見た目そっくりな新旧ホンダ N-BOX。旧型は40万円も中古車価格が安くて魅力的だが、どんな人にオススメな軽自動車か?
2024/06/25
▲2017年9月に登場した2代目ホンダ N-BOX。軽自動車最大級の車内空間を誇るスーパーハイト軽ワゴンだ最新型と旧型の間には約40万円の差が!
2023年10月に登場した最新型・3代目ホンダ N-BOX。旧々型となる初代と旧型の2代目は、どちらも軽四輪車新車販売台数において8年連続(2015~2022年度)で、普通車を含む新車販売台数でも2年連続(2021~2022年度)で1位に輝いていた超人気車だ。
これだけ売れた車をモデルチェンジするとなると、新しさも必要だが、やはり“誰が見てもN-BOXだとわかる”ことが欠かせないのだろう。最新型の3代目を見ると、もちろん新しさもあるが旧型からのキープコンセプトだということがわかる。
▲こちらが最新型のN-BOXで左が標準モデル、右がカスタムモデル
▲そしてこちらが2代目N-BOX(2020年12月マイナーチェンジ時)。左が標準モデル、右がカスタムモデルそもそもN-BOXのデザインは初代から3代にわたって“N-BOXらしさ”が継承されている。こうなると、もはや普遍的な、タイムレスなデザインになっているとさえ言える。
さらに、旧型となる2代目に関しては、現行型へのモデルチェンジからまだ1年経っていないし、先述のとおり“バカ売れ”したモデルゆえ、この先しばらく街中から姿が消えそうにない。ということは、今から乗っても古くさく思われることがなさそうだ。
そんな2代目・旧型N-BOXだが、中古車の平均価格はというと原稿執筆時点(2024年6月20日)で136.1万円。一方の最新型の3代目の中古車平均価格は178.7万円と、両車の間には40万円以上の差がある。そして、当然のことながら新車と比べればその差はもっと広がる。
誤解を恐れずに言えば……「ほとんど見た目が変わらないのに価格差が大きい」とも言え、「正直、安く狙える旧型でもよいかも」と感じる人もいるのでは? と思える。
そこで今回は旧型と最新モデルの違いを確認し、どんな人なら旧型でも満足できそうか、逆に最新型を選んだ方がよさそうなのはどんな人か、検討してみることにしよう。
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ホンダ N-BOX(2代目)×全国旧型と最新型の違いは「走行性能」「安全性能」「先進機能」の3つ
旧型と最新型を比較すると、主に3つの違いが挙げられそうだ。以下、順に見てみよう。
結論から言えば、現行型の走行性能は2代目と“大きな”差はない。
しかし、いくら差がないと言っても隅々までブラッシュアップされており、加速はよりスムーズになったし、高速走行時の静粛性は向上、乗り心地のよさは確実にアップしている。
だが、ここであえて大きな差がないと言っているのは、車の走行性能に大きく関わるプラットフォーム(車の骨格)が、最新型も旧型も同じものを使用しており、さらにはエンジンやトランスミッションも変わらないためだ
つまり「確実に走りは良くなっているものの、決して旧型の走りが悪いわけではない(むしろ今でも一線級)」ということ。
ゆえに、多くの人にとって2代目を選択肢から外す理由に走行性能を挙げる必要はなさそうだ。
▲最新型も旧型も同じエンジンとミッションを使用している
旧型はデビュー時から先進運転支援機能「ホンダセンシング」を全車に標準装備していた。
このホンダセンシングには衝突被害軽減ブレーキや、先行車の速度に応じて自動追従するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)など10もの機能が含まれている。また、2021年12月の一部改良で、ACCは渋滞時の追従機能も備わるようになった。
そして、最新型でも当然ホンダセンシングは全車に標準装備。ただし、広角カメラの採用などによるシステムの改良が施され、「近距離衝突軽減ブレーキ」と「急アクセル抑制機能」が追加されている点が異なる。
システム自体の精度としても現行型が上だが、2代目のホンダセンシングでも、十分安全性は高く、広範囲にわたって乗員を守ってくれる。だから2代目の安全性能を不安視する必要はないだろう。
▲3代目は約100度という広範囲を見渡せるフロントワイドビューカメラをフロントウインドウ上部の中央に備えて、ホンダセンシングに活用している
最新型では、メーターパネルに代わり、7インチ液晶パネルがステアリングの奥に備わるようになった。速度の他、ホンダセンシングの情報なども表示される。
