スズキ ワゴンR VS ダイハツ ムーヴコンテ PART1:走行性能が優れているのはどっち?
2008/11/11
PART1 走行性能が優れているのはどっち?
スズキ ワゴンR
ダイハツ ムーヴコンテ
スズキの軽自動車のイメージを一新させた新型ワゴンR
日本独自のミニカー=軽自動車は、とにかく偉大な存在。本連載未登場(次月登場予定)だが「軽自動車があるのにトヨタiQは本当に必要?」といった声さえあるほど。しかし一方で、軽自動車というと、走りの面で満足がいかない…そんなイメージを抱いている人もいまだ少なからずいるのでは? もしそうだとしても、そんな“先入観”を払拭してくれるのが、新しいワゴンRだ。というのも、かなり(今風のイントネーションで読んでもらっても可)安定感のある走りっぷりになっているから、だ。新型はフロントサスペンションが新設計で、ホイールベースも先代より40mm延びている。が、そんな事実関係をチェックするまでもなく、新型ワゴンRの走りっぷりは、これまでの、頼りなげだったスズキの軽自動車のイメージを一新、まるで改心したかのようにスタビリティが高められている。
とくに全高が15mm高まったにもかかわらず、まるで背の高さを感じさせないボディの安定感、ドッシリとした印象の乗り味は秀逸。ステアリングも適度な手応え(重さ感)を実感でき、グッドである。スズキはスイフトの開発で欧州の道を走り込んだ…とのことだったが、そんなセンスはこの新型ワゴンRにもフィードバックがあったのかもしれない。
エンジン性能も不満なし。試乗車はNAエンジン搭載車だったが、実用領域で自然な力強さを発揮。CVTとエンジン特性との協調性も良く、実にストレスなく走る。ちなみに別の機会にターボモデルにも乗ったが、ターボと比較しても性能は十分だし、自然なパワー感では、むしろコチラのNAに軍配が上がると思えたほどだ。
フル乗車でも評価は高かった。特に走りは「リッターカーと比べても、遜色なし」のジャッジが下るほど。後席も段差の通過時に「入力が大きいと結構くる」ものの、「シートクッションの硬さが良い」「リアタイヤの上に座ることになるが、足が組めるほどの広さが心地良い」といった声。後席では「エンジン音はするが、ロードノイズは気にならない」との指摘も。
反対に前席では「ロードノイズが常にする」の印象。「ベンチシートは、助手席だけスライドさせると違和感があって、(運転席に連動する)アームレストが邪魔にもなる」「車の機能にお金がかかっているせいか、内装がまだチープ」「後席のドアガラスは、ウエッジのせいで身長172cmでもやや高い。体格によっては閉塞感があるのでは?」の指摘もあった。
乗り味は大雑把な印象だが、内装は高評価のムーヴコンテ
もう1台の試乗車ムーヴコンテは、本家のムーヴとはひと味違う、独自路線を打ち出したモデル。実用前提なのは変わらずも、赫々然々(カクカクシカジカを漢字で書くとこうなる)なボディをまとい、個性を主張する。が、走りの味のほうは、期待値が高かったせいか、「あらら、どうしたの?」といった印象。もともとダイハツ車の乗り味は、スズキよりやや上等に思えたのだが、今回ばかりはその印象が逆転。軽自動車としての水準は満たすレベルながら、ストローク感がやや足りないし、全体の乗り心地も、ザバザバと大雑把な印象を受ける。
エンジンフィールも、あまり洗練された印象を受けない。動力性能自体に不足はないのだが、エンジン回転が上がった際のノイズ(エンジン自体の音やCVTが立てる音)が耳につく。ただ、フル乗車では「ふっくらしたシートクッションが好きな人はこちら」「後席のシートベルトが装着しやすい」など、内装系の評判が高かった。
走りは「総じてエンジン音が盛大で、頑張っている感がある」「乗員が増えると、ボディのブルブル感あり。ワゴンRにそれはなかった」などの指摘が。反面、結果的に大入力がいなされる面があり「同じショックでもワゴンRより、アタリが柔らかい」の感想もあった。
今回のまとめ
軽自動車No.1を誇り、リードしてきたワゴンR。従来モデルのイメージを一新し、改心したかのような、シッカリ感の高い走りを評価したい。次回予告
居住性と実用性&積載能力をチェックするぞ!
居住性と実用性&積載能力をチェックするぞ!
今回のテスト車両


| スズキ ワゴンR | |
|---|---|
| テスト車両 | FXリミテッド 118.125万円 |
| 駆動方式 | 2WD |
| トランスミッション | CVT |
| 全長×全幅×全高(mm) | 3395×1475×1660 |
| ホイールベース(mm) | 2400 |
| 車両重量(kg) | 850 |
| 最小回転半径(m) | 4.4 |
| 乗車定員(人) | 4 |
| エンジン種類 | 直3DOHC |
| 総排気量(cc) | 658 |
| 最高出力 [kW(ps)/rpm] |
40(54)/6500 |
| 最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
63(6.4)/3500 |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 30L |
| 10・15モード燃費 (km/L) |
23.0 |
| 実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
現在調査中 |
| タイヤサイズ | 155/65R14 |


| ダイハツ ムーヴコンテ | |
|---|---|
| テスト車両 | Xリミテッド 128.1万円 |
| 駆動方式 | 2WD |
| トランスミッション | CVT |
| 全長×全幅×全高(mm) | 3395×1475×1645 |
| ホイールベース(mm) | 2490 |
| 車両重量(kg) | 850 |
| 最小回転半径(m) | 4.5 |
| 乗車定員(人) | 4 |
| エンジン種類 | 直3DOHC |
| 総排気量(cc) | 658 |
| 最高出力 [kW(ps)/rpm] |
43(58)/7200 |
| 最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
65(6.6)/4000 |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 36L |
| 10・15モード燃費 (km/L) |
23.0 |
| 実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
現在調査中 |
| タイヤサイズ | 155/65R14 |
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スズキ ワゴンR VS ダイハツ ムーヴコンテ PART1:走行性能が優れているのはどっち?/旬ネタ
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