだなと車選びに悩んでいた矢先、ふと2台持てばよいのでは? と思い立って調べてみた。
確かに保険や税金といったランニングコストは1台のみの場合よりもかかるけれど、何から何まで2倍かかるわけでもないと気づいた。例えば、同時に走らせることはほぼないので燃料代は変わらない。最大の問題は駐車場。2台分確保するのは難しいだろうし、確保できたとしても駐車場代がバカにならない。家賃の低い郊外に引っ越すことも考えたが、よくよく探してみると、東京23区内にも2台分のガレージ(しかもシャッター付き)を含んだ賃貸物件がないわけではなかった。というわけで、引っ越しとともに2台持ちカーライフをスタートさせた。
実用性はA1に、趣味はロードスターRFに
1台目に買ったのは、ずっと欲しかったが2シーターなので手を出せなかったマツダ ロードスターRF。実用車を別に用意するという決意をしたことで、念願の2シーターを手に入れた。そしてロードスターRFとペアを組ませた実用車はアウディ A1スポーツバック。プレミアムブランドのアウディをして実用車というのもなんだが、実用的であることは間違いない。
どう実用的かというと、まずコンパクトだ。全長3985mm、全幅1745mm、全高1440mmというのは、例えばよく見かけるトヨタ アクアに比べ、10mm短く、50mm幅広く、5mm低い。ほぼ一緒だ。当然取り回しはすこぶるよろしい。住宅密集地の狭い道でもすれ違うのに苦労することはない。コンビニの駐車場が端っこしか空いてなくてもさっと駐車できる。立体を含むどんな駐車場に入れることになってもおっくうじゃない。
それでいて室内も狭くない。前席左右に人が乗った状態で後席に座っても膝が前席に当たることはない。さすがにこのサイズだとラゲージ容量は270L(左右幅は最大921mm、奥行きは最大633mm)と必要最小限だが、ラゲージ内は凹凸が少ないのでデッドスペースが生まれにくい。後席背もたれが60:40の分割可倒式のため、キャディバッグなどの長尺物を積む際にはその量に応じて片方か両方を倒せばOK。


A1スポーツバックには、1.4L直4ターボエンジン搭載モデルと1L直3ターボエンジン搭載モデルがある。どちらも7速Sトロニック(デュアルクラッチ式)との組み合わせ。どちらも試乗した結果、1L版の走りが望外によかったので迷わず経済的な1L版を選んだ。決して速くはないが、車重が1140kgと1.4L版に比べ100kg軽いこともあってか、十分によく走る。これ1台のみを所有するなら1.4L版、あるいは2L直4ターボエンジンを積むS1を選んだかもしれないが、ロードスターRFがあるからA1は速い必要がないのだ。
昨今SUVが大流行している。あれは元来クロカン4WDと乗用車の掛け合わせ(クロスオーバー)であるところがウケたのだ。近頃はSUVの市場が大きくなって、大小いろいろなモデルがあるだけでなく、掛け合わせのSUVとクーペをさらに掛け合わせたようなモデルも増えた。SUV×オープンという掛け合わせまで出てきた(まぁSUVの祖先のジープはオープンもいいとこなのだが)。SUV人気はそれが市場のニーズに応えているからだ。ボディサイズが大きくても目線が高いから小柄な女性でも運転しやすく、多くは乗用車ベースだから乗り心地もよく快適だ。スポーツカーに劣らぬパワーを誇るモデルも少なくない。人気が出ないわけがないのだ。
けれど、それは様々な要素を1台で満たそうした場合の話だ。2台(3台以上ならなおさら)持てば、それぞれに特化した性能を持たせることができる。だからスポーツカーとユーティリティの高い車の組み合わせはアイデアルペアなのだ。スポーツカーとSUVでもいいし、スポーツカーとハッチバックでもセダンでもワゴンでもいい。スポーツカーがマストなのは、スポーツカーじゃないと得られないドライビング・ファンが存在するからだ。そのスポーツカーがオープンエアモータリングも楽しめるモデルであれば、いよいよ最高だと思うのだ。2台持ちカーライフはやめられない。
……という妄想はとても楽しい。あなたならどんな組み合わせを選びますか?
【解説した人】塩見智
1972年、岡山県生まれ。地方紙、自動車雑誌を経てフリーランスライターへ。輸入車好きだったのに年々国産車びいきに。NA、NBと乗り継いだロードスター好き。
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