細い路地の奥に潜む、キャデラックを収めた居住空間付きガレージ!【EDGE HOUSE】
カテゴリー: カーライフ
タグ: キャデラック / プジョー / ランボルギーニ / セダン / ステーションワゴン / 206SW / ATS / EDGEが効いている / ガレージハウス / c!
2020/12/26
▲来訪者を迎えるのはガレージ前に設置されたターンテーブル。まさに秘密基地な体裁だ。一方で全館空調システムを設置して、室内は一年中快適。「旅行から帰ってきても、家の中が暑かったり寒かったりしないのがいい」要望したのはリフトとターンテーブル、そして秘密の階段
「ガレージに居住空間が付けばそれでよかったんですよ」と施主のOさんはいう。
奥さまは隣りで苦笑い。けれど、30坪に満たない土地に車を3台収めようと思えば、しかも細い路地の奥にあって、車の通れる間口が2mしかないとなれば、あながち施主の言葉は戯れ言ではなく本心。「そこに家族が3人住めるなんて!」という望外の喜びもにじみ出ているように思う。
この土地を購入して家を建てたのは約25年前。
「インナーガレージなんていう言葉も知らなかった」から、カーポートを用意。ロータス ターボエスプリを購入した際に、アコーディオンガレージという簡易ガレージにした。
「けれど湿気がひどく、シートにカビが生えたりして大変でした」
年を重ねるにつれ収入も増え、ついに4年前「土地はあるから、上物だけなら」とインナーガレージのある家に建て直すことを決意。その際の愛車は先のロータスと、E36ベースのアルピナ B6。
「それと息子の車を入れて3台。出し入れしやすいようにと考えたら『リフト』と『ターンテーブル』は必須だと思ったんです」
他にも書斎やそこに繋がる秘密の動線など、希望条件を提示して、広く建築家を募れるサイトを利用したところ、複数の建築家から提案が届けられた。そこからOさんは車好きの建築家に絞り込んだ。
「僕の気持ちを理解できるのは、やはり同じように車が好きな人だと思ったんです」
それでも土地条件が厳しいことに加え「とりあえず」と施主が提示した予算額に縛られたのか、思うような提案がなかった。
ところが建築家の田邉さんは違った。
提示された予算にこだわらず、現地を見て「しばらく思案していたら『こういうのなら作れる』というアイデアわいたんです」。それを模型にして持っていくと、家族満場一致で「いいね!」だった。
スキップフロアも条件の一つだったそうだが、田邉さんはその意図を詳しく聞かずとも「あ、こういうことね」と理解し、段差を利用してリビングからリフトアップされた愛車を眺められる構造にしていた。
Oさんは「まるで僕の頭の中を、田邉さんが模型で見せてくれた感じだった」という。
▲ATS-Vを止める側の壁にはキャデラックのロゴを用意。奥の“猛牛”ステッカーが飾られたガラスの向こう側がOさんの書斎
▲現在の愛車はカーボンファイバーエアロパッケージを装着するキャデラック ATS-V スペックB。プジョー 206SWは息子さんの愛車
▲仕事もできる書斎。レカロの電動シートをカスタマイズして置いている。スイッチを操作すればリクライニングも可能
▲書斎に用意されたハシゴ。これを使えばわざわざ玄関まで下りて、シャッターを開けなくてもリビングから書斎へ入れる
▲マニア垂涎の丸石自転車パーフェクトチェンジの極上物を所有。リトラクタブルライトでHシフトはバイワイヤー!こうして出来上がったO邸だが、この取材で久しぶりに訪れた田邉さんはビックリした。
あの時「この車を収めたい」と依頼され、あれだけリフトやターンテーブルの緻密な配置に腐心したはずのロータスとアルピナがないのだ。
「実は交差点で出合ったキャデラックATS-Vに一目惚れして、アルピナを手放したんです」とOさん。ガレージにはキャデラックのロゴまで掲げられている。ではロータスは?
すでに購入のめどはついているが、納車にまだしばらく時間がかかる車があるという。その購入資金として手放したのだ。
その車とは? 写真を見れば読者諸兄もブランドは察しがつくだろう。では車種は? 「そこは秘密にしておいてください」とOさん。
都心の細い奥に潜む、秘密基地のようなガレージハウスに、Oさんが恋い焦がれている1台が、来年にはやって来るようだ。
▲リフトの上段に収めた車を、リビングから眺められる。キャデラックの向こうに見えるロゴの車が、今後納車される
▲周囲を住宅に囲まれているため、大きな窓を設置していない。その分、天窓などで室内に光が届くよう配慮されている
▲段差で空間を仕切るスキップフロアが生む、開放感のある空間。「以前の家と同じ土地とは思えないほど広く感じます」
▲1階がRC造、その上は木造という構造。ガレージには、シャッターボックスが薄いアルラックス社製をセレクト■所在地:東京都
■主要用途:専用住宅
■構造:RC造+木造軸組
■敷地面積:93.64 ㎡
■建築面積:55.35 ㎡
■延床面積:151.48 ㎡
■設計・監理:田邉恵一(田辺計画工房)
■TEL:03-5768-2878
※カーセンサーEDGE 2021年2月号(2020年12月26日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
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