また、同社のコネクテッド技術「ホンダコネクト」にも対応。対応するナビを備えて「ホンダトータルケアプレミアム」を申し込めば、カーナビのマップが自動更新されたり、スマートフォンでドアをロックできるなど、様々なサービスを受けることができる。
いずれも同社の軽自動車としては初採用となる魅力的な先進機能だ。しかし、その必要性をあまり感じないのであれば、2代目を選んでも不満はないだろう。
▲ステアリングの内側で視認できる液晶メーターパネルを備えた3代目ここまで旧型・2代目と最新型・3代目の違いについてチェックしてきた。
まとめると、装備や安全装備は最新のものであることは欠かせず、現段階の軽自動車の中で最高クラスの走行性能や乗り心地を求める人であれば、40万円以上高くても最新型を選んだ方が満足することができるはずだ。
一方で、普通以上に充実した安全装備があって、普通に快適に走れる軽自動車で十分ということであれば、40万円以上安い旧型のN-BOXをチェックしてみる価値は大きいはず。
例えば、「普段は近場の買い物や通勤で使うことがメインで、たまに家族で遠出もしたい」くらいの人には十分オススメすることができそうだ。
以上を踏まえ、「旧型でも十分かも」と感じるのであれば、引き続き本記事を読み進めていただきたい。
旧型モデルの概要:全車にホンダセンシングを採用
2017年8月に登場した2代目N-BOX。ボディバリエーションは標準モデルとカスタムモデルの2種類があり、どちらにもターボなしとターボエンジン搭載車が用意された。
また先述のとおり、初代とは異なる新世代のプラットフォーム(車の骨格)が採用され、走行性能や乗り心地が大きく向上している。
▲N-BOXらしさの象徴のひとつ、丸目のヘッドライトが備わる標準モデル(写真・左)と押し出し感の強い専用フロントグリルが備わるカスタムモデル(写真・右)そして、この2代目の最大の特徴と言ってもよいのが、先進運転支援機能「ホンダセンシング」が全車に標準装備されているということだろう。
2代目がデビューした時期には、多くの軽自動車で衝突被害軽減ブレーキの標準装備化が進んでいた。しかし、ホンダセンシングは衝突被害軽減ブレーキ以外にも多彩な機能を含んでいたのが特徴だ。
例えば、高速道路で先行車の速度に応じて自動追従するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)や、車線中央を走るようステアリング操作をアシストする機能(車線維持支援システム)も標準で備わる。
これらの機能は、普通車でもオプションの場合もあるほど。それが軽自動車に標準装備されたのは大きな魅力だった。
▲先進運転支援技術の「ホンダセンシング」。ACCは普通車でもオプションになることが多い機能だまた、プラットフォームが変わったことで初代と比べて車内が広くなり、乗り心地や静粛性も高められた。前方視界を良くするため、フロントピラー(フロントウインドウを支える左右の柱)が細くなっているのも特徴。
使い勝手も良好で、かゆいところに手が届くようなポイントがたくさんある。例えば、各種収納やUSB端子などはもちろん、後席部分にそのままベビーカーを積むことも可能。子育て中のファミリーでも満足することができるはずだ。
▲フロントピラーが細くなったことで前方視界が向上した
▲助手席前のトレイにはUSB端子があり、スマートフォンなどの充電に便利。ステアリング奥にはティッシュボックスも入る、フタの付いた大型収納ボックスが備えられている
▲前席がベンチシートタイプの車内。後席は左右別々に最大190mmスライド可能
▲後席の助手席側の座面を上方向に畳めばベビーカーをそのまま載せられる2代目は2017年9月~2023年9月の6年間にわたり生産されたが、期間中に一部改良やマイナーチェンジが行われた。
中古車を検討する際には下記3つをおさえておこう。
2019年3月:一部改良
ホンダセンシングの性能を向上。運転席&助手席シートヒーターと左右独立式アームレストを標準装備(一部グレードを除く)。
2020年12月:マイナーチェンジ
内外装デザインの変更。
2021年12月:一部改良
サイドブレーキをレバー式からスイッチ式(電子制御式)に変更。これにともない、ACCに渋滞追従機能が追加された。
▲2020年12月マイナーチェンジ以降の後期型では、外観も変更されたこれらの一部改良やマイナーチェンジ、実は他のモデルと比べると小さめといえるのだが、それほど2代目N-BOXはデビュー時から完成されていたモデルだと言うことができる。
つまり中古車を探すうえでは、後期型の見た目が好きだとか、高速道路をよく走るので渋滞追従機能ACC付きが便利、という人以外は、あまり年式にとらわれずに探せるということ。年式以外のコンディションや予算に応じて探しやすいのが、2代目N-BOXの中古車のメリットだ。
