世田谷代田の家+中村高淑
カテゴリー: カーライフ
タグ: EDGEが効いている / ガレージハウス
2011/05/10
ヴィンテージな雰囲気が漂うガレージ
「世田谷代田の家」は、白を基調としたタイルや木、濃紺のガルバリウムで彩られたモダンな外観が特徴。木材を敷いたガレージは独特な雰囲気で、そこには古い愛車が収められている
2台の愛車とウッディなガレージが奏でる味のある趣味空間
ガレージのオーバースライダーを開けた瞬間、ふと爽やかな海風が流れたような気がした。なんともいえない味のあるウッドフロア。買ってからなにも手を入れていないという、ほどよいヤレ感を漂わせるダッジバン。フルオープンのまま格納されているゴルフ・カブリオ・クラシックライン。施主のDさんが選んだというウッディな棚やアンティークな小物など…。さり気なく置かれているこれらのアイテムが、どこか湘南の家を連想させるような空間を構築しているのだ。
この独特の雰囲気は、そのまま玄関に続く。三和土にはDさん自慢のハーレーのエンジンを積んだ“ロードホッパー”が置かれ、上の棚には年季の入った革ジャンが数着。ヘルメットやグローブ、ワークブーツなども無造作に並べられている。広めに作られたスペースには、クラシカルな雰囲気の書斎デスクとチェアを配置。あえてサビを浮かせた鉄製の手すりや、アメリカ製コンセントなどの小物からもコダワリが伺える。すべてのアイテムはみな、Dさんのセンスと計算のうえに成り立ちバランスをとることで、総合的にD邸のイメージを作り上げているのだ。
2階のフロアから3階を通って屋上までは、美しい曲線を描くラセン階段が貫く。ラセン階段は、設計を担当した建築家・中村さんの作品には多く登場する。以前に拝見した住宅は、家のど真ん中にラセン階段が設けられ、シンボリックな存在になっていた。スペース効率を高めるという物理的なメリットもあるが、このD邸においても大事なアクセントのひとつである。
D邸は、施主のライフスタイルそのものがひとつのカタチとなって表現されている。施主の嗜好に共感し、それを現実のものとする中村さんの手腕が光る住宅である。
「世田谷代田の家」
建築家:中村高淑
tel.045-978-4335 http://www.unit-h.com/nakamura/
所在地:東京都世田谷区 主要用途:専用住宅
構造:木造 規模:3階建 敷地面積:86.12㎡ 延床面積:175.08㎡
設計・監理:unit-H 中村高淑建築設計事務所/中村高淑、三原敦
一級建築士事務所 艸の枕/只石快歩 吉田一成構造設計室
文・菊谷 聡 text / KIKUTANI Satoshi
写真・木村博道 photos / KIMURA Hiromichi
明るい雰囲気のLDKが、2階の大部分を占める。3階、そして屋上へと繋がるラセン階段は、居住スペースを犠牲にすることなく、オブジェのような役割も果たしている
バイクを置くために、三和土を広く取っているのが特徴のひとつ。木の素材を生かし、温もりのある空気感を漂わせている
広い玄関の一部を書斎とすることに。書斎からガレージが眺められる広いガラス窓を設けたのは、Dさんのオーダー。これにより、玄関がひとつの「部屋」であることが強調されている。今後はここで仕事をすることもあるというDさんだが、デスクに座りふと目を上げると、非日常を味わえるガレージの風景が広がっているとは羨ましい環境だ。
2階と3階は、螺旋階段を通して、ひとつの空間として繋がりをもっている。
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