改めて試乗して再認識。快適に乗りたい落ち着いた大人には3代目NCロードスターがオススメだ
2019/07/31
▲今回は3代目ロードスターに試乗する機会を得たので、自動車テクノロジーライターの私、松本英雄がその模様をレポートする外見、内装から感じられるNCロードスターの今っぽさ
編集部の“てんちょ~”こと大平くんの計らいで、2代目ロードスターと3代目ロードスターに試乗させてもらえることになり、神奈川県横浜市にあるマツダR&Dセンターへやってきた。
今回の3代目NCロードスターに試乗する前に、軽快なステアリングフィールの2代目NBロードスターに試乗し、自分でも20歳若返ったドライビングを堪能した。
少し興奮した様子で「機械式のLSDの効きが最高でさぁ……」と、その素晴らしい感覚をてんちょ~に伝えると「後ろから見ていても楽しそうでしたよ! でも今度はNCをお願いします」と、かなり冷静に言われ、50歳の冷静なおじさんに戻り改めてNCを見回す。
デザインは先代よりもやんちゃで、ビュンビュン走らせるような新しいエッセンスが入ったイメージがする。好みも別れたことだろう。
▲NC型ロードスターからRX-8のプラットフォームを用いて3ナンバーのサイズにもなった用意されたNCロードスターは2012年式のRSグレード。3万2000kmほど走った車だ。
様々な国のレギュレーションに対応しているので、やはり大きくなった感じは否めない。
さっそくNBからNCに乗り替え、シートに腰を下ろすと、古き良き時代の車から現代の車に乗り替えたような感覚になる。
▲軽量に継ぐ軽量をしたせいだろうか、ドアの締めたときの音がちゃちな感じがする
▲インテリアもどことなく「現代の車」といった雰囲気が漂う若干重さは感じるものの、トルクを使ってゆったり流せるのは魅力的
いざ乗ってみるとNBと比べてそれほど大きな重量増加はないにも関わらず、発進から機敏な印象は受けられない。
エンジンを2Lにして、出力もトルクも向上。全長もトレッドも増した。フロントミッドシップのこだわったレイアウトで、NBの楽しいドライビングからさらに高次元に進化している雰囲気が漂う。
▲2Lエンジンは170psの出力を発揮する
▲6速MTのシフトフィールも、大きなトルクに対応したタイプなのか重さを感じる国道に出て、少しアクセルを踏み込んだ。安定したトルクで乗りやすい。エンジンの制御も環境性能を考えた方向なのでレスポンスも落ちる。
シフトを1速から2速、3速にしてエンジンの粘り強さを感じながら引っぱった。スパルタンな外観とは違い、落ち着いた大人の雰囲気の乗り味だ。
▲サスペンションの動きも良く乗り心地がよい。一度速度に乗せてしまえばネガティブな重さも感じられないストレートのスタビリティはとても高く、路面からの小さなアンジュレーションでも、ステアリングの修正は最小限にとどめられる。やっぱり進化している感じはある。
NBから一気に変わっただけあって、落ち着いたハンドリングだった。ガンガン走るよりもワインディングを流すと気持ちがいい、そんな感じだ。
長距離にも対応した大人のロードスターとなったNC型は、外観のやる気とは裏腹に成熟した乗り味である。
最新のND型を見て乗って思うのは、原点復帰。
その一方で、改めてNC型に試乗すると、マツダ ロードスターが築いてきたライトウェイトスポーツカーは、時代とともに成熟させてきたスポーツカーなのであることがわかる。
ファンとともに、大人になっていくプロセスを垣間みれるモデルがNC型だと思わずにいられない。
▲RSグレードのためビルシュタインダンパーが装着される
▲横から見るとボディの凹凸が増え、抑揚のあるデザインになった
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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