公道では試せないハイレベルの走りを、リーズナブルにサーキットで楽しめるBMWによるワンメイクレース【EDGE Motorsports】
カテゴリー: レース&イベント
タグ: BMW / FR / M2コンペティション / M2クーペ / EDGEが効いている
2022/03/12
▲BMWのコンパクトセダンである2シリーズクーペ。そのMモデルであるM2は、もはや公道では試せないほどの高いパフォーマンスを備えている。そんな性能を存分に生かせる公式ワンメイクレースが、日本に初上陸した。その詳細とマシンの解説をしたいレース仕様車は1800万円以下と買いやすい価格
日本で唯一の、BMWグループジャパンによる公認レース「M2 CS レーシング・シリーズ」が、2022年4月にスポーツランドSUGOで開幕する。
近年、世界的にジェントルマンレースの人気が高まっている。それにつれてFIA GT3規格に準拠したマシンはどんどん高性能・高価格化してきた。いまやGT3マシンの価格相場は5000万円を超え、モデルによっては1億円にも手が届きそうな勢いだ。現在は、その下位クラスとしてGT4規格が設定されたが、それでもベース車両の価格は約3000万円といったところだ。
2014年にニュルブルクリンク24時間レースを取材したとき、2シリーズクーペのM235i/M240iをベースにした「M235i/M240iレーシング」がたくさん走っている姿を見て驚いた。本国では2000万円以下の価格設定で、これを日本でも販売すればいいのに、と感じたものだ。
それがようやく日本で実現することになった。M235i/M240iレーシングの後継となる「M2 CSレーシング」は、BMW M社とBMW Motorsportが共同開発したレースカー。ベース車はMパフォーマンスではなく、生粋のMモデル、M2だ。気になるM2 CSレーシングの国内価格は、ベースバージョンが1499万円、450psバージョンが1799万円と、レースカーとしてはかなりリーズナブルな設定だ。
パワートレインは3L直列6気筒ターボエンジンに、モータースポーツ専用のソフトウエアによって制御される7速DCTを組み合わせる。最高出力は、各レース規定に基づいたレースごとに設定されるBOP(性能調整)に応じて、280~365psの間で調整可能であり、最大トルクは550N・mを発揮する。
また、車両購入後にパーツなどを追加することで、最高出力450psまで引き上げることが可能な設計となっており、最初から450psへチューンナップされたバージョンも販売されている。専用のドライブ・シャフトや、個別の冷却システムを備えた機械式LSDを標準装備。これ以外にもレカロ製バケットシートやロールケージ、安全燃料タンクなどレースに必要な様々なアイテムを備えている。
▲日本で行わる予定のM2 CS レーシング・シリーズは、本国から提供されるヨーロッパのレギュレーションを採用している。日本での初戦は、宮城県のスポーツランドSUGOで4月に行われる
▲M2をベースにして開発されたM2 CSレーシング。パワースティックと呼ばれるUSB機器を使用することで、エンジンコントロールのセッティングなどを行える
▲専用に製造されたドライブシャフトやカーボン製ルーフなどを標準装備。メンテナンス性を向上させるエアジャッキも備わっているすでにドイツでは、2021年よりDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)のサポート・レースとして、BMW M2 CSレーシングによるワンメイク・カップ「BMW M2 Cup」がスタートしており、日本でもそれに準拠したレースが開催されることになった。
2022年シーズンは、MINI CHALLENGE JAPANとの共催で、スポーツランドSUGOを皮切りに、富士スピードウェイ、ツインリンクもてぎ、岡山国際サーキット、鈴鹿サーキットと国内の主要サーキットで開催予定。決勝は2レース制で全10戦となっている。
参戦資格は、JAF認定国内A級ライセンス以上を所有していること。エントリーフィー(1大会2レース、消費税込み)はシーズン価格192万5500円(年間で使用可能なクレデンシャル・パス7枚を含む)、スポット参戦(1大会)が38万5000円(該当ラウンドのみ使用可能なクレデンシャル・パス5枚を含む)と、こちらもリーズナブルな設定だ。
いまや、高性能スポーツカーの本領を公道で発揮することは不可能だ。もし、それを買える予算があるなら、思いっきりアクセルペダルを踏める、本格レースに参戦するという手も悪くないと思う。もしくは、友人や仲間とシェアして、スーパー耐久などに参戦するという楽しみ方もある。
BMW M2 CS レーシングは、ディーラーでも買うことのできるレースカーだ。日本で唯一のBMW Mモータースポーツ・ディーラーである「株式会社モトーレン東都」で販売されている。
▲ロールケージやレカロ製バケットシートが備わるインテリア。エアコンは標準装備となる
▲エンジンカバーがないことを除けば、M2 CSレーシングのエンジンルーム内はM2と変わらない
▲アシートやラゲージなどの内装はすべて撤去されている
▲トランクリッドには、角度調整可能な専用リアスポイラーが追加されている
▲2シリーズは、1シリーズクーペの後継として2013年に登場した。そのMモデルがM2だ。ブレーキやシャシー、エンジンはサーキット走行前提の本格的なスペックを備えており、一部パーツはワンクラス上のM4のものを使用している。中古車市場では車両本体価格460万~500万円ほどで流通しており。よりハイパワーなM2コンペティションは600万~750万円ほどとなっている▼検索条件
BMW M2 × 全国▼検索条件
BMW M2コンペティション × 全国【関連リンク】
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
“日本の誇り” 日産 R35 GT-Rは果たしてスーパーカーなのか?【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
’07 フェラーリ F430|空力とヘリテージが息づくV8ミッドシップ【名車への道】
X3が3代目なら200万円代前半で狙える? BMWの人気プレミアムSUV、中古車相場やオススメの狙い方を解説
’73 シトロエン DS|独自のデザインと乗り心地、そのすべてに“哲学”がある【名車への道】
フェラーリの維持費ってどれくらいかかるの? そんなリアルな疑問、専門店に聞いてきた!
~300万では選べない、1000万では高すぎる~ 600万円で探せる一度は乗っておくべきクルマ【カーセンサーEDGE 2025年11月号】
マセラティ MC12ストラダーレ最高額落札の盛り上がりの陰で、マクラーレンの“最終車両”コレクションがひっそりと販売されていた!?
FD3S型RX-7の価格高騰が止まらない……悔しいから少しでも賢く狙う方法を真剣に考えてみた!
【祝! 頭文字D30周年】 主人公・藤原拓海の愛機ハチロクことスプリンター トレノAE86の中古車状況は今どうなってる? モデル概要、狙い方も併せて解説
エントリーモデルとして成功を収めたフェラーリの“V8フロントエンジン”の系譜とは【スーパーカーにまつわる不思議を考える】









