スバルインプレッサWRX STI A-Line 【ちょい乗り試乗】
2009/04/16
ステアリングもアクセルも、MTモデルより「大人」しいWRX STI
スバルインプレッサWRX STIに新しいグレードA-Lineが追加されました。レガシィアウトバック2.5XTと同じ2.5Lターボ&5ATを積んだ、少し大人向けを思わせるモデルですが、果たしてどんな乗り味なのでしょう。
インプレッサWRX STIといえば、6MTで駆るというイメージの強いモデル。そこにあえて5速のATとトルクフルな2.5L水平対向4気筒ターボをもってきたことや、オプションで本革シートが選べ、クルーズコントロールも標準装備しているところを見ると、「MTはもう年齢的に厳しいから、できればATでWRX STIを楽しみたい」と思う人をターゲットにしたと想像できます。普段の街乗りから旅行にも使えて、いざとなればスカッと走りを楽しむ、みたいなところでしょうか。
ちなみにエンジンスペックを比べてみると、下記のようになります。
WRX STI(6MT):最高出力227kW(308ps)/6400rpm、最大トルク422N・m(43.0kg-m)/4400rpm
WRX STI A-Line(5AT):最高出力221kW(300ps)/6200rpm、最大トルク350N・m(35.7kg-m)/2800~6000rpm
レガシィアウトバック2.5i(5AT):最高出力195kW(265ps)/5600rpm、最大トルク350N・m(35.7kg-m)/2400rpm
2Lツインターボの6MTモデルと比べると、数値的には出力&トルクは劣るものの、フラットなトルクが特徴です。また同じEJ25エンジンであるアウトバック2.5XTと比べると、専用チューンが施されていることがわかります。
こういった事前情報をもとに、乗ってみました。試乗車は18インチBBSアルミホイールや本革シートなどを備えたプレミアムパッケージ(336万円)です。
「あれ?STIってこんなに硬かったっけ?」というのが第一印象。もちろんガチガチのスポコン的な乗り心地とは違います。高速道路を走っているとつなぎ目で時折跳ねるのを感じるのです。以前6MTに乗った際は、しなやかな足にびっくりしたものですが、そういえば高速道路は走っていませんでした。同じ245/40の18インチ(ポテンザ)タイヤだし、足回りも変えていないので、乗り心地は変わらないはずなのですが…。
ステアリングも、思ったより鋭くはありません。もちろん普通のインプレッサに比べれば鋭いのですが、MT車ほどではない。これには4WDシステムの違いが影響しているのかもしれません。MT車がDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)方式4WDなのに対し、A-Lineはレガシィと同じVTD(不等&可変トルク配分電子制御)-AWD。DCCDのほうが、よりスムーズに回頭するからでしょう。
また、アクセルを踏んだときの加速感も期待していたほどではない。トルクフルではあるものの、そう驚くほどの加速を感じられませんでした。
そこでふと気づきました。跳ねが気になるのにはこうした“気持ちよさ”が原因ではないかと。
つまりMTモデルの、ツインターボによる胸のすく加速感や、意のままに曲がっていく回頭性によってもたらされる“気持ちよさ”が、本来あったはずの「跳ね」を忘れさせていたのだと。
だからA-Lineでは気になってしまったのでしょう。
そう考えると、確かにこのA-Lineは大人向けと言えると思います。鋭い回頭性や強烈な加速感はマイルドでいいのです。しかし個人的にはMTモデルの“気持ちよさ”をそのままにしたAT車がよかったと思います。無理を承知で言えば、ライバルのランエボが搭載しているツインクラッチSSTなどが載っていれば、跳ねなど気にならなかったでしょう。
40過ぎの私はMTをガチャガチャして峠を攻めるような年齢ではありません。しかしあの“気持ちよさ”を捨てる年齢でもないようです。普段「大人向け」とひと言で済ませていますが、よく考えればその幅は広いんですよね。私はまだA-Lineのもてなしが楽しめる大人ではないようです。
ちなみに、北米ではこのA-Line同様2.5L&5ATモデルがWRX STIとして販売されています。エンジンの数値やホイールなどが異なりますが、こちらの試乗記も併せてご覧ください。
インプレッサWRX STIといえば、6MTで駆るというイメージの強いモデル。そこにあえて5速のATとトルクフルな2.5L水平対向4気筒ターボをもってきたことや、オプションで本革シートが選べ、クルーズコントロールも標準装備しているところを見ると、「MTはもう年齢的に厳しいから、できればATでWRX STIを楽しみたい」と思う人をターゲットにしたと想像できます。普段の街乗りから旅行にも使えて、いざとなればスカッと走りを楽しむ、みたいなところでしょうか。
ちなみにエンジンスペックを比べてみると、下記のようになります。
