マクラーレンの中古車ビジネスが本格始動! 世界で2店舗目の認定中古車センターを大阪にオープン!! その狙いを探る
カテゴリー: カーライフ
タグ: マクラーレン / EDGEが効いている / 西川淳
2023/03/27
▲3月21日に新たな認定中古車専売拠点「マクラーレン クオリファイド大阪」がオープンした。2011年に12Cを発売してから12年経った現在、日本国内におけるマクラーレン車の累計保有台数は1700台を超えて中古車の流通量も増えた。そこでモータージャーナリストの西川淳がマクラーレン クオリファイド大阪を訪れ、マクラーレンの中古車ビジネスの最前線をリポートするマクラーレンの中古車ビジネスをけん引するのは日本のマーケット
大阪に世界で2店舗目となる認定中古車センター「マクラーレン クオリファイド大阪」がオープンすると聞いて驚いた。確か世界で1番目のセンターが2019年に東京でオープンしていたから。つまり今現在、世界を見渡してもマクラーレン専門の認定中古車販売拠点は日本にしかないということ。
今年で60周年を迎えた有名ブランドとはいえ、ロードカービジネスを始めてまだ10年と少し。その間、右肩上がりに成長した結果であると同時に、日本が世界で最も進んだマクラーレンの、否、スーパーカーのマーケットであることの証拠でもあるだろう。
日本のマクラーレン熱はかくも特別だ。そのことは先日来日したマクラーレン・オートモーティブ新CEOのマイケル・ライターズ氏も認めるところで、ライターズCEOは「車はもちろんのこと、ブランドの個性や歴史もよく知る熱いユーザーが多い。とても重要な市場だ」と語った。例えば、マクラーレンの各モデルはサーキット走行が得意で、日本のユーザーのなんと10人に1人から1.5人はサーキット走行を積極的に楽しんでいるという。年に一度のトラックデイ(サーキットイベント)に参加する台数も世界最大規模を誇っている。
▲富士スピードウェイで開催された2022年のマクラーレン・トラックデイ・ジャパンには、過去最高となる160台のマクラーレンが集結。日本におけるマクラーレン人気の高さをうかがわせた走りを積極的に楽しむスーパーカーだからこそ、中古車ビジネスが肝心になってくる。正当な方法できっちりと整備された個体が二次流通の主役になってこないと、最終的にブランドのイメージが毀損されてしまうからだ。マクラーレン熱の高い本物志向の日本市場だからこそ、余計に認定中古車制度の充実が待ち望まれてきたのだろう。
今こそ認定中古車を確立する絶好のタイミング
歴史は長くともロードカービジネスとしては新参者であったマクラーレンにとって、最初の10年はとにかく勢力拡大期で、矢継ぎ早の新車攻勢をかけることで、既存のライバルブランドたちの牙城を突き崩そうとした。結果、ブランドの知名度は今やライバルに勝るとも劣らなくなったが、問題もあった。販売台数の急激な増加に中古車下取りが追い付かず、一時期は相場が崩れそうになったこともあった。
マクラーレン・オートモーティブ・アジアパシフィック日本代表の正本嘉宏氏も「早くから中古車ビジネスの整備は急務だと考えていました。とはいえ、台数が増えてこないとビジネスとして成立せず、タイミングを見極めなければならかった」と言う。「マクラーレン大阪」を運営する八光自動車工業の池田晋八社長も「とにかく新車を売っていくことに精いっぱい。保管スペースの点でも下取りを積極的に行うことは難しかった」と本音を語る。
▲マクラーレン・オートモーティブ・アジアパシフィック日本代表の正本嘉宏氏
▲マクラーレン大阪を運営する八光自動車工業株式会社の池田晋八代表取締役社長ところが新型コロナ禍によって新車の供給が滞りがちになって、中古車の需要が急激に伸びた。現在ではリセールバリューレシオもライバルブランドに引けを取らない。
「実はコロナ前から土地も確保してセンターの計画も立てていました。とはいえ、中古車ビジネスにも期待が持てることが分かった。投資額は当初の予定より大幅に増えてしまいましたが、自信を持って進めることができました」(池田社長)
「中古車とメンテナンスは、新車販売の波を埋めるという意味でも重要なビジネスです。今年、日本のマクラーレン保有台数はようやく2000台を超えるかどうか(現状約1700台)。実を言うと規模的にはまだ時期尚早かもしれません。けれども、逆に把握できる数だからこそ挑戦しよう。これから世代も変わってまた新たなモデルが続々登場する。そんな中、今後は販売したすべての車両がディーラーへ戻ってきてもいいような環境を整えておきたい。そうすることでディーラーの利益も増えますし、ブランドの価値も上がり、結果的にはお客様の満足度向上にもつながっていくと考えました」(正本代表)
3月21日の正規オープンを前にメディアへ披露された新拠点は、なるほど至れり尽くせりでハイエンド・スーパーカーブランドの面目躍如というべき内容だった。
まず立地がいい。京阪神すべての地域からのアクセスに優れた名神高速・豊中インターチェンジ至近だ。そこに延べ床面積およそ590坪の4階建てビルが立った。1階は最新CIを取り入れたショールームで、英国ウォーキングから届く映像を巨大ディスプレイで楽しむことができる(取材中もずっと見入ってしまった!)。2階には専用のサービスセンターが開かれた。フラットな専用リフト、アライメントテスター、タイヤバランサーなど最新鋭のシステムが揃い、車検や通常のメンテナンスからハードな走行を楽しむユーザーまで広範囲にカバーする。3階は認定中古車のショールームだ。
▲マクラーレン クオリファイド大阪は、大阪エリアをはじめ、神戸、京都からのアクセスに優れた阪神高速/名神高速・豊中インターチェンジより車で2分という好立地。4階建ての施設には、日本最大数となる約20台の車両展示が可能な他、2階にはマクラーレンサービスセンターを完備する。所在地:大阪府豊中市名神口1-14-33 tel.06-4866-0001
▲サービスセンターには5台のフラットな専用リフト、車両専用エレベーターの他、アライメントテスター、タイヤバランサー、タイヤチェンジャーを備える。マクラーレンらしく、高い走行性能を追求したきめ細かいメンテナンスに対応する日本初のマクラーレン専用ショールームは2012年3月に大阪のブランドストリート、御堂筋にオープンした。あれから11年。400を超えるユーザーを抱えるまでに至った「マクラーレン大阪」は、新たにオープンした「マクラーレン クオリファイド大阪」とともに、関西一円の熱いマクラーレンオーナーたちに今後も一層クォリティの高いサポートを提供することだろう。
▲世界に先行して、日本で2つの認定中古車販売拠点を展開するマクラーレン。リセールバリューを含めた認定中古車、メンテナンスのサービスを充実させることで、ブランドの価値を高め、お客様の満足度を高めていく▼検索条件
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