【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、「UMA(未確認生物)」を斬る
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2012/09/12


http://www.sgt-date.com
輸入車界に伝説の「ツチノコ」は存在するか?
ツチノコという生物がこの世に存在しないことは99.999%確定しているわけだが、輸入車の世界にはある種のツチノコが跋扈している。それは「だって、マニアックな輸入車ってすぐ壊れるじゃん」という言説だ。
なぜそれが「ツチノコ」なのかと言えば、わたしを含むほとんどの輸入車マニアは“それ”を実際に見たことがないからだ。「マニアックな輸入車はすぐ壊れる? それってどこの惑星の話ですか?」というぐらいに実感のわかない話である。
いや、この話に補足は必要だろう。もちろん、あえて車名を挙げるが、例えばシトロエンXMやクーペフィアットなどは「直しても直しても・・・」ということも十分考えられる。しかし、そういった類の車は、XMとクーペフィアットに限らず今や市場原理により淘汰され、マーケットから消えつつある。
そうではなく、それなりの数がそれなりのプライスで今なお流通し、それに乗るユーザーも結構多く、かつ「専門店」が存在するジャンルの輸入車は、そう簡単には壊れないと思っていい(ま、たまには壊れますけどね)。事実、わたし自身の例で言えば、
・M・ベンツ190E 2.3-16
・アルファロメオ アルファGTV
・シトロエン2CV
・ランチア デルタHFインテグラーレEVOⅡ
といった、前述の条件に合う車に乗ってきたわけだが、故障らしい故障(消耗品の劣化による不調ではない、何らかの突発的な不調)は1回もなかった。
2つの「愛の力」がツチノコの存在を否定する
しかしそれも、考えてみれば当たり前の話なのだ。こういった車が“中途半端な年式”だった頃は玉石混淆だったわけだが、ずいぶん古くなったと言える現在まで(鉄クズとして処分されずに)生き残っている個体というのは、大きく分けて以下2つの「力」を与えられているからだ。
・歴代オーナーの強烈な「愛情」=ていねいな取り扱いと頻繁なメンテナンス
・専門店による様々な「対策」=弱点の補強や新たな整備技法の開発など
車が「鉄とゴムと油と水でできていて、それを燃料や電気で走らせる機械」である限り、いかにマニアックなモデルであっても、ちゃんと整備してやればちゃんと走る。無論、ちゃんと走らない車種も残念ながら存在したが、そういったモデルは前述したように自然と淘汰され、眼前から消えていく。で、一定数以上のファンがついているマニアック系であればあるほど、一般的なモデルよりも高濃度な整備を受けてきた可能性は高い・・・という簡単な話である。
そういった意味で、「ツチノコ」はやはり存在しないのだ。UMA(未確認生物)愛好家は残念がるかもしれないが。
ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
伝説のツチノコはいない。だから、迷わず行けよ。行けばわかるさ。
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