マイカー禁止の「天空のスカイライン」、乗鞍スカイラインを走ってきた【ジャパンEVラリー】
2016/08/04

自然と自動車の共存、「ジャパンEVラリー」が今年も開催
先月16日から18日にかけ、長野県白馬村、岐阜県高山市などで「ジャパンEVラリー2016」が開催されました。
今年で3回目となったEVラリー。ラリーといってもスピードを競うものではなく、英語で結集する、再び集まるという「rally」のもともとの意味に沿ったものです。日本中のEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド自動車)など、排気ガスを出さないモーターを動力としたEV走行が可能な車たちが白馬村に集結、楽しく走行するのがこのジャパンEVラリーの特徴です。
このイベント、昨年までは長野県白馬村の「Hakuba47」を中心に開催されていました。白馬村は電力のほとんどを村内にある複数の水力発電設備で賄うなど「環境立村」を掲げていて、環境の取り組みが進んだ地域だったんですね。エネルギーをはじめとして交通、車の環境負荷をゼロにすることができればさらなる「環境立村」につながるということで、このEVラリーの開催にも協力していたわけです。
今回はそんな白馬村を出発、「乗鞍スカイライン」を通って岐阜県高山市まで至るルートが設定されました(3日間全行程に参加した場合)。白馬村以外でも開催されるのは初の試みです。白馬村を中心としながらも、いよいよイベントが拡大してきた感があります。
乗鞍スカイラインは北アルプスの南端である乗鞍高原と岐阜県高山市の平湯とをつなぐ道路で、「日本一高所を走る道路」として知られています。その標高は最も高い場所で2702m。これはスカイラインの終点となる乗鞍岳の畳平バスターミナルのものですが、これほど高い場所を走ることができるのは乗鞍スカイライン以外にありません。
雲のそのまた上、標高2000m越えの「天空」を走る
編集部はそのスカイラインへと向かうラリー3日目にお邪魔しました。頂上へ向かうべく乗り込んだのはBMW i3。EVラリーですから当然ですが、周囲も日産リーフなどのEVやトヨタ ミライなどのFCVなどモーターで走る車たちばかり。
実は乗鞍スカイラインは排気ガスから自然を守るため、自家用車での走行は禁止。バスやタクシーでしか通行は許可されておらず、今回のように参加者が自ら運転する車で走行できるのは2003年の規制以降で初めて。主催の日本EVクラブが関係機関に折衝して実現したもので、正式な許可が下りたのはラリー直前だったとのこと。
幸運なことに、当日は前日までの悪天候がウソのように快晴でした。スタート地点にいたタクシー運転手の方も「珍しいね」と仰っていたほどの見事な晴れっぷり。
朝9時ごろにいよいよ畳平目指しての走行がスタート、各車が20km/hほどのゆっくりとしたスピードで景色を味わいながら走ります。高い木々に囲まれた、自然あふれる風景です。
圧巻は出発して15分ほど経ったルート後半、おそらく標高2000mを越えている地点で一気に視界が開けたとき。このあたりで高い木々が生えなくなる森林限界を迎えるようで、遠くのアルプスを見渡しつつ、そして雲の上を走っていることに気がつきます。さながら「天空のスカイライン」といったところでしょうか。
木々に囲まれていた光景から一転、遠くの山々や雲が見えた瞬間は思わず歓声を上げてしまいました。スタートから20分強で頂上の畳平へ到着した後も興奮冷めやらず、周囲をハチが飛んでいるのにも気がつかずにただただ山を眺めていました。
「いつか自分の車で」、期待が膨らむEVの今後
今回強く感じたのは美しい自然の中をドライブする楽しさ。それ自体は当然ですが、排気ガスという問題がある中で、その楽しみを今後も持続的に味わうためには、自然と車とが共存することが大切です。
これまで各自動車メーカーも環境負荷の低減に多くの力を割いてきましたし、今後も負荷自体は減っていく傾向にあるでしょう。そして排気ガスを出さないEVがより普及し、乗鞍スカイラインを自分の車で走れる日が来たら、より多くの人がドライブの楽しみを味わうことができるのではないでしょうか。すでに日産 リーフをはじめ個人向けのEVやFCVが登場していますが、今後もその動向から目が離せません。




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