旧型モデルの中古車状況:平均走行距離は少なめで良コンデイションを期待できる物件も多い
では、気になる2代目N-BOXの中古車相場や流通台数を見てみよう。
執筆時点でのカーセンサー掲載台数は約8500台と人気モデルだったこともあり超豊富で、平均価格は前述のとおり約136万円と最新型よりも40万円以上安く、手頃な価格のものも増えている。
それでいて平均走行距離は約3.2万kmと、まだまだこれからという中古車が多いのも特徴だ。
標準モデルとカスタムモデルの割合はほぼ半々で、ターボの割合は3割程度。価格は中古車それぞれのコンディションによるが、同条件下ではターボの方が1割前後高い傾向があるようだ。
一方、全車標準装備のホンダセンシングだが、2017年9月~2020年11月生産の前期型については新車時に非搭載仕様を選ぶこともできたため、一部中古車には搭載されていないことには注意が必要だ。
前期型のホンダセンシング搭載車を選ぶ際には、グレード名に「ホンダセンシング」と入っている中古車を選ぶようにしよう。
以上を踏まえて、オススメの中古車を紹介していこう。
▲全グレード標準装備だったホンダセンシングだが、2017年9月~2020年11月生産の前期型は「非装着仕様」も選べたので注意が必要【オススメ1】とにかく手頃に狙いたいなら「G L ホンダセンシング」
手頃な価格でN-BOXを手に入れたいなら、台数が豊富で選びやすい「G L ホンダセンシング」がオススメ。同グレードは標準モデルの中核グレードで、前席がベンチシートのタイプだ。
1つ下の最廉価グレードであるG ホンダセンシングに対して、助手席側スライドドアが電動になり、スライドドアにロールサンシェイドを装備する。それでいてG ホンダセンシングとあまり価格が変わらず、掲載台数も豊富で選びやすいというメリットもある。
走行距離3万km未満で総額約100万円が購入の目安だ。
▲日差しなどを遮ることができるロールサンシェード▼検索条件
ホンダ N-BOX(2代目)×「G L ホンダセンシング」×全国【オススメ2】カスタム狙いなら「カスタムG Lターボ ホンダセンシング」
▲カスタムG Lターボ ホンダセンシングに標準装備される15インチアルミホイールクールな見た目のカスタムモデルをお得に狙いたいなら、「カスタムG Lターボ ホンダセンシング」を検討してみてほしい。
最も手頃な価格なのは、新車時価格が約20万円安いノンターボの「カスタムG L ホンダセンシング」だが、価格がだいぶこなれてきた中古車では、当時の価格差はほとんどない。
それでいて、ターボ車になればアルミホイールが14から15インチになるし、シート地の上質感が増し、両側とも電動スライドドアになる。
この装備差を考えると、「カスタムG Lターボ ホンダセンシング」のお得感は高いと言える。
走行距離3万km未満で総額約120万円が購入の目安となっている。
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ホンダ N-BOX(2代目)×「カスタムG Lターボ ホンダセンシング」×全国【オススメ3】両側電動スライドドアが欲しいなら「G Lターボ ホンダセンシング」か「Lターボ」
▲スイッチひとつで自動開閉する電動スライドドアは、人気装備のひとつ人気装備のひとつである「両側電動スライドドア」付きの中古車を手頃な価格で狙いたいなら、「G Lターボ ホンダセンシング」を探してみよう。 一見、上記で紹介しているG L ホンダセンシングのエンジンにターボが備わるだけに思えるが、実は電動スライドドアが助手席側だけでなく、運転席側にも装備されているのだ。
その他にもリアシートの左右独立式アームレストが備わり、ステアリングに本革が巻かれるなど、ちょっぴり豪華仕様になっているのも嬉しい。
なお、2020年12月のマイナーチェンジで「Lターボ」と名称が変わっている(Gが取れている)ので注意しよう。
購入の目安は走行距離3万km未満で総額約120万円と、上記より少し高めだが、仕様を考えれば十分お買い得ではないだろうか。
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ホンダ N-BOX(2代目)×「G Lターボ ホンダセンシング」・「Lターボ」×全国▼検索条件
ホンダ N-BOX(2代目)×全国
ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。先日、中古車のホンダeも加わった。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
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