12年ぶりに新型が登場するフェアレディZは、中古クーペ市場を活気づける救世主となるか!?
2020/10/20

現状の中古クーペ市場は輸入車への依存度が高い
先頃、新型日産 フェアレディZのプロトタイプが発表された。
現行型のデビューから、12年ぶりとなるフルモデルチェンジの報に、心躍らせたファンは多かったに違いない。
そして“現代のZらしさ”の回答として提示されたプロトタイプのデザインに、往年のZファンだけではなく、クーペの魅力を再発見した人も少なくないだろう。
昨年のトヨタ スープラ、そして今回の新型フェアレディZと、新車界隈では国産クーペの名跡復活が続く。だが中古車市場でのクーペの存在感は年々薄まる一方だ。

9月末時点でカーセンサーnetに掲載された全中古車物件のうち、軽自動車を除くクーペの占める割合はわずか2.5%。2019年に中古車を購入した人の割合でも、軽自動車が36.9%だったのに対し、クーペは2.5%に留まっている(グラフ①)。
しかし、同じデータから輸入車を購入した人に注目すると、様子は一変する。表①は、輸入中古車を購入した人が選んだボディタイプを、割合の多い順に並べたものだ。
2017年は4位で、購入者の10%がクーペを選んでいた。2018年と2019年は5位に下がっているものの、割合は10%前後で堅調に推移しているのがわかる。
以上を踏まえると、現状の中古クーペ市場は輸入車に依存していると考えてよいだろう。その背景には、そもそも新車の国産クーペ自体が少ないうえに、高性能&高額化していることや、国産クーペの良質な中古車が海外へ流出していることなど、様々な要因が考えられる。
こうした状況のまま、もし新型フェアレディZの登場を契機に国産クーペ熱が再燃するとどうなるのか。
あくまで仮説だが、短期的には物件の供給量が追いつくかが気になるところ。場合によっては、輸入車も含めて高止まり気味の中古クーペの相場が上がるかもしれない。
長期的には、中古車の国産クーペの海外流出に一定の歯止めがかかるというポジティブな可能性も考えられる。そうなれば、輸入車を含め選択肢が増えることにより、中古車選びが一層楽しくなりそうだ。
中古クーペ市場の行方はさておき、いろいろな意味で新型フェアレディZが大きな期待を背負っているのは確かだ。この日本を代表する美しいクーペの動向に注目したい。
相場が上がる前に狙いたいオススメクーペ3モデル
1:日産 フェアレディZ(現行型)

2:アウディ TT(2代目)

3:プジョー RCZ(初代)

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