WRX STI(6MT):最高出力227kW(308ps)/6400rpm、最大トルク422N・m(43.0kg-m)/4400rpm
WRX STI A-Line(5AT):最高出力221kW(300ps)/6200rpm、最大トルク350N・m(35.7kg-m)/2800~6000rpm
レガシィアウトバック2.5i(5AT):最高出力195kW(265ps)/5600rpm、最大トルク350N・m(35.7kg-m)/2400rpm
2Lツインターボの6MTモデルと比べると、数値的には出力&トルクは劣るものの、フラットなトルクが特徴です。また同じEJ25エンジンであるアウトバック2.5XTと比べると、専用チューンが施されていることがわかります。
こういった事前情報をもとに、乗ってみました。試乗車は18インチBBSアルミホイールや本革シートなどを備えたプレミアムパッケージ(336万円)です。
「あれ?STIってこんなに硬かったっけ?」というのが第一印象。もちろんガチガチのスポコン的な乗り心地とは違います。高速道路を走っているとつなぎ目で時折跳ねるのを感じるのです。以前6MTに乗った際は、しなやかな足にびっくりしたものですが、そういえば高速道路は走っていませんでした。同じ245/40の18インチ(ポテンザ)タイヤだし、足回りも変えていないので、乗り心地は変わらないはずなのですが…。
ステアリングも、思ったより鋭くはありません。もちろん普通のインプレッサに比べれば鋭いのですが、MT車ほどではない。これには4WDシステムの違いが影響しているのかもしれません。MT車がDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)方式4WDなのに対し、A-Lineはレガシィと同じVTD(不等&可変トルク配分電子制御)-AWD。DCCDのほうが、よりスムーズに回頭するからでしょう。
また、アクセルを踏んだときの加速感も期待していたほどではない。トルクフルではあるものの、そう驚くほどの加速を感じられませんでした。
そこでふと気づきました。跳ねが気になるのにはこうした“気持ちよさ”が原因ではないかと。
つまりMTモデルの、ツインターボによる胸のすく加速感や、意のままに曲がっていく回頭性によってもたらされる“気持ちよさ”が、本来あったはずの「跳ね」を忘れさせていたのだと。
だからA-Lineでは気になってしまったのでしょう。
そう考えると、確かにこのA-Lineは大人向けと言えると思います。鋭い回頭性や強烈な加速感はマイルドでいいのです。しかし個人的にはMTモデルの“気持ちよさ”をそのままにしたAT車がよかったと思います。無理を承知で言えば、ライバルのランエボが搭載しているツインクラッチSSTなどが載っていれば、跳ねなど気にならなかったでしょう。
40過ぎの私はMTをガチャガチャして峠を攻めるような年齢ではありません。しかしあの“気持ちよさ”を捨てる年齢でもないようです。普段「大人向け」とひと言で済ませていますが、よく考えればその幅は広いんですよね。私はまだA-Lineのもてなしが楽しめる大人ではないようです。
ちなみに、北米ではこのA-Line同様2.5L&5ATモデルがWRX STIとして販売されています。エンジンの数値やホイールなどが異なりますが、こちらの試乗記も併せてご覧ください。
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
スバルインプレッサWRX STI A-Line 【ちょい乗り試乗】/旬ネタ
あわせて読みたい
スバル STI S210の抽選販売に落選した人へ贈る「今すぐ買えるコレ、代わりにどうですか?」5選
現行型Aクラスが総額100万円台後半から狙えるが買いなのか!? オススメの選び方を考えてみた
BMW 3シリーズツーリングの中古車平均総額が50万円以上ダウン! 200万円前半から買えるプレミアムワゴンの中古車状況、オススメの狙い方を解説
【試乗】新型 ポルシェ マカン|BEVでもエンジン車と変わらぬポルシェらしい自然なドライブフィールが味わえる!!
【試乗】新型 アウディ Q6 e-tron|快適な乗り心地と扱いやすさで幅広い層にアピールする最新BEV!
新型クラウンエステート発売の裏でクラウンクロスオーバーの中古車価格が400万円台に! 最高級クロスオーバーSUVの中古車状況やオススメの狙い方を解説
受注停止中のジムニーノマドの代わりに「三菱の5ドアコンパクトSUV パジェロイオ」はどうですか?
【試乗】新型 ランドローバー ディフェンダー オクタ|オフロードでもオンロードでも “究極のパフォーマンス”を発揮する635psのラリーベースモデル
【試乗】新型 メルセデスAMG GT63 S Eパフォーマンス 4ドアクーペ|AMG謹製V8エンジンを感じさせてくれるパフォーマンス志向のPHEVモデル
新型フォレスターの新車価格に絶望した人に贈る「半額で買えるコレ、代わりにどうですか」5選